「Based on true eventsでありBased on true storyではない」ホテル・ムンバイ penguinさんの映画レビュー(感想・評価)
Based on true eventsでありBased on true storyではない
本編を見ながらこれがどこまで本当の話を元にしているのか、と思いながら見ていた。実際、赤ちゃんのおしめを替えたり、ミルクを与えたりできない状態で長時間経過後、チェンバーズラウンジへ移動し、赤ちゃんが泣き声をあげる元気があったか??と思ったり。この辺は完全なフィクションだろう。
wikipediaなどのネット情報によると実在の人物は料理長のみであり、アルジュンは架空の人物だそうな。でもホテルのスタッフたちの勇気ある貢献があったのは事実だったようで、映画のラストはこのホテルのグランド・リニューアルオープン時の実際の映像が流れる。
ただ、残念なことに今回の作品を午後ロードで鑑賞し、その後ネットなどで本編のあらすじを確認したところ、テロリスト側が本当に報酬の支払いが自分たちの家族になされたのか、携帯で確認したが実際には支払いがなされていなかったことが判明するシーンがカットされていたようで、その挿入話を知って、ラスト近くのテロリストたちが死を待つ中の絶望感が腑に落ちた。全編カットなしで見たかったよ!
それにしても偶然この映画を観る前に同じ午後ロードの枠で「クーデター」という、海外赴任先で現地のホテルに到着した翌日に現地政権のクーデターに巻き込まれ、アメリカ人をターゲットにする反政権側に狙われるアメリカ人ファミリーのアメリカ映画を観ていて、同じような展開でありながら、あちらは突っ込みどころ満載の娯楽映画。ただ、どちらも子供(こちらは赤ちゃん)を救出するためのドキドキハラハラシーンがあり、緊迫するための演出に子供(赤ちゃん)を用いるところは発想が同じ。やはり自分を犠牲にしてでも助け出す必要がある要素には子供しかないのだね。
ラストは赤ちゃんが無事母親の元に戻り、アルジュンも家族のもとに帰る。『しかし首謀者は国外逮捕を免れ、現在も捕まっていないことが語られる』(wikipediaより)。wikipediaでは国外、と記載されているが国外とはパキスタン。パキスタンはいまだにこのテロリストたちを養成している。