劇場公開日 2019年9月27日

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「描き方が巧い。」ホテル・ムンバイ tackさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0描き方が巧い。

2021年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

実際のテロ事件をベースに描いた映画の中では、過去一と言っていいほど巧く描かれていたように感じた。

ホテルで働く現地のインド人の人々。裕福な外国人。若いバックパッカー、テロリストにならざるを得なかった貧しいムスリムインド人、そしてムスリムながらも普通に生きる人もいたり。

エンターテインメント性も高く、下手に一部の人を英雄視するような感じでないし、テロリスト側の一面も描き、映像も迫力満点。当時の問題点も描いている。恐れ入った。

あんな残虐な行為を行っていながらも、ふと少年らしい無垢な一面を見せる彼らも、人の子だと実感。結局目に見えないボスに操られているだけなのだ。お金が欲しくて。

制作がオーストラリアなので、これだけ巧く描かれているのかとも思った。
アメリカが対テロ映画を描くと、割と米軍をたたえる感じになって終わる映画が多くて、テロリストなんてモンスターみたいな時も結構ある。そうした方が受けがいいのか、それとも根っからそう思っているのか。

この映画は決してそのような感じになってないので、良作と言えよう。

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じーたら