「凄惨な事件の全貌。名もなき者達の群像劇。」ホテル・ムンバイ 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
凄惨な事件の全貌。名もなき者達の群像劇。
【賛否両論チェック】
賛:凄惨な事件の中で、それぞれの事情を抱えながら戦い続けた名もなき人々の姿に、思わず考えさせられる。
否:理不尽で無慈悲な殺害描写等が非常に多いので、苦手な人には不向き。
事件当日の様子が淡々と描かれ、無慈悲な犯人達により引き起こされた凶行に、まずは驚かされます。そしてそんな悲惨な現場の最前線で、愛する家族を必死に守ろうとする者や、ゲストを守るために命を賭けた従業員、そして犯人達の事情等、様々な人物の様々な真相が切り取られていく中で、恐ろしくも悲しい事件の全貌が明らかになっていくのが印象的です。
オベロイ料理長が、従業員達にゲストを助ける計画を指示しながらも、
「強制はしない。」
と伝えるシーンで、去る者と残る者それぞれの理由があるところなんかが、観ていて考えさせられました。
殺害シーンなんかは非常に多いので、苦手な人には向かないかも知れませんが、理不尽な暴力に屈しなかった名もなき人々の戦いの記録です。気になった方は是非。
コメントする