「観るべき一作。ホテル・ムンバイ 2008年11月26日に起きたこと。」ホテル・ムンバイ shiroさんの映画レビュー(感想・評価)
観るべき一作。ホテル・ムンバイ 2008年11月26日に起きたこと。
ホテルムンバイ。
2008年11月26日〜29日にインドのタージマハルパレスホテルで実際に起きたテロを描いた映画。
平和や無事を祈るマリーゴールドの花があふれる建築も素晴らしい本当に宮殿のような5つ星ホテル。
“お客さまは神様“最高のホスピタリティで接客をするホテルマンたち。
泊まる顧客も世界のVIPが多く、誰もが憧れるホテル。テロリストのイムランが無邪気に素敵だと思うぐらいのそんな素敵な場所。
夫婦や恋人や家族で過ごす楽しい食事の時間から一転、突然銃声が鳴り響いて。。。
とてもショッキングで、、息もつけなくて。繰り返される惨劇に目を背けたくなりました。でも、これが現実にあったこと。
銃撃戦や爆発音にまるでその場にいるような感覚になりました。
お客様を守るために行動した従業員の方々の純真な姿に心も打たれて、、テロを起こした理由を考えるとどうしようもないやりきれない気持ちになって。。 もし、巻き込まれてしまったら
どうしたらいいのだろうとかいろいろ考えさせられる映画でした。
旅する中で、食事をしてるときに、何気ない日常の中で、突然起こる惨劇は悲劇でしかなくて。
大切なひとが突然隣で銃に倒れたら、自分に銃口が向けられたら。。どうしたらいいのでしょう。
こんなことが日本で起きたら、どう対処するのだろうととても不安にもなりました。
亡くなった方も宿泊者より、従業員の方が多かったそうで、なんて勇気のある行動なんだろうと胸が熱くなりました。
ラストは安堵なのか 悲しいのかわからないけれど、涙が止まらなくて。。
そして、ベビーシッターの方の赤ちゃんの命を守る行動もママであるザーラやパパであるアメリカ人建築家デヴィッドの家族を守るための命がけの行動にもすごく胸を打たれました。
そして、愛する人が目の前で射殺されることは本当に想像を絶して、残されたザーラと赤ちゃんは今は大丈夫なのか、とても心配になりました。
テロリストのイムランも貧しい生活の中で、家族のためにと感情もなくして、人を次々と殺めるけれど、ザーラの祈りに同じムスリムで女性で自分と同じ人間、、と負傷した脚の痛さを抱え、上の指示に従うことが正しいのか心の迷いが見えて、本当に辛くなりました。
どうか良心が戻りますようにと祈らずにいられませんでした。
日本に住むわたしにはわからないコーランやイスラムの世界。宗教戦争。
貧富の差が生んでしまった憎悪や悲しみの感情。
見終わったあとの疲労感は凄かったけれど、、現場は本当に壮絶だったと思うので、すごくやりきれない気持ちになりました。
平和な日本も今は貧富の差もでてきています。でも、まだ守られていて、平和な世の中にもみえます。これから先、どんなときにも自分を自分の良心を見失わないようにと改めて考えました。
そして、今日もほぼ満員の客席でしたが、たくさんの方に観て欲しいと思いました。