永遠に僕のもののレビュー・感想・評価
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クライムサスペンスではなく青春映画
若くして連続殺人犯となった青年が主人公と書いてあったが、殺人よりも窃盗・強盗の方が印象に残る犯罪だった。殺人は成り行きで犯したって感じ。シリアルキラーの映画を期待してはダメ。
そしてやってる盗みも適当で行き当たりばったりな感じ。70年代のアルゼンチンって取締りもゆるかったのかなと思ってしまう。クライムサスペンスとしてのスリルやカッコよさはない。
一人の青年が犯罪を犯しながら70年代前半を突っ走った青春映画として観るのが正解なんだろう。そういう意味で、主人公カルリートス(のルックス)と、流れてくる音楽がカッコいいのは正しい。大した盛り上がりも脚本的な仕掛けもないが、最後までちゃんと観ることができた。
退屈なのか、愛なのか
ブエノスアイレス版かまってちゃん
世界は泥棒と芸術家のもの。
1971年のアルゼンチン、ブエノスアイレス。実際に起きた事件がモデルというが、なにこのおしゃれ感は!
人のものを盗んで悪びれることもなく、友を裏切ってもしゃあしゃあとし、人を殺してもケロッとしている。まさしく、好きな音楽を聴きながら軽くステップを踏みながらダンスをするように、悪事をいくつも重ねていく。欲しいものはすべて自分のものなのだから罪の意識なんてないのだ。逮捕されたすまし顔の彼を、まるでアイドルを見つめる眼差しの少女まで現れる始末だ。凶悪犯でありながら、その容姿とのギャップに美しさを見つけ、神話性を求めているんじゃないのか? つまり原題の「El Angel」そのものを。
当時の時代背景(音楽、ファッション、自動車、ローテク、、)のアナログさがまたたまらない。そして、あのラストシーンの絶望。絶望なのに、なんで悲劇に見えないのだろう。
ちょう良
無軌道なイケメン
タイトルなし
なんだこれ
主人公の美しさがなければクソつまんない映画かも
面白い!
殺人鬼を肯定するわけではないけれど、
この主人公が魅力的なのは確か。(元の殺人鬼もこういう人だったのか…?)
悪気が一切なくただただ本能で自分に正直に生きている。よく言えば素直。
なんなら可愛がられるタイプでもあると思う。
「人を殺したそうだな」
「勝手に死んだ」
「その前に銃で撃ったんだよな。だからお前が殺した」
「僕たち だ」
「僕たち…?」
「僕とラモンとあなた。3人でチームだ」
的なことを本心で言う、思考の持ち主。
人として1番怖いタイプの人間だと思う。
個人的に終わり方が好きでした。
堕天使の気持ちは誰にも分からない。が、演じたロレンソ・フェロのスター性は十分に感じた。
慎ましやかに暮らす夫婦の愛らしい顔をした1人息子が殺人犯に堕ちて行く過程が、やや感傷的に描かれる。
カルリートスのコソ泥から殺人者になっていく気持ちの移ろいをどう観るかは、観客に委ねられる。
「朝日のあたる家」が流れるシーンがあるが、あの時見せるカルリートスの表情が心に響くか否かでこの作品の評価は別れるだろう。
私には、躊躇なく人を殺める時の彼の表情は無機質、無表情に見え、負の印象が残った。
(近年の邦画で言うなら、「渇き。」で鮮烈なデビューをした小松菜奈のあの表情である)
だが、カルリートスを演じたロレンソ・フェロの彫像のような美顔と時折見せる憂いの表情には大いなるスター性を感じた。
新たなスター誕生となるか?
レトロスペクティブな風合いのクライムムービー。
<鑑賞日翌日、一部追記>
内容を象徴するような強い絵と音楽
家猫からジャッカルへ
1972年に20歳にして終身刑となり現在も服役中のアルゼンチン人の少年をモデルにした話。
悪びれることもなく空き巣を繰り返していた主人公カルリートスが、新たに通い始めた学校で出会ったラモンとその家族の影響もあり、どんどん凶行に及んで行くストーリー。
何かを語ったり諭したりする感じは無くてただただ彼の行いをみせていく展開で、あまり他の作品と比較するのは好きじゃないし人物像や雰囲気は違うけれど、敢えていうなら「KILLER 第一級殺人」の様なつくりかな。
犯行中は悪びれることはないけれど、親には隠したり発砲も皆の責任としたり人のせいにしたりと、試しているのか疎ましいのか本当は不安なのか…。
金儲けが目的という感じもなく、楽しいからか、あとで楽しむ為か、淋しいからか、何も考えていないのか。
彼の本意はわからないし彼を理解することは出来ないけれど、悪意があったというよりも、良心が無いというか線を引くところが違うというか、自由にやりたい様にやっただけだという感じがして、やってしまったことや結果に怖さというよりどこか物悲しさを覚えた。
残る複雑な余韻
カルリートスの殺害には差し迫ったものもなければ、必然性や怒り、或いは、高揚感もなく、観てる僕まで不感症になりそうだった。
この物語が実話をベースにしたものだというのだから驚く。
フィクションにしろ、ノンフィクションにしろ、映画で殺人鬼を描く場合、どこかに感情の起伏が出るものだが、カルリートスは徹底した不感症だ。
ロレンソ・フェロは男から見ても惚れ惚れするほどの妖艶な魅力をたたえ、抑揚を最大限に抑えた演技もデビュー作だとは思えないほどだ。
実在のカルリートスも相当な美男子だったらしいが、このロレンソ・フェロを見たらどう思うだろうか。
自分と同じだと思うのだろうか。
繰り返しになるが、実話として驚く。
そして、純粋悪とはこのようなものかと問われれば、同意もしづらい。
ただ、ゲーム感覚かと聞かれると、そんな気がして来て、もしかしたら今時、こんな奴がもっと出てくるのではないかと考えて、なんとも複雑な余韻の残る映画だった。
上質のコメディ
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