「危うい狂気に満ちた美しき天使に翻弄される」永遠に僕のもの まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)
危うい狂気に満ちた美しき天使に翻弄される
主演のロレンソ・フェロが圧倒的に美しく、どのシーンでも抜群の存在感で少年と大人の間の危うい年頃のカルリートスを素晴らしい表情で表現しています。彼のこの佇まいやビジュアルを見るだけで、かなり満足度は高いです。あんな唇のドアップで尺がもつ俳優はなかなかいないのでは。(笑)
ストーリーも主人公・カルリートスを中心に進みますが、彼の心理描写が全くないので、文字通り何を考えているか分からない。躊躇なくものを盗んだり人を殺したりしますが、何かに執着しているわけでも感情が激高するわけでもなく、真顔で飄々と事を済ませていくので、いつ何をするか分からない怖さがあり、何故かそこも彼の美しさを際立たせてしまう不思議。
音楽の使い方やファッション、カラーチョイスなども独特で、画が常に絵画のような美しさなのも素敵です。正直、物語が面白かったかというとそうでもないですが、ビジュアル満足度が非常に高かったので観て良かったなと思える作品でした。
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