HUMAN LOST 人間失格のレビュー・感想・評価
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年金一億円欲しい!!!!
ここでの評価2.9だったので、そこまで期待してなかったのもあってか、思ったよりはだいぶ良かったです。これをよかったというオタクと拗らせ率は割と高そうな気はします。よいという評価をするのに必要な要素として、恐らく『原案である太宰治の人間失格を読んでいないこと』というものが含まれている気がしてちょっと悲しいなと思いました。
伊藤計劃のハーモニーの世界に、具体的には挙げられないけど必ずどこかで読んだことがあるダークヒーローをぶちこみ、数滴のヒャッハー!!を隠し味として入れると、この作品になると思うんですが、個人的に一番良かったと思うシーンが序盤のまさにヒャッハー!!の流れなので、隠し味の大切を知りました(?) あと、ママの「あなたは信じることが上手なのね」的な台詞がなぜかすごい印象に残っています。
年金1億円の支給ってどんな感じなんですかね。恐らく月に1億ということはないと思うので、
年かと思いましたが、合格者の人数考えると、120からなんか目標にしてるっぽい180歳までの間で1億が妥当な気がします。
「俺のオルフェウスになれ」
そもそも原作に超弩級パワーワードがあり、これを本作のようなSFで表現することの違和感を感じてしまったのが冒頭。「恥の多い生涯」という言葉は、フラットに読めば相当人から蔑まれて生きてきたのだろうと思ってしまうのだが、あくまでこれは当人の思う自己否定のことを指しているのである。なにせ多かれ少なかれ、人は人に言えない過去を心に仕舞っておきながら生きているから、それとどう折り合いをつけるかに気持のコントロールが掛かっているのであろう。
『ハードSFを読む上で求められるリテラシーとは「難しい概念を理解出来る知識を持っているか」ではない。「よく分らないままでも、物語の本質を損なわずに作品全体を理解するコトが可能な教養のラインを、感覚で見極められるかどうか」…だ 【バーナード嬢曰く。第一巻】抜粋』
今作のあるネタバレ感想レビューを読んで上記の記事に痛く感激した。正にこの格言がピッタリな作品であるからだ。『雰囲気で愉しむことが出来るか』を今作は観客に問うている。説明不足も甚だしく、大したカタルシスもなく、しかしやたらメッセージ性は肥大している、ストーリーというより、サンプリングといった方が納得出来る展開に、高尚なモノを観たなぁという心の余裕が求められているのだ。理解出来なかったらノベライズを読め、外伝も読め、しかし、原作の闇堕ちとは違う、希望を持って進もうというポジティヴさを添えてみました的ラストで、オマージュとリスペクトを超えてやった“どや顔”臭も、全てひっくるめて愉しむ、上位意識化でのエンタメなのである。原作だって、本質が理解出来る人なんてそれ程多くない。なにせ多かったらその国はとっくに滅びている。あぁ、世の中にはこういう人もいて、その苦悩を文学に昇華する錬金術を持ち併せていたんだ位の気持で観る事が肝要なのだ。
人は結構な割合で裏切られる。そこで諦めるのか、それでも信じるのか。そんな事はその時々で決断するものだ。そして、一番の人間の才能である“忘れる”というギフトに感謝しようw
GODZILLA観に行ってないはずなのに……
主人公:宮野真守、敵:櫻井孝宏、ヒロイン:花澤香菜って……GODZILLAじゃん。
ヒロインが主人公の代わりに融合して帰らぬ人に……え、メカゴジラじゃん。
死を受け入れろと提唱して、怪物操る櫻井……え、メトフィエスじゃん。
宮野が櫻井殺してエンド……もうGODZILLAでよくね?
ギドラがロスト体とかいうクソ怪獣に置き換わっただけのGODZILLAでした。ゴジラでてこないけど。
なにも面白くないとこまで一緒にしなくも……。
主人公が生き残ったのだけはGODZILLAとは違ったけど、別にどうでもいい違いだ。
なんで冲方、虚淵の後釜みたいなのばかりやるんだろう。サイコパスといい……。もっとオリジナリティ出した方がいいと思うけど。
CGだけは進歩しているようね。海外にはだいぶ差がついてるけど。限られたマンパワーでは頑張ってる方では?ということで★ひとつ。
映画の2時間程度では描き切れない世界観
【あの太宰の名作をSF化】みたいな煽り文句には、余り期待をし過ぎない方がいい。
キャラクターやシチュエーションなど『人間失格』要素の取り入れ方、例えば、ヨシ子が人を疑わないあまり犯されて無垢性を失ってしまうというのを、ああいう表現にしたのかなぁとか、個々では面白く思うのだが。
太宰の人生と物語を重ねて読む文学性は、当たり前だが失われてしまっているので。
ここにこのファクターを引っ張ってきたのか!と、面白がれれば重畳かと。
SF世界観の特殊用語などは、SF慣れした人なら、何となくイメージで理解できるが、慣れているほど、類似作品が脳裏に浮かんで、比較対照してしまう悲しさ。
ゲームでもアニメでも漫画でも、人気があるゆえに使い尽くされた世界観。そう簡単に新鮮味が転がっている事もあるまいと、割り切るしかない。
何よりも、圧倒的に物語のボリュームに時間が足りてない!
美子の過去も、葉蔵の過去も、堀木の過去も。TVシリーズなら各々1~2話かけてゆっくり語って欲しい重要エピソードが、台詞一発で飛ばされてしまった。
原作の核となっている、他人が理解できず表面を繕って生きている苦しみや、社会に適応できず、自分は人間として失格しているのだろうと自嘲する悲しみ等、葉蔵の繊細な心情も伺い取れない。ほとんど自分の事喋りもしないもんな。
かと思えば、鑑賞の特典として、短編ボイスドラマを聴けるQRコード付きカードが貰えたのだが、その中でポロリと、葉蔵が結構重要な想いを漏らしていた。何故それを本編で描かなかったのか!結局世界観と筋を見せるのが精一杯で、キャラクターの感情まで仔細に描き切る事ができなかったんだろう。
世界観についても。例えば合格式。健康体で、年金を消費せず、現役19時間労働で、限界寿命120歳まで社会に尽くした者だけが『合格』という事かな?と読み取ったんだが、その先、喪服のような黒装束で式典に参列する老人達の行く末は?公園で遊ぶ声がしていたし、子供は存在するんだと思うが、死を極限まで廃したこの世界での妊娠や出産はどうなっているのか?
背景、設定についても、もう少し詳しく語ってくれれば、現代の少子高齢化問題などにもリンクし、もっと考えさせられる物語になったのではないかな。
映画の尺では色々と勿体ない。
TVなどで話数と時間をかけて、丁寧に見せて欲しかった。
思わせぶり
世界観の印象がちょっとPSYCHO-PASSとかに似てるんだよね、人間が人間を管理・監視してるとことか
市井の生活もあまり見えてこないし、文化背景がもやもやした灰色しかないからなんか憂鬱
健康を管理するという発想は面白いけど、ナノマシン等のテクノロジーによってほぼほぼ不死身化してるのに寿命を延ばすのはまた別の話で、120歳が大還暦で「合格式」なんてのがある
原案を太宰治の「人間失格」としてあるけどどの辺を原案としてるのか、原作を読んだことがないのでわからないけど粗筋をググっただけで成る程"原案"なのね、というのは察した
しかし原案とする程なのか?という違和感はある
映画自体の"造り"は割とよく出来ていたと思うのにこの映画の作品タイトルは有名作品タイトルに便乗した感がある
アクションものの要素もあるのに、勧善懲悪でもないし、結果カタルシスなども得られない
考えさせられる的な解釈があったとしても"まどマギ的"な雑然さのある結末感しかないので、ああ成る程ねで物語が終わる
それとロスト体のCG描写が画面から浮いた感じになる時があるのが残念
デザインとかは割と好みでした(*^ω^*)
。
期待していたのとは違った
映像美はすごい。予告のダーク感や太宰治の人間失格を翻案といった謳い文句などから少し期待値を高くしてしまったせいか、ストーリーは深夜アニメのようなよくありがちな内容で期待していたのとは違い退屈に感じてしまった。
主人公の大庭がロスト化現象を起こす人物でその力は他のロスト化する者たちとは違い感情や思考、記憶などを残したままロスト化できる。
そしてヒロインの美子もまた同じロスト化現象持ちの人間で共闘し、その中で愛し合い最後はヒロインを失いヒロインの夢を叶える為に生きるといった話。
この作品はやっぱりこのロスト化ってのが最大の魅力だと思うのだが、あまり深く描く事なく、主人公がロスト化を操れます。自在にロスト化する事で地球を守りますってのが大半の描写な点が何より退屈に感じた。
まぁ設定描写はデビルマンやハルクに似た感じかな。
自殺を繰り返す不謹慎な物語
作画やCGは綺麗でスピード感もあってハリウッド映画の様な映像ですが、ひたすら自殺を繰り返す不謹慎で不気味な作品です。
ただ現代の年金、医療問題を揶揄してるので少し考えさせられました。
でも、あまりお勧めしません。
掲げたテーマを作り手が理解してない感じ
あんまり予告も見ませんでしたが
太宰治の人間失格のアレンジ脚本で近未来調のビジュアル
どんなもんなんだろうと興味本位で見てみました
太宰治のは、幼少期の追憶から様々な女性と共に送った
自分の半生をほとんど本人の遺書みたいに綴られ
本人の自殺という形で終わった作品で
文学性で評価されているような作品と理解していますが
自分にはこの映画との関連性はいまいちわかりませんでした
まあなんとなく理解したのは(違ってたらすいませんね)
ナノマシンや医療技術で疾患や異常を早期発見して
遠隔管理出来る事で寿命めっちゃ伸びたけど
エラーで怪物化(ロスト化)するから排除しようね
うまく120歳まで生きれば年金1億円出るから頑張ろうね
ロスト化増えてこのままだと人類滅びるから急ごうね
みたいな感じでしょうか
まずこの設定が突っ込みどころ満載
確か作中でも突っ込まれてましたがロスト化して怪物化すると
管理から外れるのではただの欠陥品ですしあんなもん広まるわけ
ありませんしそれは立派な治療システムが対応すべき病気じゃね
それ放置してそんなに完成されたシステムじゃなくねという
あと正直寿命120歳は現代医学でもそんなに無茶な話ではないです
もう人間100年生きても珍しくない世の中なんで
そんなにインパクトを感じる設定ではないです
作り手は老年学とかどう考えているんでしょう
ガスマスク付けて社畜のように動く人々との
関連性もよくわかりません
なんでガスマスクしてるんですかね
バイクの友人も仕事中の事故でも半メカにされて
働かされてるみたいな事言いますが
現実でも労働災害で事故に遭いつつも装具を着けて
仕事を続けている方はたくさん見えます
何がおかしいのでしょう
とにかく出てくる人物の動機が共感できないし
作り手の安直な意識が見え隠れします
ただこの世界では長寿であることがどうやら偉いようで
アッ○ル○ードで見たような元老院みたいなとこで
ワレワレハコクミンノケンコウノタメニーしか言わない老人に
ひれ伏して指示を仰ぐのですがいまいち理由がわかりません
主人公もたぶんそんな世の中にウンザリしてクスリに溺れる若者で
特にプレミアム感も無く、ヒロインが強引に選ばれし者ですとわめく
ばかりでああそうですかって感じでどうでも良くなってきます
このテーマのどこに太宰治要素があるのかというと
主人公がクスリに溺れてるとこくらいでしょうか
まあもうこの辺はどうでもいいです
なんというか
世界観がとにかくどっかの何かで埋め尽くされていて
全然目新しさがなく非常に退屈でした
上層の人間が理想の社会とか言ってて現実はディストピア
なんて世界観いくらでもありますが
小難しい設定色々出してきて結局やってるのはそれだけ
テーマも生とは死とはみたいのを取り上げたいんでしょうが
作り手が誰も真剣に考えてない感じで何を伝えたいのか
サッパリです
そのせいか長生きが素晴らしいという価値観を
自殺願望者の主人公が否定するみたいな
シュールすぎる構図になっていませんかね
こないだのHELLO WORLDでも思いましたが
複雑な設定放り込んでストーリーとも大して絡めず
投げっぱなしで終わるみたいな作品が目立つ気がします
人間合格って言いたいがためだけに
人間失格と太宰治引っ張ってきたんでしょうか
大の大人が何やってるんだろうと思いました
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