HUMAN LOST 人間失格のレビュー・感想・評価
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まるで一貫性が無い
全般的にチグハグ 特に終盤のシェルとかいうものの豹変には呆れる。 植物人間となったから第3因子を取り込む。 しかし第2因子が身代わりを申し出たら代案が通る。 それって、第3因子を待ったり探したりする必要が無かったということになる。 このストーリーの前提条件が根本から失われるのでは? 短期に終結するためだとしてもこの着地点はおかしい。 前提といえば、この世界は人が死なないということになっていた。 心臓を抜かれても再生する医療技術があるのに なぜ再生不能な程、一度に苛烈に臓器を抜く必要があったのか。 再生しながらとか、培養とかの手段を取らないで供物とすることの意味は? …詳細の設定とかあるのだろうか。 絵とデザインだけのアニメ、そう思える。
人間失格の心臓をLOSTした
「HUMAN LOST人間失格」を観て、「人間失格」を読み返したくなった。真っ先にそう思った。 原案を彷彿とさせるキャラクターや、原案に登場するセリフに触発されたからではない。 もっと根源的にわき上がる「思い」を確かめたいのだ。 今作の日本は昭和111年。ネットワーク化された健康維持システムにより、寿命は120歳。大怪我をしても体細胞は再生され、常に健康で休息もほとんど必要ない。 120歳まで生きたら、「合格式」なる国家的な催しに参加し、1億円の年金を受け取れる。あなたは「人間合格」ですよ、と。 そんな人生って、一体どうなんだろうか?やりたいことやって、不自由なく生活できて120年生きたら、そりゃあめでたいだろう。合格式で年金受け取って、万歳三唱気分だ。 では、やりたいこともやれず、貧困な生活から抜け出せず、愛するものもなく、ただ無為に流れる120年はどうか? あなたは「人間合格」です?冗談じゃない。 「HUMAN LOST人間失格」は、舞台装置で既に完成されている映画だ。その先のストーリーは1つの視点を追いかけているに過ぎない。 観ている私たちが「HUMAN LOST」に対して抱く違和感、拒絶、不信、疑念。それこそが「人間失格」で描かれる葉蔵の「世間」に対する畏怖であり、「HUMAN LOST」は私たちに葉蔵が見ている世界を体験させてくれる。 「人間失格」の葉蔵は、世間を恐れ、世間的に清く正しいとされている事を受け入れがたきものと感じ、それを誤魔化すために道化を演じて、本質と向き合う事から逃げ続けようとしていた。 健康とは良いものだ。長寿とは良いものだ。良いとされているそれらに、何か抵抗を感じる自意識を通して、私たちは「人間失格」の葉蔵をやっと理解する。 「HUMAN LOST」を通して、この作品に違和感を感じた私たちは道化にならざるを得なかった「人間失格」の葉蔵と一体となるのだ。 この作品に対して抱く「オレが求めているのはそれじゃない!」という魂の叫び。この魂こそが「人間失格」たる重要なピースだ。 「これじゃない」と思えなければ「人間失格」たり得ない訳で、それは「HUMAN LOST」は受け手の違和感を刺激しないと完成されない「不完全な」作品であるという事でもある。 それが何とも「人間失格」らしいとも言えるし、「何じゃこりゃ」とも言える。 この違和感を確かめるためにも、やはり「人間失格」をもう一度読み返そうと思う。 興味深いし、太宰の自意識をSFアクションに構築し直す試みはスゴいと思う。だが、既視感のあるアニメーションと世界観の再構築は、お世辞にも面白いとは言えない。 世界観自体は悪くないけど、もう一つくらい「HUMAN LOST」にしかない部分が欲しかったし、「合格者」老人達にかなりの発言権があるのも納得いかない。 出来ればこの「違和感」バリバリな世間の中で、「HUMAN LOST」の葉蔵がどういう心持ちなのかをもっと見せて欲しかった。
これは誰に向けた作品なのか?
内容はそれなりのSFで まぁよくある展開 序盤ちょっとAKIRAっぽいなと感じたけど ただ人間失格とはまるで違う 原作を何度も読んだわけではないので もしかしたら細かい言い回しとか描写の小ネタみたいのはあるのかもしれないが たぶん言われないと気づかない 「恥の多い人生を送ってきました」のセリフも作品上全くいらないし 正直、この作品の葉蔵は恥の多い人生送ってないでしょ 無理やりこのセリフねじ込んでて話の整合性が取れてないと思う 正直、人間失格や太宰治の名前を使う意味があったのか? 普通に「HUMAN LOST」って1つのSF作品として出せばよかったと思うんだけど 太宰治の名前と人間失格のタイトルを広告として使ったとしか思えない
仮面ライダー人間失格
19時間労働止めろ止めろ!そんなので120歳になったら怨念どころのはなじゃないだろ!!令和のSFは医療系ディストピアだなあと思いつつ、太宰的な…シェイクスピアの決めセリフの雰囲気というのかな…そういうノリと勢いと破壊衝動を楽しむのには良かったです。敵の敵はやっぱ敵! 3Dはやっぱちょっとヌルヌルしてるけど表情の限界に挑んでるのは好感触。
期待外れ
CGの技術は上がっているんだなあと思うのですが、やはりポリゴンピクチュアズのテクスチャや動きのつけ方が個人的に肌に合わないと確信を得ました。 あとは太宰治の「人間失格」は未読なのですが、なんとなくこのセリフやフレーズはモチーフがあるんだろうなと言うのが悪い意味で浮いていてこそばゆい感じがしました。 設定が複雑で専門用語が多く、またあまり説明も無いため、SF慣れしてない方は一回だけでは理解するのが難しいと思います。 雰囲気でごまかせてる感じでもないので、置いてけぼり感が強く残りました。
いろいろ困りもの
これがディストピアですか。 うーん、頭の良い人が太宰をリスペクトしているとこうなるんだなーと。 言いたい放題はここから。 コンセプトアーティスト、酷すぎませんか? なんじゃありゃ? アニゴジ、そうそれまさに! 世界観も脚本も良かったと思う。 中盤の説明長くて眠くなったけど、まあまあついていけた。 でも、あれはないだろう。 もう花澤香菜の声がなければ途中でくじけて帰るところでした。 要所要所、ここ大事ってところのパフォーマンスがひどかった。 沖方さんの脚本は面白かった。 どんどん人間失格から離れていって、 最後戻ってくるというお約束の脚色。 でも原案だけで良かったのではないだろうか…。
コレはコレでソレはソレで
アニメーション制作が「ポリゴンピクチュアズ」。となると個人的に「GODZILLA」が頭を過る。いや、画面は良かったですよ画面は。それでも過っちゃうのですよねー。更には今回も有名な元ネタあり。これはもう使命というものです(苦笑)。 人間失格をSF映画にする。というアイデアはゾクゾクしました。画面も勿論問題なし。ただ、自分の中には「小説:人間失格」が棲み付いているもんだから厄介この上ない。それが無ければ普通に楽しめたのかなー、なんて思ったりしました。元ネタはさらりとネタ程度。骨格ですらない。と思えばそこそこワクワク出来る作品だったと思います。
還暦を二度も味わいたくない!
太宰治の小説は未だに読んでないが、読んでない人の方が楽しめそうなアニメ。まず、設定がとても面白くて、医学が発展しすぎるとこんな世界になっちゃうのかと、現実的ではない近未来にはまり込んでしまいました。 人々は120歳まで生きられる保障を与えられ、死んでしまいそうになってもナノマシンのネットワークにより治療が行われ、まさしく120歳祝賀記念が行われようとしている近未来。しかし、一方で労働年齢も引き上げられ、一日19時間労働が義務付けられているという奴隷のような生活を強いられているのだ。そして、特権階級は環状7号線内で何不自由なく暮らしているという格差社会。現実でも年金支給開始年齢が引き上げられ、70歳まで働け!と言われるようになったことも見過ごしてはならない。 医療においても画期的な四大医療革命が実現し、医者がいないという社会。遺伝子操作、再生医療、医療用ナノマシン、万能特効薬の四つは頭文字をとってGRMPと呼ばれる。何しろ登場人物の堀木正雄、柊美子、大庭葉蔵の3人は特殊能力を持ち、“アプリカント”と呼ばれていて、堀木なんて人類最後の医者だというのだ。人間がヒューマン・ネットワークから外れてロスト体になり、それを克服すると稀に誕生するみたいだ。『ブレードランナー』の雰囲気もあったからアプリカントなのね・・・わからないけど。 こういった特殊能力を持つ者がいないと、とにかく現状は打破できない。何しろネットに繋がれた奴隷なんだから、再生曲線と崩壊曲線のバランスが崩れそうにないのだ(よくわかんないけど)。ただ、インサイドに暴走するって雰囲気は色んなSF作品にありがちで、結局そこかよ!と感じたら面白くなくなってしまう。ただ、美子の最期はちょっと泣けた。葉蔵と一緒に叫びたくなった。 何が人間失格かって命題もさっぱりわからなかったけど、ネットワークから外れた者のほうがよっぽど人間的なはずなのにエイリアンみたいになっちゃうからなぁ・・・なってみなきゃ心の中までわかんないけどね。また、自殺できるのが人間だけってこともあるかも。
SFを愛す"中二病"の人々が作ったらこうなる
こういうSFが観たかった! 悪く言えばSF映画のかき集め。(移動都市のように) 逆に言えばSF映画の長所が詰まった映画。 設定上ストーリーが小難しくなってるがそこまで難しくはなかった。(ただしラスト20分ぐらいはみんな自分のやりたい事を見失っているのかもうめちゃくちゃだけど) まず、音が本当にすごい! 公開からまぁたってるから小規模な11番スクリーンだったけど、冗談抜きでシートが震えた。特に人がロスト化するシーン。IMAXかと思ったぐらいすごかった。 映像はいうまでもありません、最高です。 アクションなんかもう凄すぎ。 でももちろん短所も 大前提として太宰の人間失格を元ネタにしなくていい。 題名はhuman lostだけでいいし、人間失格要素入れるだけで人間失格ファンからすればだいぶ不満だから。 それにクライマックスのアクションにガッカリ。 中盤は想像以上のアクションだったのにクライマックスは詰め込みすぎて意味わかんなくなってくる。 とまぁ短所もたくさんありました。 でも個人的にはとても面白かった。 評価については「アドアストラ現象」(個人的に面白かったアドアストラのように賞をとっていたりし面白いけど万人受けしない作品のこと)が起こっているのだと思います。 まぁ観て損はないです。
年金一億円欲しい!!!!
ここでの評価2.9だったので、そこまで期待してなかったのもあってか、思ったよりはだいぶ良かったです。これをよかったというオタクと拗らせ率は割と高そうな気はします。よいという評価をするのに必要な要素として、恐らく『原案である太宰治の人間失格を読んでいないこと』というものが含まれている気がしてちょっと悲しいなと思いました。
伊藤計劃のハーモニーの世界に、具体的には挙げられないけど必ずどこかで読んだことがあるダークヒーローをぶちこみ、数滴のヒャッハー!!を隠し味として入れると、この作品になると思うんですが、個人的に一番良かったと思うシーンが序盤のまさにヒャッハー!!の流れなので、隠し味の大切を知りました(?) あと、ママの「あなたは信じることが上手なのね」的な台詞がなぜかすごい印象に残っています。
年金1億円の支給ってどんな感じなんですかね。恐らく月に1億ということはないと思うので、
年かと思いましたが、合格者の人数考えると、120からなんか目標にしてるっぽい180歳までの間で1億が妥当な気がします。
恥の多い生涯を…
「人間失格」をSFにして、アニメ化したとのこと。なんのこっちゃと?マークに背中を押されて観に行きました。ろくでなしドロドロの人間ドラマかと思いきや、意外に硬派なSF作品になってました。「人間失格」はベースにはなっているのだけど、ストーリーは全く変えて(そりゃそうか)、別のSF作品として仕立てたものですね。 遺伝子技術とネットワークの技術で死を克服した管理社会。 人々は死なないようにコントロールされ、事故や死亡が確認されると、遠隔で復活させる仕組みが出来上がっている。一見楽園のようだが、人間が死ぬとロスト(ゾンビ的なアレです)化してしまうリスクを抱えているのだが、その事は秘密にされ、Shellという組織が全てを管理して調和を維持している。 そんな社会に反対する人々も居て、若者は暴走行為でそうした社会に反意を明らかにしていた…。 そんな設定だ。どの辺が人間失格なのかはわからないが、SFアニメとしてはそこそこ楽しめた。エリジウムとデビルマンを合わせたような内容なので、それほど新鮮味はないが、それなりの纏まりもあり、テンポも良い。残念ながら頭抜けた見所が見当たらなかったので、お気に入りにはならないけれど、こういうテイスト嫌いではないです。
これは人間失格では無い!
9月にも蜷川実花の「人間失格」を観たが、こんなにも短期間に2本の「人間失格」が公開されるとは一体どういうことなんだろう? 権利の関係なのだろうか。前作は「人間失格」を執筆して自殺する晩年の太宰を描いていたが、今作は近未来SFアニメで太宰とは一切何の関係も無い。失格・合格という言葉遊びと全日本人が機械を埋め込まれて管理される社会‥もはや人間では無いということなのだろう。そしてヒューマン・ロスト現象は死んだ後に異形化して暴れまくる怪物になることなのだ。冒頭に「原案・太宰治『人間失格』より」と出るのだが、それは無いよと思う。登場人物の名前をなぞっているだけでは無いか。映画は面白いが主人公の葉蔵にしろ適役の堀木にしろちょっと原作のイメージを期待していると裏切られてやるせない。唯一、竹一のキャラ設定だけが飛び抜けて違っているのが良く、前半のアキラ的シーンが素晴らしい。やはり触手を持った怪物が暴れなきゃダメなの?もうちょっと他の描き方を考えられないものだろうか。
「俺のオルフェウスになれ」
そもそも原作に超弩級パワーワードがあり、これを本作のようなSFで表現することの違和感を感じてしまったのが冒頭。「恥の多い生涯」という言葉は、フラットに読めば相当人から蔑まれて生きてきたのだろうと思ってしまうのだが、あくまでこれは当人の思う自己否定のことを指しているのである。なにせ多かれ少なかれ、人は人に言えない過去を心に仕舞っておきながら生きているから、それとどう折り合いをつけるかに気持のコントロールが掛かっているのであろう。
『ハードSFを読む上で求められるリテラシーとは「難しい概念を理解出来る知識を持っているか」ではない。「よく分らないままでも、物語の本質を損なわずに作品全体を理解するコトが可能な教養のラインを、感覚で見極められるかどうか」…だ 【バーナード嬢曰く。第一巻】抜粋』
今作のあるネタバレ感想レビューを読んで上記の記事に痛く感激した。正にこの格言がピッタリな作品であるからだ。『雰囲気で愉しむことが出来るか』を今作は観客に問うている。説明不足も甚だしく、大したカタルシスもなく、しかしやたらメッセージ性は肥大している、ストーリーというより、サンプリングといった方が納得出来る展開に、高尚なモノを観たなぁという心の余裕が求められているのだ。理解出来なかったらノベライズを読め、外伝も読め、しかし、原作の闇堕ちとは違う、希望を持って進もうというポジティヴさを添えてみました的ラストで、オマージュとリスペクトを超えてやった“どや顔”臭も、全てひっくるめて愉しむ、上位意識化でのエンタメなのである。原作だって、本質が理解出来る人なんてそれ程多くない。なにせ多かったらその国はとっくに滅びている。あぁ、世の中にはこういう人もいて、その苦悩を文学に昇華する錬金術を持ち併せていたんだ位の気持で観る事が肝要なのだ。
人は結構な割合で裏切られる。そこで諦めるのか、それでも信じるのか。そんな事はその時々で決断するものだ。そして、一番の人間の才能である“忘れる”というギフトに感謝しようw
ポリゴンピクチャは進化している
ポリゴンピクチャは好きです。シドニアの騎士もゴジラ面白かった。ポリゴンピクチャは人間の表現はイマイチ。髪の毛も表情も動きもぎこちない。ただ、煙や光の粒子のようなものはとても綺麗。CGっぽいけど、メリットも多い。 今作もそれは健在。宮野真守、花澤香菜、櫻井孝宏と、安心の声優布陣。 逆に、シドニアの騎士や亜人、ゴジラっぽい、てか、まんまと思ってまうほど。 ストーリーは、専門用語も多く難しい。話についていけない部分もありつつ。最後までわからない展開は良かった。 随所に現実社会への皮肉が含まれていて、そういうメッセージ性もよい。 ただ、最後の戦闘シーンはあれでいいのかなぁ?と、単純に赤い人がかっこ悪い。大人向けの難しいストーリーと、子供向けのキャラが組み合わさったようで、ちょっと残念。 あと、キャラに感情移入しにくかった。
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