空の青さを知る人よのレビュー・感想・評価
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世代…なのかもな。
(後半、少しだけネタバレ感あります。)
全体を通して、自虐や葛藤、ベタなギャグからシニカルなジョーク、閉塞感からの疾走感やカタルシスをキッチリ描き、最後はしっかりポジティブ。
良くも悪くも現代の青春アニメーションとしてはツボを押さえた優等生的な秀作だと思う。
特に「あの花」や「ここさけ」を堪能した世代の方々には、ちょうど刺さるんだろう、と。
そういう意味ではその世代を一回り以上経過してしまった私には多少感慨は薄め、というか、視点が異なるというか…。
その分、若干の★を減らした感じ。
(以下、決して作品を否定するつもりはありませんが、褒めたり皮肉ったりしてます)
作品のテーマは、どちらかというと「これから進路を決めていく」主人公の高校生あおいの世代よりは「進み始めた人生を振り返ってみたくなる」その姉あかねと高校時代の仲間慎之介たちの世代(いわゆるアラサー)に寄せてある。
人生に戸惑いを感じやさぐれた今の自分が、夢に溢れていた過去の自分に「お前、頑張ってるよ!腐るなよ!」とエールを贈られてまた新たな1歩を踏み出す。
それはそれで物語としては素晴らしい。
ただね、ただね、ただね。
これは野暮だと承知で言うが、私にとっては「夢に満ち溢れた高校時代」こそ、幻想以外のナニモノでもない。ただ何となく、周りの友人や家族や世の中の平均に合わせて惰性で過ごしていた自分が私の中の『高校生観』だ。むしろ、ひとまず社会人として自分に居場所があり、何かに向かって進んでいたあかねや慎之介の世代だった頃の方がよっぽど充実していたじゃないかとも思ってみたりもする。
さらに言うと、その社会人としての充実感もまた「40代も半ばを過ぎた今思えばあの頃は…」なのだ。
誰だってその時点では「何が自分らしいか」と悩みもがいている。
そういう意味でこの作品は、「当事者」それぞれの不安や葛藤を描いているという点でそれぞれの見どころがあるとは思うし、登場する当事者たちの世代を外れた私にはもう一つ刺さらなかったということなのかも知れない。
でもクライマックス前、シンノと慎之介が対峙した時、「おい、慎之介!言われてるだけかよ!お前、もっと言うことあるだろ!」と思ってしまったことを考えると私も作品にはのめり込んでたのかも。(どっちなんだ)
年寄りが理屈っぽくケチを付けたみたいに書いてしまったが、背景は美しいしキャラクターは魅力的で全員善人。声優陣も若手の人気俳優達がちゃんと頑張ってる。特に吉沢亮の演技は秀逸。
誰かしら自分を投影できるキャラクターが見つかるだろうし、これみよがしに涙を誘うこともなく、前向きに終わってくれるのも清々しい。
いろんなアクシデントの「取ってつけた感」も含めて青春映画としてはお手本の様な作品なので、私の様に斜に構えることなく、是非みんなで観て、それぞれの感想を言い合うのも楽しいだろうとは思う。
私個人としては、本日朝イチ上映回を鑑賞し、映画館を出て台風一過の空を見上げ、
「空、あっお!」
とつぶやいたのもまたオツな感じでした。
アオハルだねえ
悪い作品ではないです。エンドロール中の静止画でエピローグが描かれてるので、見逃さないようにね。でも超感動的でもなかったな。葵ちゃんのあまりの子供っぷりに、親世代のおじさん・おばさんはちょっといらいらしましたね。お堂に閉じ込められてる「しんの」は、過去に自分が閉じ込めた自分自身。解放のきっかけは「あかねえ」のピンチというのはちょっとべたやなあ。むしろ、葵ちゃんの成長に焦点を当てた方がよかったのになあと個人的には感じました。あと声優として吉沢亮さん、吉岡里穂さんの声はとても良かったです。
好き
悪くは無いけど、良くも無い。期待が強すぎたせいかも…
『あの花』『ここさけ』どちらも大好きな作品で、今回も物凄く期待して初日に鑑賞しましたが…正直、「あれっ?」と思ってしまったのが正直な所です。
決して酷い映画ではないんですが、特筆すべき点も無いというか…
原因の殆どは脚本にあります。
最大の問題点は、主人公の「あおい」がストーリーにあまり絡んでいない点でしょう。
今作のストーリーを一言で述べると『「あかね」と「慎之介」が復縁するまでの話』で
説明できてしまうんですが、不自然なほど「あおい」が関わってきません。
狂言回しとしての役割も不十分で、極端な話「あおい」無しでも話が成立してしまいます。
主人公の「あおい」を積極的に話に絡ませる機会は結構あったんです。…例えば
①「しんの」を成仏?させるために「あかね」と「慎之介」を復縁させる。
②「慎之介」が嫌な奴だから「みちんこ」とくっつける!
…というような台詞はでてくるのですが、じゃあ具体的に何かしたか?というと、特に何も
してないんですよね。
「あおい」が「しんの」を好きになる描写がほとんど無いのも疑問です。
音楽祭に代理で出ることになった「あおい」が御堂で練習する場面があるのに、何故かここで「しんの」との交流描写が殆ど無い…好きになっていく過程を見せる絶好の機会なのに!
普通の作劇法で考えると、「あおい」が音楽祭に代理参加するという大きなイベントを設定した以上、それに向けてストーリーを収束させていくべきだと思うんです。
なのに何故か音楽祭のことが脇に追いやられ、唐突に発生した(これももっと雨の描写があれば説得力あったのに…)土砂崩れがクライマックスに繋がるという…
一体何でこんなことになってしまったのか?…あくまで推測ですが、
『あの花』『ここさけ』と同じ展開になるのを避け、奇をてらった結果かな…と思います。
成仏させるために頑張るのは『あの花』だし、
イベントに向けての交流過程を描き、そこを終点に収束させるのは『ここさけ』だし…
そのあたりを差別化していった結果、今ひとつ盛り上がりに欠ける映画になってしまった気がします。そんなことなら、中途半端に前作と似た設定にするのではなく、もっと別のテーマで作ったほうが良かったのではないでしょうか。
最大の問題点は、『故郷を捨て、東京に行った』話を、秩父を舞台に描くのが無理がある点です。秩父から池袋まで、一時間ちょっとで行けるんですよ?
もっと地方(東北とか)ならともかく、遠距離とも言えないような距離で終わった恋について過去の恋がどうのこうのと、特別なもののように言われても…説得力ない気がします。
このあたりもテーマ選びを間違えてるとしか思えないんですよね…。
秩父の美しさと閉塞感に若者の心を投影
エンドロールまで絶対観よう
すごくよかったです!絵がとてもきれいで、ファンタジーとリアルが混ざっていますが違和感がなく感情移入できました。すごくインパクトを与えられる感じではないですが、そこが逆にすごく深みがある映画と感じさせられた。若い頃の熱く真っ直ぐな感情を忘れて、恋愛感情は抑えたり適当に、仕事に不満や疑問を持って生きているところが、高校生のしんのと葵、30代のしんのすけとあかねの対象的なところを見ていて少し思い起こした。四角関係の恋愛より、姉妹愛(自分を一生懸命育ててくれた人)や、青春真っ直中の昔をちょっと思い出させる為に、葵のしんのに対する恋愛が描かれたのかと思いました。ちょっと学生時代を振り返りたい大人向きかな。
純愛なんだろうけどスッキリしない。
ネガティヴvs.ポジティヴ
“幽霊”、“妖精”、そして今作は“生き霊”と、オカルトファンタジーをトリガーに秩父の街を舞台にした青春甘酸っぱい系にカテゴライズされる作品である。但し、自分が思うに、今作は前2作と比べてパンチが弱かったような印象を受けるのだがどうだろうか…。タイトル名の前句の有名な諺である井戸=秩父盆地という意味づけは、地質的に納得出来る。前回に比べてコマの動き、キャラの造形がギャグ要素、オーバー要素を入れ込んでいるのは挑戦的である。
ただ、今回のストーリー設定が、アイデアとしてトリッキーだったのにそれを覆すほどのカウンターが無くて、驚くものを得られなかったのが残念であった。ゴダイゴのガンダーラ、サンダーバードのベース、目の中のホクロ等々、キャッチーなギミックは散りばめられてはいるが物語を駆動させるための牽引力にはなれない。そもそもが両親が亡くなり、姉妹二人で健気に生きてきた人生で、お互いを思いやっている構図はそれ程目新しさはなく、スパイスとしてその姉妹が若い時期と年齢を重ねた時期の同じ人物を好きになるというアイデアを起用したのは面白かった。その中で姉のキャラの弱さに展開上、化けることを予想したのだが、それ程のドラマ性は表現せず、「応援しないことを後悔したくない」という着地点に於いて、夢を応援することも又生き甲斐と成り得ることを訴えて、ポジティヴな引き出しを開けようとするテーマ性を表現したかったのだろう。激辛かもしれないが、姉が男に、妹が男に似てるでしょと言葉を投げかけた時、これが作品の深みを増すギミックだと悟ったのだが、どうもこれは自分の勘違い。実は未だ幼い時に、姉と男の犯した過ち故の妊娠出産で育った実子が主人公と思ったのだが、どうもゲスの勘ぐりの様で、只単に性格が似ているというレベルらしい。折角のラストスパートの推進力だったと思ったのだが、考えすぎなんだろうな自分は…
前二作よりもより地域振興映画色が強くなっていて、そこにも少々鼻白む雰囲気を感じてしまっただけに、今作のアッと驚く仕掛けが無かった事への残念感を強く印象付けられた内容であった。
ビターだけど、後味に深みを感じる物語
今回ちょっと長めになってしまいました、私はレビューを書く前には、なるべく他の方のレビューを読まずに書きたいと思ってますが、皆様のレビューの表題位は見えてしまいます、この作品、大人向けだと私も思います。
決して若い方向けではないと言っているのではありません、が、きっと、実感は沸かないのでは?と思います。
実際に進学高校に通う現役高1男子よりコメントを聞けました、「なんか、ドロドロしてて、ひいてしまった」との事。 私は「スッキリしてたんじゃ?」と言いかけて、言葉を止めました、多分、感じ方に違いのでる物語だと思います。
でも、あおいちゃんと同じ年頃の子供達に見てほしい気もします、進路に悩んでる子には凄く意味のある投げ掛けが入ってるのではと感じました。
私の解釈としては、先の事に何の保証もなくて、進む中、自分の求めていた道か、それでよかったのかと迷う事もあるけれど、でも恐れずに一歩前に踏み出して行くしかないんだ。みたいな感じ?
そうだとしたら、大人になんなきゃ実感沸きませんよね。
あおいちゃんの心情にも、あか姉の心情にも、二人のしんのの心情にも凄く自然と寄り添えました。
私はこの様なストーリーに深みのある物語が好きなので、評価は高いです。しかも、エンディングで脚本が岡田磨里さんと知って納得しました。
決してハデさは無く、やたらに泣かせて来る映画ではありませんが、所々にうるっと来るシーンがありました。
ほろ苦く、ビターだけど、最後、エンディングで救われる、本当の意味で凄く夢のある映画だとおもいます(現実にはこの映画の結末の様に行かない人も沢山いる、でも・・・・)。
そういう意味で空の青さを知るって事?
三部作?の中ではいちばんの出来かと
「あの花」「ここさけ」に続く、超平和バスターズの新作ですよ。
これは期待せずにはいられません。
実は前の二作については、あのラスト(結末)は、個人的には「納得」はしていても「満足」してなかったんですよね。
それが今回は満足したというか、幸せな気持ちで劇場を出ることができました(^▽^)/
いちばん感動したシーンは、落盤事故に巻き込まれたあかねを助けに行くときに、あおいとシンノが空中を駆け抜けていくところで、あいみょんの劇中歌や、今回のキーワード「されど空の青さを知る」とあいまって少し涙が出てしまいました。
主役陣をプロパーの声優さんではなく、(経験はある人もいますが)普通の役者さんが担当したことに対する不安がありましたが、吉沢亮さんと若山詩音さんはほぼ満点でした。特にあおい役の若山さんは素晴らしい。
吉岡里穂さんは悪くはないものの、多少不慣れな感じは否めず、これが例えば早見沙織さんあたりが演じていたら星5つでしたね。吉岡さんゴメンナサイ(>_<)
でもあかねさんも幸せになって何よりです(*´з`)
大人が共感できるリアリティ、時々ファンタジー
子供の頃は何故かもってないといけない雰囲気だった自分の夢。でも現実は厳しく、それを言い訳にして違ったことをしながら生きている大人。
そんな大人が観ると、しんのの真っ直ぐな気持ちはとても突き刺さる。
個人的には、あの花は超えないけど観て損する映画では無いとおもいます。
しかしあいみょんの挿入歌が鳥肌モノでした。カットインのタイミングから、歌詞、歌声がむちゃくちゃよかった。これだけで星半分あげてもよいくらい。
あの花に関する隠れアイテム多め、そしてあの大行列でニュースになった神社のお守りが出てきた!なんでかなとおもったら、話の舞台になったみたいです^ ^
さぁ、あなたはあかね派?あおい派?ってなる楽しくも切ない映画でした^ ^
是非観てほしい
大人も楽しめる、主役はあかねかも
「あの花」も「心が叫び」も、十分楽しめましたが、今作はもっと大人目線でノスタルジーを感じます。
「あの花」は小学生〜中学生
「心が叫び」は中学生〜高校生
くらいの話だと思います。大人が見ても十分楽しめましたし涙出来ました。
「空の青さ」は、メインは高校生ですが、30前後の大人目線もあります。夢と現実を理解してしまった大人。愛する妹のために自分を犠牲にして過ごした大人の目線が感動的でした。
さらに、「大人はダメ」という話ではなく。大人は大人で、その選択が幸せだという表現も良かった。
ツナマヨもいいけど、昆布だっていい。と感じた。
そういう意味で、超平和バスターズの中では、大人も楽しめる作品だと思います。
前半は、それぞれのキャラが、感情を抑えているので、ストーリーも少し退屈でした。ちょっと眠くなるくらい。
中盤から後半にかけては、それぞれの感情が溢れてきて、感動的でした。
特にあいみょんの歌が最高です。
ロングMVと言われてもなんでもいい。
曲とストーリーが一緒になる部分がとてもよかった。
こんな感情あったなぁ。まっすぐな気持ちにノスタルジーを感じた。
とても後味の良い映画。
「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」
ということで、本当の主役はあかねかもしれないですね。
中年の人にはグッときます
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