エンジェルサインのレビュー・感想・評価

家族や愛犬との別れの悲話のオムニバス、ユニークなのは無声映画の手法で現代劇を描いているところでしょう。
本作の原作は総合監督の漫画家北条司さんが主催するサイレント・マンガ・オーディションで受賞した作品、吹き出しのない漫画賞というのも奇異ですがそれだけに絵だけで物語を伝える表現力が問われるというハンデキャップ・レースのようなものなのでしょう。その完成度の高さから実写でも試みたい衝動にかられたのだと思います。

映画の初期、フランスではサイレント映画を art muet（無声芸術）と称していました、セリフや文字に頼らずとも映像だけで物語を伝える優位性を映画は秘めているという趣旨ですが、当時の解説字幕の濫用、三面記事のような低俗さに対してのアンチテーゼという側面もあったのでしょう。
トーキーが当たり前になった今日、見え透いたセリフや罵声の類は時に煩わしく聞こえることもありますがそれは脚本の不備か演技力に欠けているということでしょうし無声が優れているとは思いませんが、セリフが聞こえない効用としては表情から真意をくみ取ろうとより集中して観ることでしょう。小説に読者の想像力が要るように見る人の力が試される側面もありますね。
ただ、人物や愛犬の名前は口パクでは分かりませんし、複雑なサスペンスものなど内容によっては無理筋のジャンルもありますが本作はテーマが決別であるだけに表情だけで伝わります。

コバルトブルーのモルフォ蝶が死者の生まれ変わりのようでもあり、物語を繋ぐ天使の使いというのもファンタジック、ゼメキス監督やトム・ハンクスさんはひらひらものが好きなのできっとお気に召すと思います。
表情だけの芝居というと百面相の様な誇張した演技をするのではと心配しましたが佐藤二郎さんも珍しく控えめ、杞憂でした。
個人的にはポッポ屋のBeginning and Farewellと愛犬が雲になるSKY SKY -Letter to the Skyが良かった、Father's GiftのロボットWeGoも出てきた時は無骨に見えたがお絵かきすると大変身、素晴らしいアイデアですね。
愛するものとの別ればかりでは気が沈むので死の対極の誕生を絡めて締めくくっていたのがせめてもの救い、映像はどれも美しく観いってしまいました。
手法の巧拙は別として物語としての完成度が高く俳優さんやスタッフの熱意が感じられる力作でした。

亡くした愛しい人を想い懐かしく偲ぶ映画。

セリフがサイレント
だけど声が全く無いわけではない
オムニバス
ちょっとわかりにくい
ミュージックビデオみたい

観る前からなんとなく自分には合わない作品だと匂っていたが案の定
不思議とつまらないわけではないが自分の趣味じゃない
退屈しないのは音楽のおかげか

よりにもよってこういう企画に佐藤二朗を抜擢するミスキャスト
喋らせろ！
チャップリンやキートンや眼鏡のロイドは偉大

北条司先生の初監督作品ということで興味がありましたが、近隣の映画館での上映はなく、やむなくレンタルで鑑賞となりました。

事前に台詞の音声がないとわかっていたので、がっつり画面を見ていられるように準備してみました。

飽きるかな？という多少の不安がありましたが、冒頭から号泣(笑)
6つの物語で毎回泣いてしまいました😱

あえて台詞なしで物凄く物語に集中したのですね💦
また、動く漫画を観ているようでもありました。

素晴らしかったです✨

163席シアターを独占鑑賞。松下奈緒の魅力満載の作品で音楽に秀でている彼女らしくチェロの音色とピアノの二重奏が心に響いてくる。セリフが無いだけにスクリーンから目が離せない。美しき青い蝶・エンジェルサインを心で感じてほしい。
2019-265

ちょっと難しいストーリーのパートもありました、私のまわりは多分、ディーンさん目的のマダム連れ、マダムに付き添いの旦那のよう。観賞日が映画の日でもあり、観客はかなり多かったです。ラストはディーンと奈緒さんのデュエットって大半の観客はわからないでしょうね。この二人はシティハンターの香とお兄さんに見えてしょうがなかったです。２日前にフランス制作のシティハンターの実写版を観賞したばかりだったらかもです。曲もストーリーもよかったですね。ディーンさんと松下奈緒さんなんで、韓流ドラマと比べても日本制作ですがビジュアルで一歩も引けをとってませんでした。

愛する人失った人、愛する人を遺して逝かなければならなかった人のそれぞれの思いに、自分自身の経験などが交差して、自然に涙が流れていました。そして、日本を始めアジアの美しい風景にも心癒されます。エンディング曲も素晴らしく、国を問わず年齢を問わずそれぞれに感じるものがある作品だと思います。

サイレント映画ということでしたが、セリフがないだけで、サウンドはありましたよ。音楽が素晴らしかった！セリフだけが表現方法だけではない！　人の表情が心に深く訴えかける！　ディーンフジオカさんのエンディング曲か流れて泣いた！

チェリストの嫁を残し亡くなったピアニストの旦那が作曲したビアノとチェロの二重奏「エンジェルサイン」が様々な人の死と思い出を包んで行く話。

台詞無しというより台詞は少々あるけれどその音声は無しというつくり。

メインはプロローグ＆エピローグで、それが5つの話に触れていく様な流れで、特に5つの話のストーリーは公式サイトに書かれているままという感じであっさりしている印象…みんな温かく良い話しだけどね。

どれもファンタジーといえばそうなんだけど、30分30秒は特にその色が濃かったし、ちょっと毛色が違ってハマってなかった印象はあるものの、優しくてキレイな作品だった。

それにしても、松下奈緒とディーン・フジオカが夫婦とはオーラが凄すぎるw

大事な人が死んだら…考えてしまいました。
6つオムニバスが最後に交わる。大切な人を亡くした人たちには見えるんですね。