CURED キュアードのレビュー・感想・評価
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ゾンビ映画では良識ナンバー1
ですが当然地味になるわな。
ゾンビに噛まれるもたまーにヒトに戻る奴もいる。
ヨカッタよかったってならずに
お前に俺の家族は殺された。って云われなき差別を受ける。
まさにお前コロナやってんやろ、こっち来んといて
と今風そのもの。
内面の描写多く正直退屈でした。
60点
アレックスシネマ大津 20200618
【”人を噛み殺した記憶は、決して消す事が出来ない。”ゾンビ・パンデミック終焉後、元感染者が”回復者”として社会復帰した世界を描いた作品。】
■人間を狂暴化させる新種の病原体メイズ・ウイルスによって大混乱に陥ったアイルランド。
6年後、治療法が発見されたことで秩序を取り戻し、治癒した“回復者”は社会復帰することになった。
しかし、回復者たちは感染していた時の記憶を抱え、耐えがたいPTSDに苛まれていた。
◆感想
・設定が秀逸である。ゾンビ映画は、一度ゾンビになってしまったら、人間には戻れないが今作では、一度ゾンビになった人たちが”回復者”として、社会に適合できるかという点にフォーカスしているからである。
・夫をゾンビに殺されたアビーの元へ”回復者”であるセナンが戻ってくる。周囲の厳しい目がありながらも、アビーは彼を受け入れる。
だが、”真実”をセナンはアビーに話すことが出来なかった。
・”回復者”として、人間の尊厳を求める元弁護士ながら、いまや町の清掃員になっているコナーの存在も、今作では重要である。
<何とも、重苦しい気分になる映画であるが、今作を観て思い出したのは、コロナが蔓延し始めた頃に、コロナに罹患した人たちへの一部の人達からの偏見である。
今作は、ラスト、”回復者”(回復者はメイズ・ウイルスには抗体があるため、感染しないという設定も良い。)であるセナンが、メイズ・ウイルスに感染したアビーの息子を”治るから・・。”と言い、抱きかかえて暗闇に消えて行く姿である。
コロナが終息しつつある現在であるが、結局は人間が理性と知恵を保ちつつ、冷静に対応する事が大事なんだよな、と思った作品である。>
よくわかんないことだらけ
ゾンビから回復するっていう設定は面白い。コロナ流行初期の頃って確かに治っても罹ってたとか言いづらかった雰囲気があって、そうそう〜とか思ったけど、ん?兄はなんで死んだの?ゾンビに噛まれてゾンビにならないケースもあるの?ストーリーの時系列的に治療したけど回復しないパターンではなさそうだよね。この説明がないからずーっとモヤモヤしたまま映画は進んでゆき、そして最後、なぜキリアンをホントに博士のところに連れて行かない?まあ実際博士は死んでるんだけど、まだこの時点では知らないはずよね。連れてったけど死んでたから逃亡感染者集団に参加したってこと?ちょっと作りが荒すぎて認められないよ。リドリー・スコットあたりが作ったらすごい面白い映画になったのではと思わせる近年のもったいない映画ナンバーワンでした。
展開が遅すぎてついていけない
ゾンビから回復し、人間と共存するが上手くいかない物語。
ちょっとダラダラの進み具合に感じてしまって始まって1時間耐えたが断念(ToT)
面白かったと思った人はいたのでしょうか。どの辺が聞いてみたい。
【ウォームボディーズ】のだんだん人間に変化していく作品のほうが面白い
感染が収まった後を描く着眼点がいいと思います
よくあるゾンビ映画と違って、収束後の世界を描くのは珍しいと思って、見てみました。
思ったより見応えがありました。
重いトーンだけにならず、ゾンビ映画らしい、ドキドキ感もあり、記憶が「ある」ことが残酷、というのも面白い切り口と感じました。良かったです。
単なるゾンビ映画で終わらない
差別や弾圧といった今の社会情勢すらも孕んだ様々な問を投げかけてくる映画
自らがもしその立場であったなら
善悪の区別も含めて何が正しくて何が間違っているか 明確に分けることは出来ないと感じられた
もし生存者の立場であったなら回復者を受け入れられるだろうか、もし回復者の立場であったのなら感染していた時の記憶を保持したまま抑圧され差別される社会に反発を覚えないだろうか
コナーの思惑は暴力的に過ぎ、世界を破滅させる道でしかないとは思いながらも、トリガーを引いてしまったのは生存者だった
彼になびく回復者の気持ちもまた理解できる
全てを描かないことで見る側に解釈の余地を残し、苦悩や絶望、救いといった様々な感情を与えてくる
終わった後に深い余韻が残った
CURED
今年26本目。
今だからこそ観るべき映画だなと思いました。 街にウイルスが蔓延し、感染者が続々と出る中、治療された患者をどう扱うか、また感染者をどう扱うか。家族の気持ちはどこにいくのか。
これは、何に対しても一緒で例えばコロナもそうだし、差別されて(る)きた人々に対してもそうだと感じた。
治療法がある、それだけで一安心するのに、やはり心の何処かでは本当に大丈夫かどうか、不安がある。
例えば、感染症にかかってしまって治療法はあるのに差別や偏見があるためその事実を隠さなくてはならない。本人も辛いし、家族もどうしたらいいのかわからない。
この世から差別や偏見が無くなるのは無理だと思うけど良き理解者がふえたら生活しやすくなるなとそんなことを考えた作品でした。
※不快な表現があったらすいません。
※個人の価値観で批評しています。
元の世界には戻れない!
ゾンビによるパンデミック後の世界を描いた異色作。感染すると凶暴性を帯びて、非感染者を攻撃する恐ろしい「メイズ・ウイルス」。どれくらいの人間が感染していたかは定かじゃなかったのですが、感染者の75%は人々を襲った記憶を持ちながらも治癒し、社会復帰するという設定です。しかし、差別や嫌がらせは想像を絶するもので、町から出ていけと罵られ、新たな隔離を強いられるほど。就職先も人の嫌がる仕事ばかりで、、元弁護士であっても清掃員をやらされたりしている。それでも、今のコロナ禍と比べれば、仕事があるだけましだと言える。
「元の世界に戻れない」とはこういうことか!アイルランド産の映画なので、こうした描写は得意なのだろう。軍人と民衆がぶつかりあう姿。感染者が隔離病棟で安楽死させられる映像までは見せなかったけど、不満は爆発。あちこちでテロを行うようになる「回復者」たち。また、回復者たちはゾンビだったことの記憶を失っていないので悪夢を見続ける・・・
一つ面白い設定なのが、感染者=ゾンビは仲間だと感じるためか「回復者」を襲わないという点だ。つまり、放っておくと、感染者と回復者だらけになることになり、健常者は少数派に陥ってしまうのです。それを利用しようと回復者のリーダー・コナーが医者も仲間に引き入れて隔離病棟を解錠するのだ。夫を亡くしたアビー(エレン・ペイジ)の息子もついにはゾンビに噛まれるという悲劇もあるのですが・・・人間社会を分断するまでになれば、結局は同じように感染してしまった方が楽なのでしょうけど、75%しか生き残れないし決断も難しい。
コナーがやがて選挙に出馬するというオチにも唸らされるました。果たして健常者と回復者は共存できるのか。再感染はしないとは言ってたけど、内なる暴力性も潜んでいるのだ。ただ、差別的暴力を見せる健常者もいることだし、ゾンビという兵器を持った回復者との争いは永遠に続くのだろう・・・全員が感染するまでは。
【2020年5月27日、金沢コロナワールドにて】
ウイルス禍で問われる、人間の本質。今の時代に観るべき映画。
【賛否両論チェック】
賛:凶暴化してしまうウイルスからの回復者達の姿を通して、彼らを恐れ迫害する人間の浅ましさや、そうした状況で回復者達がどのように生きていくのか、それぞれの人間としての本質を問われるようなストーリーに、改めて深く考えさせられる。
否:メインは主人公達の人間ドラマなので、パニック映画を期待して観ると、肩透かしを食らいそう。急に驚かせるシーンもやはりあるので、苦手な人にはあまり向かないかも。
分類としてはゾンビ映画ですが、他の作品とは明らかに一線を画す、異色の人間ドラマが描かれています。なので、普通のゾンビ映画のようなパニックはあまり描かれていません。
ウイルスに打ち勝って回復した者達が、凶暴化していた時の悪夢に苦しみながらも、なんとか社会復帰をしようとする中で遭遇する、健常者達からの差別や嫌がらせ。そうした環境下に置かれてしまった彼らが、それでも大切な者のために必死に耐えて生きていくのか、それとも自らや愛する者を守るために剣をとるのか、それぞれの選択を迫られていく姿が、切なくも考えさせられてしまいます。
そして感染者やその手助けをする人々を恐れ、迫害してしまう社会の構図は、どこか新型コロナウイルスが蔓延する現代社会と共通するものがあるような気がしました。
グロシーンや急に驚かせる演出も少しありますが、それらを差し引いて考えても、今まさに観るべき映画だと思います。是非ご覧になってみて下さい。
ゾンビだった時の記憶
ゾンビ映画は無条件に茶化していい、とわけではないが、この映画は面白を求めて見るゾンビ映画とは少々趣が異なる。そこで好き嫌いが別れる気がする。
確か某漫画で巨人になった時の記憶があるかどうか少し話すシーンがあったと思うが、こちらは病原菌に対抗できる治療法が見つかり、ゾンビ時代の記憶を残したまま意識が復活してしまう。十中八九その記憶は消えてほしいはずだ。でも回復するまで、自分には選択肢がない(なぜなら治療されている際は正常な判断ができないから。)
それと噛まれるとゾンビになるという設定が、かなり吸血鬼的な意味合いで使われている。その設定もいろいろ考えさせられるが、ゾンビファン的には純粋にゾンビではなく、別なものの象徴として存在することを嫌がるかも。
中途半端
ゾンビ映画の体を借りた社会派スリラーという指向性は悪くないと思う。
ただ、いかんせん全ての描写が薄い。また、回想シーンで同じコマを何度も使い回したりしていて、いかにも低予算で撮ったのが観ている側に伝わってきてしまうのが致命的。
その低予算の象徴が尺の長さ。この内容なら95分では短過ぎ。
少し手厳しいかも知れないが、新人監督にメガホンを取らせるのなら、内輪でコンペをしてから商業ベースに乗せるべき。まぁ、誰が監督しても厳しいほどの低予算なのかも知れないが・・・
消えない傷と記憶
ゾンビパンデミックが起こった世界が舞台。治療法が見つかり、一部はゾンビから元の人間に戻った、「CURED」として社会復帰を目指していたが、不信感をぬぐい切れない国民とCUREDとの間に起こる軋轢を描いた作品。
CUREDは、ゾンビだったころの記憶が残っている為、それに蝕まれ苦しむ主人公。ゾンビに襲われ死んだ兄弟の妻である義姉、甥とともに生活していたが、同じくCUREDである友人の不審な行動により歯車が崩れ始める。そして兄弟の死の真実が…。
ここの所、飽和状態(⁉)にあるゾンビ映画の中では、異色を放っていると言える本作。
序盤から中盤は、CUREDと国民、政府それぞれの存在と関わりや、主人公の苦悩について描かれ、終盤はお約束とばかりにゾンビパニックが町中を襲う。
全体を通してどうだったかと聞かれれば、面白かった映画と言えるが、HP等を見る限りでは、(ゾンビという壮大なフィクションではあるが)パニック状態での政府の在り方や、差別問題等をメインに扱った映画のような印象を受けたが、そういったメッセージ性はそれほど感じられなかったし、かといって往年のゾンビ映画のようなドンパチ、スプラッターを推しているようにも見えず、もう一つ起爆剤が欲しい感じ。
本作の伝えたいところ、見せたいポイントというのが何なのかイマイチわかりずらかった。
とはいえ、なかなか独特な映画ではあるので、スカイラインやアイアンスカイのように、忘れた頃にフッとレベルアップした続編が観たいとも思った(ジャンル全然違うけど笑)
回復者たち
もう二度と「人肉食べられるし死なないからゾンビになりたーい」なんて軽々しく言えない…。
なんたる絶望感とやるせなさ。
誰のどの目線になっても辛くて、誰のどの気持ちもわかるような、わからないような、わかりたくないような。
そしてなんたるタイミング。
現実的にパンデミックが起きている世界で、満員の小さなスクリーンの中この映画を観るしんどさ。
こんな時でも映画を観に出てしまう私の浅はかさ。後ろの方でしきりに響く咳の音にちょっとビビってしまう自分が嫌になる。
「回復者」の設定がキツすぎる。
化物状態の記憶が消えないままなんて。何もかもわからないまま暴れまわって、何もかもわからないまま戻れたらいいのに。
いやそれもしんどいか。周りに疎まれ恐れられても身に覚えが無いなんて。
治療が完了して街に戻っても差別的な扱いを受けてしまう回復者たち。
何が一番キツいかって、彼らを差別し遠ざけたいと思う気持ちを強く理解できること。
生まれた場所や肌の色で差別するのとはまた違う、現実的な恐怖感や嫌悪感があるわけでしょう。
大切な人を失った当事者なら尚更。
今まで通りにいられる方が不思議なくらいだと思う。
「感染者」の動きが印象的だった。
気になるのは感染者同士の挨拶みたいな仕草。
お辞儀し合うような、互いのにおいを嗅ぎ分け合うような、人間味のある仕草。
意識があることを表しているのかもしれない。
人を襲うときの動きは普通に怖い。あの状態で意識があるって、一体どんな気分なんだろう。もっと詳しくインタビューしてみたい。
ただ、設定の面白さのわりに盛り上がりには欠ける作品だった。
非常に興味深いことが次々と起こっているのに、あまりに辛気臭すぎる空気感からダラダラして感じてしまう。
所々で強めの緊張が襲ってくるのでなんとか持ち堪えてくれたけれども。
ドクターとジョーの二人がとても好き。哀しい運命、献身的な姿、涙目のキス。
アビーとセナンの微妙な関係性も好き。
終盤でセナンが馬力出して頑張るところ、本当にグッと来た。
ゾンビモノの作品はたくさんあるけれど、こういう少し変わった視点を持つ映画は特に好き。
感染力の強いウィルス、嫌だなあ。
さて、現在進行形のパンデミックはどんな終焉を迎え、どんな未来が待っているのかしら。なんていつまでも他人事なこと言ってる場合じゃないって、分かってはいるけどもさあ…。
全29件中、1~20件目を表示