劇場公開日 2019年11月1日

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「何度観てもアクが強い」CLIMAX クライマックス 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0何度観てもアクが強い

2024年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ギャスパーノエによる、ひたすらバッドトリップしていく様を映したトランスムービー。
お正月休みの夜中、酒飲んで観るにはピッタリかなって久しぶりに観てみました。
廃校に集まったダンサー達が、公演リハの打ち上げで口にしたLSD入りのサングリアで始まる狂乱の一夜。
ダンサー達のインタビューで始まるのですが、これが結構かったるいなぁって思ってたらいきなり始まるすごいダンス。
これが本当圧巻で、観ながらすげーなこれ…ってなります。
バックではダフトパンクやエイフェックスツインなどのテクノ・エレクトロが溢れる中、その踊る映像は本当にクセが強くどうしても見入ってしまうんですよ。
ここでの緩急がうまく、後で思えばこの時点でマジックにかけられていたようでした。
また、驚くべきはセルヴァ役のソフィアブテラ以外全員、演技未経験のダンサー達で構成されている事です。
しかしそれらを何の引っかかりも無く作品に引き込むのは、ギャスパーの手腕でしょう。
気味が悪いくらい舐め回すカメラと、長回しのような構成。
止まる事がなく段々と速度を増すトランス状態と、部屋毎の興奮の事象。
子供のティトの行動が最後のトリガーとなり、廃校内はサバトのような世界へ。
カメラが逆さになった辺りがパーティーのピークで、ここでの演出もうまかったですね。
翌朝、全てが終わり静まり返った廃校。そこで流れるストーンズの「アンジー」がまた切ない。
そして冒頭で出てきた「目薬」で幕を閉じます。
いや、何度観てもこれはアクが強い。特かくすごい作品ですね。

白波