ガーンジー島の読書会の秘密のレビュー・感想・評価
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ガーンジー島 〜 美しい島
美しい作家ジュリエットをリリー・ジェームズが演じる。彼女のはにかんだような美しい笑顔が魅力的。
事情があり手放した書籍がきっかけとなり、ガーンジー島の住民と手紙のやり取りをするように…。
ガーンジー島で起きた過去を辿るストーリーに引き込まれた。
ーガーンジー 読書とポテトピールパイの会
ージュリエット・アシュトン
オークリー通り202番
BS松竹東急を録画にて鑑賞 (字幕版)
お花
ガーンジー島で戦時下に何があったかを紐解いていく&主人公が居場所を見つけるお話。
基本は戦後の話ではあるものの、戦争の悲しさを突きつけられる。
ドーシーがくれた花と婚約者マークがくれた花の対比が印象的。
婚約者はまったく悪い人ではなく、むしろ協力してくれる等良い人なので、かわいそうではあった。
主人公にとってしっくりくる居場所がガーンジー島と読書会だったのだろう。
主人公の女優さんがとても美人。
ガーンジー島、景色が綺麗なので行ってみたい。
最後が残念な映画
主題は主人公の女性作家と島の人達の交流の話です
全体的に面白かったのですが、最後の展開が残念過ぎます
主人公は色々な人に迷惑をかけて勝手に島に行ったのですが、出会ったばかりの島の男と結ばれ、落ち度どころか散々世話になった婚約者を被害者ぶって振ります
ありていに言えばとんでもないクソ女ですね
これ性別が逆だったら総叩きだったでしょう
主人公の設定のせいで最後に非常にもやもやした気持ちが残りました
リリー・ジェームズが魅力的
リリー・ジェームズ見たさに見た映画でしたが、作品としてもかなりの力作でした。
最初からジュリエットとドーシーが結ばれるのではないかという雰囲気で展開していき、その通りになってしまうのはあまりにも単純すぎて何かひねりがあるのかと思っていましたが、まさかその通りになってしまうとは逆に意外でした。
エリザベスが島に帰ってきてドーシーと結ばれるハッピーエンドを期待していた私にとっては、エリザベスの最期はかなりのショッキングな話でした。戦争の残酷さを改めて感じてしまいました。よく考えれば、生きていれば戦争が終わっていたので帰って来られないはずはなかったですね。映画としては、この暗いムードの中で、ドーシーはキットを一人で育てていこうと決心して、キットを見つめるシーンで終わってもよかったのではないかと思いました。
実際にはドーシーはジュリエットと一緒になるので、それはそれで良かったかもしれないのですが、エリザベスのことを考えてしまうと、ちょっと割り切れない感じがしてしまいました。
戦争秘話
地図でみるとガーンジー島は英国よりフランスに近い島なのですね、第二次大戦では早々とチャーチルに見捨てられたのですからロンドンからの客人にそっけないのは分かる気もします。
夜間外出禁止をドイツ軍から咎められた時にエリザベスがとっさに思いついた口実が読書会でしたね。映画はこのエリザベスの慈愛溢れる壮絶な半生がテーマかと思われるくらい印象的です。
救世軍出身で、ドイツに投獄され37才で亡くなったマリー・オザンヌさんがモデルだったようです。
原作者のメアリー・アン・シェイファーさんはアメリカの小説家で、南極探検家のロバート・スコットの夫人の伝記の下調べで英国に赴いた折にガーンジー島に立ち寄り島の歴史に惹かれたようです、執筆中に体を壊し、姪のアニー・バロウズさんに後を託して亡くなっています。
原作ではエリザベスとドイツの収容所で一緒だったというフランス女性レミー・ジローが登場してドーシーと恋仲になりそうでやきもきさせられます、映画ではジュリエットに焦点を絞りたかったのでしょうばっさりと割愛しています。
さてエリザベスの献身的な生きざまにショックを受け、白馬の王子様のようなマークを振って心変わりしたジュリエットですがドーシーへの思いが果たして愛と呼べるのか、恋愛感情というよりキットへの母性本能や悲運なドーシーへの憐憫にあるようで素直にハッピーエンドと喜べないのは年のせいでしょうかね・・。以前ラジオでユーミンと森山良子が「女って、あなたの為よといいながら、いつかあなたのせいで・・に変るのよね」と話していたことを思い出します。
原題に秘密を付けた邦題はお見事です、皆がエリザベスのことを語りたがらない裏にはドイツ兵に寝返ったことで丸刈りにされて辱めを受けた女性の話など戦時中のヨーロッパでの醜聞が頭をよぎりましたが杞憂でホッとしました。医者と言う職業にもよるのでしょうかドイツ兵にも人間味のある人がいたという描き方も珍しい。
まさに主人公と一緒に謎解きに対峙する感覚は2時間越えの長さを感じさせません、風光明媚なガンジー島の景観と併せ、楽しめる良作でした。
自分のことは自分で決められる時代
まずガーンジー島の景観に心を奪われる。
次に、戦時中、開放的な島の自然とは裏腹な不自由を強いられた島民が、強かに生き抜く様に爽快感を覚える。
一方で、いわれのない誤解に傷付き、島特有の閉塞感に屈託を抱えるエリザベスと母親アメリア、エリザベスに想いを寄せるドーシーの胸中を思いやる。
ジュリエットは、そんな島の歴史と人々にとって、思いがけない「異物」であった。
知るということは、時に人を傷付けることでもある。
ジャーナリズムが掲げる知る権利を少しばかり嗜めるようにして、
ジュリエットがしたためた「文学とポテトピールパイの会」は、
「異物」が島の悲しい歴史に溶け込んで病巣を癒す錠剤のように働いた。
エリザベスの生き方は、ジュリエットの心に「自分のことは自分で決める」という教訓とともに共鳴した。
映画のエンディングは、戦争が終わり、本当の民主主義がおとずれた瞬間であった。
戦禍にあって尊厳と自由をいかに獲得するべきかを、じんわりとした幸せが覆うラストに改めて考える機会となった。
良い作品でしたが
高評価が多い中、ちょい下げすみません。
映画館で観たかった作品、ようやくネットで。
素敵な景色がたくさん出てきて、大きなスクリーンで観たかったなぁ。
ちょっと下げたのは、ドーシーがイケメンじゃなかったら?を考えてしまったから。もっというと、キットのお父さんもやっぱりイケメンだったのね、と。
や、最初に出てきた時からバレバレだったけど。そうならないで、と思いながら観てたので。
指輪を受け取り大興奮はするけれど。
予感は的中。だよね、そうなるよね、っていうのがバレバレで。
なんかそこがね、と思ってしまって。
キットのためソサイエティの人達のためにも、丸く収めるためにはマーク1人が割りを食うだけで済むなら被害は最小限か?
もっともマークのどこに魅力を感じていたのかがよくわからなかったけど。
結局人間9割見た目かよ?と思ってしまう。近所の、部屋を貸していた家主が罵るシーン、それはすごくひどいんだけど、確かにそう見られても仕方ない、とも。
という、少し安直な気がしてしまったので。
美男美女の話にしなくてもよかったのにと思うのは、そうじゃない者の僻みかな(笑)
ドーシーの相手、アイソラさんでもよかったのにね?
「自分らしく生きること」が大事
イギリス+フランス合作ですが、イギリス色が強いヒューマンドラマ
舞台は、第二次世界大戦後のイギリス
ヒロイン、ジュリエット(女流作家)が読者ドーシーから、
ある本についてご存じでしたら教えて欲しいという
手紙を貰った事がきっかけで、
彼が住む、ガーンジー島で行われている読書会を
訪ねてみると・・・
ジュリエット「タイムズに(読書会の記事を)載せると言ったら
喜んでもらえるかと思って・・・」
読書会のメンバーの反応は、好意的なものとは言い難くてそれは
メンバーのひとりエリザベスが行方不明で
第二次大戦時ガーンジー島がドイツに占領されていた事と関係あるらしい
好奇心にかられ、編集者を通じて捜索し
読書会のメンバーからもエリザベスに関するエピソードを打ち明けられ
作家としてこの話を書かずにいられなかったけれど読書会の人々の
気持を慮って出版はせず彼女らに原稿を手渡す
エリザベスが占領下でも、自分らしい生き方を貫いた事に触発され
ジュリエットは自分の人生を見直し、
「自分らしく生きる事に目覚める」
*****
舞台がイギリスらしい、階級差別的な考えが根っこにあって
ジュリエットに冒頭でプロポーズした編集者のマークは・・・
ジュリエットに大量の薔薇の花束を贈る
婚約指輪は豪華なダイヤの細工もののごついもの
華やかな社交界
ジュリエットに、好んで男性名義で本を書かせる(イギリスにはホモが多いジョーク)
ドーシーを「豚飼い」と蔑む(住む世界が違う)
対するドーシーは、読書会発端のきっかけとなった(ドイツ軍に
家畜を飼う事を禁じられていたのが発覚しそうになってでっちあげで
作ったのが読書会~文化的な集会は容認されていた)豚を飼い、
血がつながっていないにも関わらず
エリザベスの残した娘を育てている純朴な男性
ドーシー「8歳の子供には、父親が必要だ」
マークが贈った薔薇の花束は、花瓶に入りきらずバケツに入れられ執筆室の外へ
執筆室のタイプライター(!)の傍に置いてある本の間には、小さな押し花
(文通して心を通わせていたドーシーのイメージか)
この対比が、ヒロインの気持ちを代弁していて面白かった
手紙やタイプライターやら文通やらの
アナログな交流や執筆風景が、時代を感じさせると共に
本を執筆する事に対する真摯さと
ドーシーと心が通い合っていく様を暖かいイメージで伝えてくれる
PCやメールでは多分、こういう気持ちの触れ合いは少ないだろうと思う
個人的に気に入ったキャラクターは、
出番が少なく、気取ってはいるけど自然体で
クールで切れ者の編集者シドニー
ジュリエットとの、会話や接し方から、プロの編集者とは
こうあるべき、というイギリス流の美学を教えてもらった感じで
嬉しかったです
「読書会」というタイトルから、本好きな人々の話だと思っていたので
予想とは外れていたけど、少女小説の様な趣のある、いい映画でした
美しいガーンジー島
イギリスより、むしろフランスに近いガーンジー島。全く知りませんでした。景色が素晴らしい。ストーリーは逮捕された読書会の発起人を探す、謎解き、ゆるーいミステリー?かと思いきや、ラストはラブストーリーへ。二人は顔を合わせる前から、文通で、心が通じていた。マークは可哀想だけど、やっぱり居心地の良い人を選んだ方が幸せ。リリー・ジェームズが思い悩み、決断、吹っ切れた女性を好演。
文通の高揚感
良い作品だ。
作家が、文通を通じて知ったある島の読者会。その読書会の名前の面白さから、興味を抱き訪れた島。しかし、そこで出会った人々が、口を開かない秘密は、戦争で、夫や娘、親友や恋人、それぞれ大切な人を失った複雑な喪失感と残ったもの達が、今なお苦しみ、そして互いに救い合う絆に固く閉ざされていた。そんな人々の魂を開放する唯一の自由は島の読者会だった。
よそ者に過ぎないが、何かに突き動かされる作家は、助けになりたい気持ちで、人々の因果関係を丁寧に向き合い解き明かす。しかし、その結果、人々の最後の望みである女性の悲劇の報せを自らが報告してしまう事になり、何事も救えなかった存在として島を去る。塞ぎ込む毎日を過ごすが、マネジャーのシドニーに促されてその事を原稿に書き上げた瞬間、やはり戦争で両親を失い、本を読む事に心の安心と自由を求めて逃げ込んだ自分が、その人々との絆の中に、まるでジグソーパズルのピースが、見事にハマるかのように、運命の自分の居場所がある事に気付く話だ。
印象的なのは、「文通の力」。想いが綴られた手紙で、伝え合う時に覚える高揚感が、懐かしく描かれている。
さらに、原稿に向かい想いを綴るタイプライターの音が、迫力のある音で連打され、気持ちの強さが伝わってくる。書き終えた時に、改行の時に鳴るあの音が「チン!」と心地良く、スピード感とともに高揚感が伝わってくる。
最後に、登場人物達が、優しく上手に描かれて、じわじわ愛着が湧いてくる。
物語が、婚約という「制約」の上に進み、
でも、心の声である「自由意志」に従う事で、
解き放たれる高揚感の表現も一役買っている。
同じ波止場の2つのプロポーズにその対比が観れる。それを支えるシドニーの「存在」を隠し味に使うところまでよく出来ている。
「高価で、大きく硬そうな婚約指輪」にしたのは、抗うことが難しいものに立ち向かう様を表現したかったのかもしれない。言葉が、自由意識の象徴であり、その言葉が行き着くべきところへ誘ってくれる様が、テーマとしてよく描かれている。
ガーンジー島に行ってみたくなる
SNSが普及した現代では、もう味わうことのできないかもしれない、アナログのよさを感じさせる優しい映画。
ガーンジー島の素朴な自然美がこの映画のテーマを引き立てていた。
鞄を携え島に入る主人公は、まるで金田一耕助を彷彿とさせるものがあったが…新たな事件は起こらず、その存在によって閉鎖的な人々の心を次第にほぐしていく。
しかし、今まで胸にしまってきたことを割と簡単によそ者に話してしまってる気がして、見ている方としては釈然としない気がした。
彼女の存在がそうさせたのは解るが、そうさせるほどの魅力が、いまいち観る側としては伝わって来なかったし、そこに至る読書会のメンバーの心理描写があってもよかったのでは。
また、途中から結末が予想できてしまう展開になっており、読書会のメンバーが秘してきたエリザベスのくだりが予想外だっただけに、それとは対照的で少し残念だった。
What reading did to the people. 本が結びつける運命
意外とヨーロピアンの人って読書をするイメージがあります。昔バックパッカーだった頃、よく読書をしてるヨーロピアンを見かけました。あっちの本ってピンキリで物によると紙質とかメッチャ悪かったりするのですが、ボロい本をバックの中に突っ込んで持ち運び暇があると読んでて、読み終わると安宿に置いてって、宿の本棚から次の本を持っていく。そんな感じで旅人の中で本が巡りめぐっていて、だいたい誰でも読書してた記憶があります。フとそんな事を思い出しました。
というわけで「ガーンジー島の読書会の秘密」。リリー・ジェームズが出てるという事と第二次世界大戦あたりのストーリーのようだという情報以外知らずに観たのですが、これがもう良くできた作品でした。
先ず大戦中に島とはいえイギリスの領土がドイツに占領されていたって事にビックリしました。帰宅して検索するとガーンジー島ってイギリス本島よりフランスに近くって、あの位置なら確かに占領されててもおかしくないです。イギリスは持ちこたえたイメージがあったのですが、場所によっては占領されてたんですね。そりゃ普通の島民ならナチスを嫌っていて当たり前です。
その島で読書会を思い付いたエリザベス。分け隔てなく人と付き合えるのが彼女の長所だったんでしょうね。だから皆に好かれていた。イギリス人とかドイツ人とか関係なく、人を見て判断できたのでしょう。最終的にそのエリザベスの性格が災いしてナチスに捕まる事になるので、読書会の皆が後悔を持っています。あー、もどかしい。
そこへジュリエットが現れて、エリザベスの事を調べ初めて読書会の皆がまた向き合うようになるのですが、ジュリエットが訪れなかったらずっとエリザベスを待ち続けていたのでしょうし、本を通して皆の時間がまた動き出す運命の物語。何ともいい話でした。
リリー・ジェームズって正直ロンドンの華やかな感じより、島での素朴な感じが似合ってると思います。ドレス姿も勿論素敵なのですが、島でキットと駆け回ってる方が雰囲気にあってましたね。フとした表情や仕草がとっても良い娘そうです(これでもし私生活が荒れてたりしたらショックなのでゴシップは検索するまい)。
全編を通して美しい島の自然が映し出されます。観てて堪らなく何処かの島に行きたくなりました。ああいう自然が豊かな島で本を読みながら過ごせると素晴らしいだろうなぁっなんて妄想を膨らませてしまいます。現実はなかなか日々の生活から抜けられないので、こういう作品のジンっと来るストーリーと自然の映像美はいい気分になれますね。
と同時にまた本を読みたくなります。何処かで読書会やってないかな?
本が好き
な人には全力でお勧めしたいしそうでない方も是非。とても素敵な物語です。それにしても主役のリリージェームズの可愛いこと。『イエスタデイ』に続き良い作品に出てるなぁ。ツンデレ編集者役のマシューグッドも良かった。
どこに書いてあるんだ?
ゴテゴテして入り組んでいるけど、すごく素敵な物語を、控えめな演出で見せてくれる映画だった。"Literary"に繋がりを持った人達を描いた物語は、二つの古典文学をモチーフにしています。シェイクスピアの"ロミオとジュリエット"、シャーロット・ブロンテの"ジェーン・エア"。
ナチス・ドイツの上陸を許し、占領されてしまったガーンジー島。正義感に溢れ気の強いエリザベスと、心優しいクリスティンの恋はロミオとジュリエット。
男女平等の意識を強く持つジェーン・エアは、宣教師セント・ジョンの妻になる事を拒み、火事で片腕を失い盲目になったロチェスターに求婚します。尻ごみをするロチェスターに「愛の前に何ものも障害にはならない」と彼を諭します。
マークからのプロポーズを反故にし、女王の様な指輪を返したジュリエットは、マークからのプロポーズを受けた埠頭で、ドーシーに「結婚する?」と、言い放ちます。女性からのプロポーズをはじめとした、進歩的で自立した生き方を求める姿はジェーン・エアを彷彿させます。
島から戻ったジュリエットは、自らを乗り越えるために。すなわち、あの島で魂の繋がりを持った人々を吹っ切るために、約束を破って小説にします。書き終わった原稿。作家としてのジュリエットの心は高揚していましたが、同時に、深い深いふっかーい喪失感を覚えます。本に挟まれていた「押し花」は、ジュリエットに「本心を押し殺して生きて行けるのか」と問いかけているみたい。ガーンジーでの日々と、ロンドンでの生活。ドーシーとマーク。どう生きたいのかの答えに迷いがあるはずも無く。
"On my way to find you"
いや、"On my way to find MY LIFE" の途中で出会ったのが"The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society"であり、ドーシーであり。だから、ガーンジーに戻らなければ。
"The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society" の原稿と共に届いた手紙には、ジュリエットの、自分の信じる道を進み続けたエリザベスの様に生きると言う決意が語られていました。読書会でジュリエットが見せたジェーン・エアの解釈は彼女自身の価値観、生きたい生き方だと、ドーシーには分っていました。海岸で、ドーシーの自宅で、ジュリエットからの愛を感じていたドーシー。いや、何にもまして、この島と読書会で繋がった人達への愛。そして文通で理解した、手紙で判ったジュリエットの人柄。
ジュリエットがマークとの結婚を受け容れる事は無い。ドーシーは確信し島を飛び出します。Mr.エベン、どこにも書いてないよ、そんな事。書いて無いけど、ジュリエットの想いと決意は、この手紙の文面に溢れている。この胸に伝わって来る。
もう、島の風景が最高。画は文句ないです。と、役者さんが残らず最高です。読書会に押しかけてアイソラのジン飲みたいよね。
良かった。とっても。俺、リリー・ジェームズでこれが一番好きです。
良質な映画をありがとう
映画館で流れた予告にナチの行進が出てきたので秘密ってのはそっちがらみなのだろうなと思ってたのに、実際に観始めたらそんなことをすっかり忘れていた。なので、最初はエリザベス=匿われていたと思ったら次のシーンではローストされて出てきたぶたさんのことかと思った。だって、アメリアがエリザベスがきっかけで読書会が始まったとか言ってたから、豚のロースト食べるためにかな、と…。
謎が一気にではなく、ひとつずつ解決していくテンポがとても良い。私は個人的にドイツ軍の占領下にあるパリについてとても興味があるので、場所は違うがドイツ軍の占領によって人生を変えられてしまった人々というテーマが分かるにつれて、どんどん引き込まれていった。第二次大戦の欧州というとナチゆえにドイツが浮かびがちだけど、他の国にも悲しい物語がたくさんあったことを知っておきたい。
アイソラがジュリエットに婚約者はどんな本が好きかと尋ねる場面が好き。
知らないんだよねぇ。考えたこともなかったんだよねぇ。
イーライ役の男の子が可愛い!と思ってたら「ロケットマン」でエルトンの子供時代をやっていたと知り、しまった、観ておけば良かったと後悔中。キット役のお嬢ちゃんも可愛かった(パンフレットには子役二人の情報がない!)。
リリー・ジェイムズは私にとって「ベイビー・ドライバー」のデボラちゃん。この映画もとても素敵なのだけど上書きは出来なかった。ごめんなさい。
最後の親子(?)3人のシーンはとても微笑ましいのだけど、ここでジュリエットにひとこと。
幸せ過ぎると良い小説は書けないよ!
英国の香りが漂うドラマを十分味わえました
第二次世界大戦当時のイギリス。
映像の世界観や雰囲気が、私の鑑賞意欲のツボを刺激。
期待に違わぬ「英国」の雰囲気あふれる作品で
堪能しました。
と書いてはみたものの
英国風がどんなものか、分かっているわけではありません。
森薫さんの「エマ」が英国バイブルなのはナイショです。
しかしまあ
イギリスの都会人も
島の人たちも
ドイツ人も
アメリカ人も
みんないい雰囲気を醸し出していて
島の風景からもすごくイギリスのにおいが感じられて
とても素敵な、満足できる作品でした。
たまには紅茶を飲みながら読書でも。
そんな気分になります。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
読書会に秘められた悲しい過去
ガーンジー島。
舌をかみそうな島の名前に 読書会の秘密?
タイトルだけでは全くお話の想像がつかなかった。
そこは、まるでおとぎ話に出てくるような建物や、いつまでもそこに
立ち尽くしていたいような心が洗われる風景に包まれるている
しかし、この美しい島にも戦争の悲しい物語があったのだ。
敵から身を守るために読書会をしていたとは、
今のようにただ読書のためだけに行うのではなく
彼らは生きるための手段だったのだ。
戦争により愛する者を失ったものは、いつまでも苦しみ
その悲しみを背負っていかねばならぬのか?
あの時あーしていればと生き残ったものはいつまでも
自分を責め辛い思いに耐えねばならぬのか?
戦争は終わってもいつまでも人々の心に重くのしかかる。
美しい映像、人、言葉。
英仏合同で作り上げられた今作。
フランス映画らしい極端に美しいロケーションや色調の中に、英国然とした衣装や街並が混ざり合って、スクリーン上には柔和かつ優美な空間が演出されていた。それだけに、ナチスドイツのあまりに無粋なこと。
役者の演技や台詞だけに頼らない映像表現は、きっと見た人全員が感じ取ることができたと思う。
主演にキャストされたのはシンデレラで一躍脚光を浴びたリリー・ジェームズ。彼女の演じる純粋で芯の強い女性には言葉にし難い魅力がある(同性には嫌われがちという悲しさ)。
今作の主人公ジュリエット・アシュトンもまさにそんな女性で、自分の美しい容姿をどこか理解しつつも、己の信念の為に泥まみれで畜産に携わる素朴さも、夜中に宿を飛び出す逞しさも備えている。
そんな彼女の周りには、いい男が多い多い。笑
ジュリエットを一途に想い、1人で旅立つ彼女を、惜しみながらも快く送り出す"お金持ち"←(重要)のマーク。
仕事のパートナーで良き理解者。長年の友として男女の垣根を超えた絆を共有するシドニー。
己の感情をずっと抱えたまま、ただ報われぬ愛情と責任を街に、子に、友に注ぎ続けるドーシー。
物語の進行上、原作小説の内容を盛り込めなかった部分もかなり多いと思うが、恋愛に関して言えばマークが不憫すぎる印象を受けた。
「もっと早く連れ帰るべきだったか?そもそも島に行かせるべきじゃなかった?」
パーティ中の描写などからも、どうしたって二人はうまくいかなかったろうなと思いつつ、ジュリエットを想い続けたマークに救いがなさすぎるし、映画の中で、彼はそんなに悪い奴じゃない。(よね?)
ドーシー役のミキール・ハースマンも素晴らしい演技を見せてくれた。
内に抱える純真な気持ちをなかなか表に出せない不器用な男を演じるのが非常にうまい。理性的な自分と感情的な自分とがせめぎ合う、表情であったり所作であったり。彼が演じるキャラクターの感情の中へ、たとえセリフが無くても、あっという間に没入してしまう。
物語自体は、いわゆる"許されざる恋"の王道で、
まず、なにがしかの共通点がある男女が出会い、惹かれ合う。
→だがその間には許されざる障害が。
→助言や手助けをしてくれる存在と共に主人公が精神的に成長
→障害を少しづつ取り除いて愛が身を結ぶ。
ポスターの謳い文句は『人生を輝かせる至高のミステリー』だったが、ラブロマンスを観に行くと思って臨んだ方がギャップは少ないのかな、と感じた。
最後に小説を原作とする映画についても少しだけ。
いわゆる「話し言葉」と「書き言葉」の違いから、セリフが妙に説明的だったり、言い回しに少し違和感があったりということが多々あるのだが、主題に文通という要素がある今作では、そこをうまく誤魔化していたなという印象を受けた。
けれど、それをするあまりキャラクターの感情が、よく言えば分かりやすく。悪く言えば単調に見えるシーンも多かった。
エリザベスの事を語る時、どのキャラも割と淡々とした口調で、朗読会の時の口調とさして変わらないように見えたのが一番そう感じた部分だ。
逆に小説原作だからこそ輝いたやりとりもある。
エリザベス、ドーシー、ドイツの兵隊(名前忘れた)が初めて3人揃って出会った時。
「安心して。彼は友達よ」
と、どっちに言ったのか。エリザベスはそう言った。
というようなシーンだ。
このたった一幕で3人の微妙な関係性を素晴らしく表現していたし、ストーリーテラーとしては、あのシーンのエリザベスの第一声はかなり気を遣うはずで、それを完璧にこなせたのは文章のプロたる小説家が作った台詞が故ではないのかな、と、思い返す。
映像も、人物も、言葉も
総じて美しいと感じる、デート向きというか、人を不幸にしない映画だった。
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