世界の涯ての鼓動のレビュー・感想・評価
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時間、意識、孤独、信じる事
この設定があり得るかなんてどうでもいい。
私たちは実は毎日ありえないような人と出会っている。
数日のバカンスで深く知り合えた人と、ひと月連絡が取れなかったら不安と孤独に苛まされる。しかし、彼女は何とか自分の仕事を続けている。
彼は孤独の中で闘い続ける。彼女を思いながら。
二人の思いが繋がっている。それを映像が淡々と見せてくれる。
個人的に苦手で
ヴェンダース監督作だと事前にチェックしていたら、観に行かなかったのに。
微妙で不思議な話。
バカンスの5日間で、燃えるような恋に落ちた、女性生物学者と、MI6のスパイ。
休暇が終われば、それぞれ仕事のあるグリーンランドの深海と、ソマリアのイスラム過激派たちの拠点潜入へ。
離れ離れになったことが身を切るようなつらさな女性と、ジハード戦士に捕まって死にかけるが彼女にもう一度会うことをモチベーションに生きようとあがく男。
会いたいという気持ちを表現するために、ここまで極端な設定を持ってくるかなー
と、ファンタジー色の濃さで、イマイチのめり込めず。
また、ひたすらイチャイチャとベッドシーンが続く前半は、眠気を抑えるのが大変でした。
自分的には、ヒロインのアリシアのボディラインを眺めるだけの作品になってしまった。
ハッピーエンドですよね。
存在感のあるふたりだから観れたけど、これはちょっとわからない。
出逢いはお手軽、ふたりは大人で、でもお互いが驚くほど引かれあってしまう感じは物凄く伝わり、離れがたく、再会を糧に危機を乗り越える。
社会派ミステリーにしては、もの足りず、LOVEストーリーとしても中途半端な感じ。
お互いへの思いで強くなれてる、愛は強し?
ってことで。
無関係に見える人のつながり。知的で深い思想が横たわる
カンヌ国際映画祭のパルム・ドール受賞「パリ、テキサス」(1984)や、監督賞受賞「ベルリン・天使の詩」(1987)のヴィム・ベンダース監督(73歳)の新作。ベンダース監督といえば、音楽ドキュメンタリー映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(1999)などもある巨匠である。
迎える主演は、アリシア・ヴィキャンデルと、ジェームズ・マカボイという大スター。
フランスのノルマンディーの海辺のホテルでジェームズとダニーは、運命的な出会いを果たす。
ジェームズは英国MI6の諜報員(スパイ)。ダニーは潜水艇で深海に潜り、生命の起源を解明する生物数学者。わずか5日間だったが、2人はたちまち大恋愛に落ちる。
一見、接点の無さそうな2人の運命的な出会いだったが、すぐにそれぞれの責務を果たすために離れていく。
生物数学者のダニーはグリーンランドに向かい、深海調査の最中、潜水艇が操縦不能になる。またジェームズはソマリアに潜入し、爆弾テロを阻止するための任務中に、ジハード戦士に捕らわれてしまう。
2人は極限状態の中で、生命の危機に直面するが、遠く離れてそれぞれに想いを馳せる・・・。
原作はJ・M・レッドガードの小説。タイトルは、"Submergence=潜水、冠水、沈没"。大恋愛に"沈没"していくことや、スパイとしての"潜入"、はたまたストレートに潜水艇のことと掛けている。
この作品には、知的で深い思想が横たわっている。
生まれた国や成育環境、宗教に翻弄される人間。同じ人間なのに使命が異なって見えることもある。関係ないように見える人々が、それぞれ接点を得ることで、大きく変わることもあると示す。それは恋愛であったり、互いの主張や立場の理解であったりする。
それを象徴する2人の会話がある。
イスラム社会と欧米社会の相容れない歴史的な関係性を解き放つのは困難なことと考えるダニーに対して、それは深海の生命の謎に興味や理解を示さない多くの人々に理解を求めるのと、何ら変わらないと、ジェームズは話す。諜報員としての使命を持つ者の思考である。
本作は単純なラブストーリーでもなく、事故・事件のパニック映画でもない。映像化するには深すぎるテーマで、なかなか伝わりにくいことに、あえてヴィム・ベンダース監督は果敢に挑戦している。それを美男美女の2人が高い演技力で支えている。
ちょっと難しすぎるかも。
さて、本作はアリシア・ヴィキャンデルの可憐な美しさを拝むことができるのはもちろんだが、共演がジェームズ・マカボイというところが面白い。
アリシアの実生活のダンナは、マイケル・ファスベンダー。「X-men」的に見ると、エリック(マグニートー)と、プロフェッサーX(チャールズ)の二股。さすがアリシアの魅力が為せる業・・・なんてね。
(2019/8/2/TOHOシネマズシャンテ/ビスタ/字幕:松浦美奈)
謎だらけでちっとも面白くなかったけれど
謎多き男女が情熱的に愛し合うということ以外、謎だらけな作品で、個人的な率直な感想としては全く面白くないというものだったけれど、なぜか最後に感動させられた。絵と音楽の絡み合いが素晴らしくて、くそつまんねと思いながらみつつも、ああいい、と感情をふるわせてしまった。
閉鎖空間の中、大画面で、質の高いものを存分に堪能できる映画らしい映画だった、全然面白くないけど…。
最初と最後、そしてロケーションとフィックスは最高です。音楽もいいから気持ちよくなって寝ないように。
旅先での恋の先
MI-6の諜報員である男は爆弾テロ阻止の任務でソマリアに赴く前に、生物数学者の女は種の起源の調査でグリーンランドの深海3400mへの潜航前に、それぞれ一人で訪れたノルマンディー・ディエップのホテルで知り合い恋仲になり、その後各々仕事に戻り会えない&連絡がつかない情況下で互いに想う話。
回想的な意味合いもあるのか時系列を弄って展開して行くが終盤に差し掛かるまで女は連絡がつかないの一辺倒。
男側は終盤以外は殆ど彼女のことを匂わすところなし…まあそれどころじゃないけど。
しかも最初はかなりキツい情況だったのに、途中から何があった訳でもないのに何だかやけに使われ方が緩くなっていくし。
タラタラと同じ様なことを繰り返し、やっとこそれぞれにその時がきたら、えっ?それだけ?
まあスリルやサスペンスをみせたい訳ではないのはわかるけど、恋愛映画としても特に盛り上がることもないし、自分にはハマらなかった。
監督から丸投げされますが、きっと大丈夫!
冒頭の美術館のシーン、いくつか絵画が出てきますが、『海辺の僧侶』という作品について、ネットなどで一般的な解釈を仕入れて置くとこの映画についての考察に役立ちそうです(公開初日のトークショーを聞いてそう思いました)。
また、この監督の過去作品をご存知のかたには、オマージュ的な楽しみもあるようです(私は過去作品見たことないので見当もつきませんでしたが)。
つまり、真っさらな状態で観るとなかなかに厄介な作品。
逆にいえば、テーマらしきものはそれなりに提示されているので、もっともらしい解釈はそれなりにいえてしまえる作品でもあります。
世界の涯てとしか思えない場所での孤独な闘い、ジハード戦士、深い闇のさらに奥底に宿る生命起源、等々、何かを語るためのキーワードは盛りだくさん。
解釈はともかく、この映画の最大のみどころはやはり映像なのだと思います。
アフリカ大陸東海岸の砂浜や空の広がりの美しさ。そして何よりも、アリシア・〝ララ・クロフト〟・ヴィキャンデルの天使感溢れる知性、強さと脆さが同居する繊細な美しさ。
これだけでも映画館で2時間過ごす価値は充分にあると思います。
ラストなんかも『解釈は君たちに任せるから自由に考えてみてよ』という感じで、まんまと監督から丸投げされた形ですが、不思議と消化不良感とか不満はまったくありません。
自分が納得できるイメージを誰もが持てるような〝汎用性〟のある終わり方になってます。
繋ぎとめるもの
※ トークイベントで、映画のプロローグの美術館の場面で、カスパー・フリードリヒの「海辺の僧侶」という絵画が背景として使われ、作中の映像を想起させるものになっていると説明がありました。出来れば、気をつけて観てみて下さい。僕は後でネットで確認して、なるほどと。ヴェンダースは、やっぱり良いです。
以下ネタバレを含みますので、ご了解下さい。
映画を通して、言葉で表すのが難しい、何か息苦しさのようなものを感じる。
そう、映画のオリジナルタイトルにもあるように、水の中にいて、少し圧迫感があるような感じだろうか。
そして、この感覚は、次第に水の奥底に沈み、息の出来ない、死を感じさせる状況に変化して行く。
出会うはずのなかった2人が出会い、そして、それまで研究や任務が全てにおいて優先すると考えていたのに、お互いは惹かれ合い、求め、側にいなくても常に頭から離れない、そう、水の中で身動きが取れない、息苦しさにも似た感覚を覚え始める。
しかし、これは生への渇望に繋り、ダニーは深海の奥底ハデスから脱出し、ジェームズも生還への決意を新たにする。
ダニーはジェームズに出会い、深く想い、そして、深海の奥底で生命の起源に触れ、生を実感する。
ジェームズはアルカイダに命を奪われた多くの罪のない人々を想いながら、ひとりの大切な人、ダニーに再会するために、自身の生の意味に気付いて行く。
北の曇天のフェロー諸島でも芽吹く生命と南のソマリアで死と隣り合わせの人々。
こうしたコントラストは物語に深みを持たせてるように思う。
エンディングの最後のカットは、2人がどうなったのか、観た人に判断を委ねてるように感じるのは僕だけではないはずだ。
ヴェンダースの映像は暖かい。美しいとか視覚的な言葉ではなく、肌て感じるような表現をしたくなる。
選んだ愛の物語も、切なくも愛おしい。
人によって色々な想いが交錯するのではないかと思う。
静かに、そして息を深く吸いながら、胸が少し押し潰されそうな感覚を楽しんで欲しい作品だ。
※ マカヴォイも良いですよ。
#57 人はみんな海に帰る
これサスペンスじゃないよね。
生と死の間で生きる男女の恋物語だと思う。
愛する人がいればそれを希望に生き長らえるみたいな。
結局ソマリアは今どうなっているのだろう?
タイトルなし
2人はノルマンディーの海辺で出会い
恋におちた
言葉も音楽もいらない
表情が全てを物語っている
『2人の表情はヴェンダースだから撮れた』
トークイベントで映画評論家の樋口泰人さんがそう仰っていました
.
世界の果てと涯てに引き裂かれた
狂おしくも切ない…ロマンス
.
「果て」と「涯て(はて)」
この漢字が意味するところは何だろう🤔
グリーンランドの深海とソマリアでの監禁
物理的にも遠い地
極端な状況下
隔離されされた空間
「涯」は崖と水との接点「水際」を意味
「果て」との違いは…水…
アリシア演じるダニーは海洋生物数学者
知的な2人の会話・海・水滴…
この映画には水が溢れていて…深い
.
ヴィム・ヴェンダース監督作品は未鑑賞
監督について教えてくださったので
カンヌで受賞作品
「パリ、テキサス」「ベルリン 天使の詩」
音楽ドキュメンタリーの
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」
観てみようと思います😉
興味が広がります
水に溺れて、水を欲する、2人の恋。
なかなか深い映画でした。
原題は『水没』という意味らしい…。
なるほど、惹かれあった男女2人が、命の危険を冒しつつ水の底に沈んでいく様子が印象的。
独身を貫いていた2人が、旅先で運命的な出会いをし、一生忘れられない恋をするという始まり…。
このまま一生を添い遂げたいと思う2人だけど…。
お互い命を懸けた仕事が目の前に待っているから、これ以上は一緒にいられないところが辛い…。
たった5日間だけの大恋愛を終えて、泣く泣くそれぞれが仕事に向かう。
1人は深海の世界へ。
1人はソマリアの戦地へ。
状況は違っても、互いに命の危険を感じつつお互いを想っている。
深海の世界に沈む彼女は、このまま海の底に沈みっぱなしの運命が待ち受けているかもしれない。
対するソマリアの男は、十字軍に捕まり、いつ殺されるかわからない過酷な状況の中、彼女を思い出している。
カラカラに乾いた砂漠と、壮大な海に囲まれたソマリアで、恐怖に怯える人々に幸福をもたらすのは、自由に使える水だと悟った彼。
対する彼女は、海底の底から生まれる火山の噴出から、生命の誕生と死を壮大な海の底で感じている。
遠く離れた地で、互いが命の源に水の存在を感じているこの情景が、不思議な気持ちをもたらしている…。
きっと、人間の体の80%は水出てきているからこそ、水に生命力的なものを感じるのかもしれない。
人は水とともに生き、水とともに死ぬという、水はなくてはならない存在であり続ける。
運命的に出会った2人が水を通じて、互いを想いながら命そのものを感じている、そんな雰囲気が静かに流れ出ているような映画でした。
この結末がどうなるのか…。
観た人によって感じ方や考え方が分かれそうですが…。
私は、せっかく運命的に出会えた2人なのだから、結ばれてほしいと願わずには入られません。
2人の運命は神のみぞ知る、なかなか独創的な映画を堪能しました。
なに~ッ‼!わけわからん?#▼.。o○
個人的には、どうでもいいことだが、彼らのことをイギリス人と普通に呼んでいるのだが、差別主義の彼らからすると、そんなことを言われると鼻持ならない自尊心に触れるかもしれないのだが?
-You're English ?
-British. Scottish British.
Dani, Dani Flinders.
James More.
先日、村上龍原作の映画、「ピアッシング」を見たが、実際に見たが、一体全体何を言いたいのかわからない映画でシナリオの始めから終わりまで、蒙昧なものにとって、見当もつかない作品であった。そしたら評価するな!と言われそうだが.......!この映画も何が言いたいのか皆目見当がつかない代物と個人的にはなってしまっている。
主演のジェームズ・マカボイは、かなりの減量をして、この映画に臨んだようだが、amazon.comのレビューの評価や評論家からのあからさまな不支持なんかを見ると、この映画を分からない自分がいても当然として視聴者の方たちの意見によって、昇華することが出来る。彼は、この秋「イッツ・チャプター2」に出演されるので、スティーブン・キングの作品をどのように演じているのかが、興味がわくものとなる。
今、amazon.comでは、「スター・トレック」のリマスター版を放送しているが、ウイリアム・シャトナーの顔のドーランが濃い過ぎて笑ってしまう。
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