「おニューになったボクとまた遊ぼうよ…!」チャイルド・プレイ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
おニューになったボクとまた遊ぼうよ…!
最近はアナベルが売られ人気だが、元祖恐怖人形と言ったら、
チャッキー人形!
そのチャッキーくんが、装いも新たに復活(リブート)!
旧シリーズは全7作。全部は見ておらず、見てたのは3作目くらいまで。勿論シリーズが続いていたのは知ってたが、そこまで見たいとは思わず…。
子供の頃見てた時は、ストレートに怖かった。
殺人鬼の魂が人形に乗り移り、主人公たちを執念深く襲う。
怖がりつつも、何度もよく見ていた。特に、『2』の工場でのクライマックスは色んな意味でインパクトあった。
さてさて今回、殺人人形が人間を襲うという基本ベースは踏襲しつつも、チャッキーの設定は一新。
旧シリーズでは先にも述べた通り凶悪殺人鬼の魂が乗り移るオカルト的な設定だったが、おニューのチャッキー人形は、AIなどを搭載したハイテク人形!
自分で動き、自分で喋れる! ドラえもんもびっくり!
時代に合わせ、チャッキーもアップグレード!?
実はこれ、第1作目の初期プロットだったという。
文字通りの原点回帰。
とは言え、チャッキーはチャッキー。
お馴染みナイフで人をめった刺しにする殺し方は、やっぱりチャッキー!
でも、全く同じじゃあせっかくおニューになったのに、面白くない。
今回AI搭載ハイテク人形故、クライマックス、他のハイテク機器を操って襲撃。
まるで、フ○ース…!?
オリジナルが公開された頃はスプラッター・ホラーが人気であったが、今回は昨今のブームのホラー作風を反映。
グロさをちりばめつつ、スリリングさと不気味さとブラック・ユーモア。ここら辺、『IT/イット』の製作陣らしい。
一番ウケたのは、名前を付けるシーン。そりゃああの名前は嫌だよねぇ(笑)
チャッキーの声は、話題のあのジェダイ・マスター。吹替も島田敏氏なのが心憎いキャスティング。
可愛い見た目の人形が…と言うが、今回のチャッキー人形、最初の見た目からちょっと不気味なのはご愛敬。
でも、暴走する前の言動は確かに…。
ホラーはドラマ部分がオマケ程度だが、そのドラマ部分も悪くなかった。
シングルマザーの母親と引っ越して来たばかりの少年アンディ。耳に障害を持ち、友達は一人もおらず、孤独。何より、母親の恋人が大嫌い。
そんな時、母親からプレゼントされたのが、チャッキー人形。
しかしこのチャッキー人形、欠陥商品であったが(その経緯はOPにて)、孤独な少年と欠陥人形は親友となっていく…。
このジュブナイル的な友情物語はオリジナルには無かったアプローチ。
チャッキーがきっかけとなり、友達も出来たアンディ。かけがえのない存在となっていく…が、物への依存を風刺。
チャッキーはただただ、アンディの為に。抑圧プログラムされておらず、次第にエスカレート。ハイテクの危険性。
そして遂に、愛憎とでも言うべき惨劇が始まる…。
今回のチャッキーはそもそも殺人鬼の狂気ではなく、親友を思い過ぎる故の暴走。
かつてのチャッキーより不思議と感情移入させられる箇所もあり、“バディの歌”が切なく哀れでもある。
しかしやはり、こんな恐ろしい人形の一方的な執着に狙われたら…。
そんな時助けてくれるのは、言うまでもない。
友情、家族愛。
別におもちゃやハイテクを否定する訳ではないが、やっぱり人の温もり。
さてさて、如何にも続きがあるようなラスト。
続編作られるかどうかまだ分からないが、でもチャッキーの執念深さ、しつこさ、不死身さは、数々のホラー・キャラクターの中でも随一!
それに、おニューのチャッキーの暴れっぷりをまた見たいし♪