チャイルド・プレイ : 映画評論・批評

チャイルド・プレイ

劇場公開日 2019年7月19日
2019年7月9日更新 2019年7月19日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにてロードショー

秀逸な現代アレンジに少年との友情も。ジュブナイルホラーの秀作が誕生

※編集部注:以下、結末には触れていませんがややネタバレがあります

現代的にアレンジしている、とだけ事前に聞いていたのだが「こうきたか!」と唸らされた。AIに魂は宿るのかというSF的問いかけと、テクノロジーに依存した現代人の弱点をかけ合わせた恐怖を作りだした上に、孤独な少年と殺人人形の切ない友情まで描いており、ジュブナイルものとしても秀逸だ。

AI搭載人形である今回のチャッキー(製品名はバディ)は、学習機能ホームネットワーク制御の機能を搭載し、所有者の行動を解析して最適解を提供してくれる。まるで自分のことを心から理解してくれる理想的な友人のようだ。主人公はシングルマザーに育てられ、母の恋人に邪険にされている。チャッキーはこの孤独な少年の一番の理解者となってゆく。機械と人間の友情という、SFでは定番かつ使い古された設定も、ホラー映画で観ると新鮮だ。

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チャッキーは友情ゆえに、少年から殺意も学んでしまい、殺害の手法はホラー映画から学習する。本作もまたホラー映画であることを考えると皮肉が効いているなと思うが、高度に発達したAIが人間の脳と変わらないのなら、少年少女への悪影響を考慮して設けられた映画のレーティングはAIに対しても適用すべきかも? などと考えてしまう。しかも、今回のチャッキーは、お馴染みのナイフや包丁だけでなく、ホームネットワーク制御機能を活かした多彩な殺害方法を見せてくれる。そのどれもが、我々の生活で身近になりつつあるものばかりなのだ。テクノロジーの発達によって日々の生活の利便性は飛躍的に向上したが、その便利さによりかかりすぎている現代人にとって、リアルな恐怖が満載である。

暴走するチャッキーを少年は止めなくてはならない。しかし、一度は親友となった間柄、友情と正義の板挟みに少年は苦悩する。そんな切ない葛藤も本作は内包する。

怖い、可笑しい、そして切ない。今度の「チャイルド・プレイ」は多方向に感情を揺さぶる秀作だ。

杉本穂高

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