「14歳のジョーの視点、家族というものを考えさせられる。」ワイルドライフ アルさんの映画レビュー(感想・評価)
14歳のジョーの視点、家族というものを考えさせられる。
母ジャネットも、父ジェリーも、息子であるジョーに全てを語らない。その親としての表情、苛立ち、葛藤、男のプライド、女の性(さが)をジェイク・ギレンホールとキャリー・マリガンが素晴らしい演技で魅せてくれる。
物静かなジョー演じるエド・オクセンボールドがほぼ主演。少ない台詞の中、不思議な佇まいで思春期の少年を好演。絶妙な配役。両親の気持ちや立場を理解しながら、自らの気持ちを優しく伝えていく。何て良い子だ(涙)。
ジェリーの説明の無い選択も疑問だらけ、ジャネットの母としての行動も理解出来ず。だが、これは全てジョーの視点での話で、各々にその行動の理由と原因があるのだが、語らない。そこには親子の信頼があるからこそ、今まで注いできた愛情があるからこそで、その信頼関係に甘えている親の姿というのも自分に当てはめて考えさせられる。
独特なカメラワーク、心地良い間、何処か胸に染み入る演出。キャリー・マリガンの寂しげな笑顔、ジェイク・ギレンホールの思い詰めた表情、修復しきれない夫婦関係。色々な結末があり得る中で、ハッピーエンドを期待していただけに、選ばれてしまった結末が寂しい。だが、不思議と''ストン''と胸の中に落ちるラスト。万人受けはしないが、心に残る良作。
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