The Crossing ザ・クロッシング Part IIのレビュー・感想・評価
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戦争中は命令に従い、戦後は運命に従う・・・
台湾での興行成績は良かったものの、中国では酷評され振るわなかった。それもそのはず、完全に台湾=国民党軍の視点で描いた作品だからだ。お国事情はともかく、戦争は悲劇しかもたらさないことがしっかりテーマとなっていて、みんな恋愛が引き裂かれていく。
2作目の前半はほとんど1作目の繰り返しになるのですが、かなり細かなところまで描写し、実はこんな裏話があったんだよ的に3組の男女が絡んでいくストーリーとなっている。司令官である夫の帰りを待つユンフェンは、金城武演ずるイェン・ザークンの診療所家族と親しくなり、妊娠中の体を気遣ってくれる。イェン家は父親が共産党員だと疑いをかけられ銃殺、兄も捕まり、弟も学生運動に参加しようとしているが、ザークンだけは日本軍に徴兵され軍医として働いていた。それでも家族から政治犯が出たとして毎月憲兵に出頭しなければならない現実。
娼婦にまでなったユィ・チェンは太平輪に乗船するため、ある男に身体を売るが、とんでもない奴だった・・・それがユンフェンの従兄。騙されたと怒り、ボコボコに殴るのチェン。しかし、運命のいたずらか、乗船すると2段ベッドの上下だという皮肉。そしてチェンは下宿屋の奥さんと再会し、なんと負傷兵の中に偽装夫婦だった通信兵トン・ターチンとも再会。そんな積載量オーバーの太平輪も悲しい運命が待っていた・・・
3組の男女にチェンが追いかけていたヤンもいるのですが、こちらも悲劇。彼を捜すために金を貯めていたのに、あろうことがすれ違い。戦争を背景に運命のいたずらは残酷なまでに彼らを襲う。群像劇らしく、タイトルのクロッシングの名の通り複雑に絡み合う運命。イェン家の中だけでも共産党狩りの被害で疲弊していたけど、母親が雅子の手紙を燃やしていたとか、悲劇はザークン一人に降りかかっていたのだ。そんな母親をも赦す心の広さと優しさを兼ね備えた好青年の金城武がカッコよく見えてしょうがない。さらに、チャン・ツィイーの不幸さもずしんとくるのに、なぜか全体的には涙を誘わない。1作目のインパクトが強烈すぎたのか、たった一組の幸せだけじゃ物足りないのかもしれません・・・
PartⅠの隙間を埋める
台湾人(金城武)は共産党に入った弟を追い、上海に行く。
疎開中の上海人の女性(ソン・ヘギョ)は夫の行動が疑われる。
従軍看護婦(チャン・ツィイー)は偽の夫と出会う。
構成が隙間を埋める感じで、スリリングさがないのは残念。
ウー版『タイタニック』…?
ジョン・ウーの2部作大河ロマン巨編の後編。
おそらく、本当に描きたかったのはこちらだろう。
お陰で前編は、他愛ないメロドラマをダラダラ延々と見せられた訳だが…。
激動の戦乱の中、愛を貫く3組の男女。
やがて各々の運命に導かれるように、大型客船に乗船。
彼らを待ち受けていたのは…。
1949年に起き、1000人以上の死者を出した、“中国のタイタニック”と言われる“太平輪沈没事故”。
(恥ずかしながら、本作で初めて知った…)
本作は平凡な大河メロドラマではなく、ウーはこの悲劇を題材にした中国版『タイタニック』を作りたかったのだ…!(多分)
前編は迫力の戦場シーンのみ見応えあったが、後編もこの沈没シーンこそ不謹慎ではあるが最大のハイライト。
原因である小型船との衝突、傾き海に放り出される乗客たち、そしてあっという間の沈没…。
パニック映画の醍醐味は充分。
でもそれら以上に描かれるのは、人々のエゴ。
元々定員オーバー、積載量オーバーで出港しただけに、惨事は予想以上。
衝突したのに問題ナシと航行を続けようとする船長ら乗組員たち、沈没した小型船の乗組員たちの事はお構いナシ…。
沈没し海に放り出されてからの醜い人間模様…。
これらの地獄絵図だけは本家の『タイタニック』以上と言っていい。
そんな中で描かれる、各々の愛の物語。
2部作からの重みで、悲劇的でありながら美しい愛の物語…と言いたい所だが、平凡でチープな印象なのは、前編からさほど変わってはいない。
特に、前編のエピソードを再度繰り返す序盤は、ある意味これも地獄の堪え忍び…??
まあ確かに前編よりかは後編の方が悪くはなかったとは言え、前後編通して一本の作品として見たとしても…。
あまり言いたくはないが、『マンハント』のレビューで言っちゃってはいるが…、
これがあの『男たちの挽歌』『フェイス/オフ』『レッドクリフ』を撮った名匠の作品か…。
『レッドクリフ』以降の作品の中ではマシな方かもしれないが、その間本作含め3本しか撮っておらず、どんぐりの背比べと言うか、凡作/駄作のマシ争い…。
沈む船に不運にも乗り合わせてしまったウーが、救いの傑作を撮る日はもう…? それともいずれ必ず…?
後編はタイタニック❗
星🌟🌟🌟🌟後編どうなるのか楽しみにしてました❗が…まさかタイタニックのような展開になるとは思いませんでした❗正直粗を探せばたくさんあると思いますが金城武やチャン・ツィイーの上手い演技で退屈することなく観れました❗後編は最初金城武の場面が多かったので金城武メインなのかなと思いきや中盤からチャン・ツィイーになりラストは意外に韓国女優のソンへギヨがメインで群像劇と言えど普通は主軸の俳優はいるのにこの作品はメインの俳優がいないちょっと変わった作品でした❗でも私個人は楽しめたので良かったのですが…❗あと金城武がラスト全然話題にされなくてちょっと可哀相でした❗タイタニックのレオナルド・ディカプリオばりに頑張ったのに…ちょっと残念です❗
きつい言い方! 終わった!
まず、言いたいことは、このPARTⅡのほうがPARTⅠよりは、個人的には、受け入れやすかったことを言っておきたい。
この映画は、金城武がメインキャラクターとして存在感があり、彼の人に対する純粋さが、ただの“タイタニック”映画としては、終わらないものにしている。彼のファンなら、ある意味安心して、見ることをお勧めするし、損はしないものと言える。ただし、彼の日本語のセリフが、台湾人青年がしゃべるようにわざと作っているのか知れないが、不自然さが否めない。
このシナリオは、男女3組の恋愛模様を、当時の国共戦争の混乱期を舞台に彼らの行く末を見守るもので、ベースには、中国のタイタニック事故と呼ばれる“太平輪沈没事故”が取り上げられ、ラストの大団円に導いている。
チャン・ツィイーという役者さんは、有名な方らしいのだが、自分では、恥ずかしいのだが、韓国の女優さんのソン・ヘギョさんと混同していた自分がいた。すみません・・・・ミズ.チャン・ツィイー。
個人的には、蒙昧で思慮の狭い者にとっては、ひとつどうしても許せないし、映画を台無しにしていて、セリフが口パクのように感じるのだが?2017年「マンハント」でも一部の日本人役者に使っているのだが...。そう自分の娘Angeles Wooをこの映画のキーパーソンとして使っている。「マンハント」の時は、誰だか知らなかったが、暗殺者の一人で動きが鈍いデブが何故使われているのか、違和感丸出しにさせてくれた人がまた登場するとは、しかも最後の最後で彼女の大写しの顔が出てきて、エンドロールが流れる。こんなのありか...!?この監督にはクリント・イーストウッドと同じ公私混同という言葉は、存在しないようだ。
配給会社のツイン、ほかの配給会社の轍を踏むつもりでいる。2部作の映画を期間をあけずに公開すると必ず、"Box-office bomb"未来が待っていることを知らないのか、それとも相当映画を安く買い叩いたのか?
余談として、最近のドキュメンタリー番組でタイタニック事故の原因が積まれていた石炭に火が引火してすでに燃料庫が一週間前から燃えていて、機関員が必死に消そうとしたにもかかわらず、船主からの命令で出港し、しかも石炭ストライキで石炭が高騰し、アメリカに着くか着かないかわからないほどの燃料のため、タイタニック号は全速力を余儀なくされ、前方には、氷山があると分かっていたのに燃料隔壁がボロボロの状態で、自滅的航路を選んでいる。
ここで新年を祝っているシーンが出てきていたが、実際は1月27日に事故は、発生している。それに中国の新年は、2月のはずだが?
丸顔の長澤まさみが使われるのは、中国向けということか.......?
それにしても着物の似合わない、かつら?
これも余談だが、子供の悲惨なところも演出している監督、昔、何故、子供や婦人を先に船から降ろすのか?と、それは人道的にみて弱者と思われる人々を先に逃がす、大条件があるとお思いの方がいるかもしれないが、それもあるが、実のところ彼らが婦人や子供たちが起こすとされる船内パニックを防ぐためにもすることで、先日韓国船の沈没事故の際も誤認を引き起こすアナウンスが流されている。
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