「プリズマイリヤとは何なのか、とても考えさせられる映画でした…!」Fate/kaleid liner Prisma☆Illya プリズマ☆ファンタズム 水没王子さんの映画レビュー(感想・評価)
プリズマイリヤとは何なのか、とても考えさせられる映画でした…!
前情報を一切入れず、他のレビューも見ずに観てきたのですがこれはすごい。
よく日本全国の映画館で放映しましたね、というレベルの作品でした…!
TYPE-MOONファンの方なら観ているであろうカーニバルファンタズムをオマージュし、プリズマイリヤならどうなるかを表現されている。
「もしルビーがイリヤ宅へ行かず、ほかの穂群原学園小学部の家に行ったらどうなるか」や
「もしエインズワースの人たちが性別逆だったら」など
寸劇を一区切りずつに分け、山もオチも意味も根こそぎ明後日へ吹き飛ばし、イリヤさえも吹き飛ばし、
放映終了まで
「俺たちはいったい何を見ていたんだ?…そうだ、かわいいイリヤの映画を見に来ていたはず…!」
と放心状態にさせてくれる当たり、脳への奇怪なダメージがすごかったです!
作画も開始早々桜のあごが若干溶けてたり、移動速度とモージョンのずれるムーンウォークを見せられたりと、Fate仕込みの恐ろしいシーンがちらほら…
でも途中、デフォルメの目で「ここ塗ってね」と言わんばかりの枠線があったりと茶目っ気も忘れられてはいませんでした。
悲しかったのはイリヤや美遊、クロが出演したのは映画終盤のみ、ということでしょうか…
ただ、登場した際のシーンはクラスカードサーバント勢ぞろいで何とも「お祭り」感がありましたね!
なんと前の映画「雪下の誓い」で登場していた士郎も本気の遊びに登場し、アンジェリカとイガリマでの交戦は息を呑むものでした。
最後にはすべての登場キャラクターが全くすべてを無視して祭りをしているシーンを見れば「ああ、やっと終わるんだな。」
という気持ちにさせるあたり、視聴者の思考誘導もバッチリだったのではないでしょうか?
残念な点を少し挙げるならば…
終始下品で滑りっぱなしの(確か作品的には名前がないはずの)桜の兄を延々見せられたり、
小学部メンバーのifシーンを2人で終わらせたり、
全く捻りのないマーボーラーメンネタを5回も天丼したり、
ゴレンジャイネタをオマージュしながらギャグにもかわいいにも振りきらない中途半端をやらかしたり、
缶蹴りショートコントでさえほとんど動かず、マジカル姉妹の実況だけだったり、と
全編通して面白かったところが「アニメFate/Zeroのアゾット剣ネタ」“の顔芸部分”のみだったり、
ストーリー骨子がしっかりして、魅せるシーンがちゃんとあり、演技はズタボロでもテーマが定まっている「実写版デビルマン」の方が間違いなく面白かったと言えることでしょうか…。
ここまで記憶に残る映画作品は早々ないのではないでしょうか?
TYPE-MOONファンとして、どう受け止めるか試され、考えさせられる作品だったと思います…!