「ニュートラルな視点で描かれるものではない。」主戦場 でゑさんの映画レビュー(感想・評価)
ニュートラルな視点で描かれるものではない。
自分は特に嫌韓で偏った見方をするものではないリベラルな保守なので
行く前にどのような映画であってもニュートラルな姿勢を貫こうと決めて見たけど
結局それが覆る事は無かった。
まず初めに日本の保守論陣に対して
歴史修正主義者と決めつけ呼びかけられる。
もうその段階で最初からこの映画は偏った歴史観で描かれたものである事が分かる。
以後従軍慰安婦の歴史検証が行われるのだが
検証の流れとして…
性奴隷は存在した→証拠が見つかっていない。
→生き証人が沢山いる→証言がコロコロ変わるので信頼性が無い→おばあさん達の証言を嘘だと言うのか!
という流れに貫かれている。
いやそれでは証拠にならないんだよと言っても聞かなさそうである。
とにかく性奴隷は有ったんだ!の一点張りな訳である。
あとはネタバレになるから言わないが
殆どが言い尽くされた感のある話ばかり。
もう一つ酷いのが此方の論拠の反論として
筋違いの論点や話のすり替えで説明される。
たとえば慰安婦の話なのに安倍政権の批判になっていたり
日本の再軍備に対して反対の立場をとったりする。
それ全然慰安婦問題とは関係無い話じゃんと言っても
伝わらないので此方は苦笑するばかり。
始終こんな調子(^^;;
あと仕方ないと言えば仕方ないのだが
日本の保守論陣の撮影の仕方もわざと悪人顔に撮れるように印象操作が酷かった。
特に櫻井よしこ女史は保守論陣の中でも
わりと韓国側に理解がある方だと思うけど
ふんわりとした上品な美しさを持つ人が
まるで老婆のような撮り方をされている。
いや確かにそれなりのお年なので仕方ない面はあるにしても
印象操作をするためにあの様な撮影の仕方は無いと思う。
はっきり彼女が気の毒である。
何か新しい論点が出てきてそれに説得力がありさえすれば
自分は日本の保守論陣が展開する論拠を捨てる事も出来た。
ところが出てくる話題は全て手垢がついたものばかりで
尚且つ全て日本の保守論陣から切り崩されたものばかり。
これでは信じろと言われても信じられないばかりか
かえって何故この映画が作られたのか?という疑問しか出てこない。
ただこの映画で思ったのは韓国の慰安婦問題を取り上げる人々は殆どが女性であって
女性の人権を声高に主張する人々で
慰安婦問題と言うのは結局韓国のウーマンリブ運動と
かなり連携していると言う事実を確認できた。
だとしたら結構厄介で
「日本は今だに女性の人権を弾圧する性産業がある」と言う話になるので
いくら日本が仮に何度も謝罪してもこの問題自体が無くならない事を意味している。
またそれは生理的な嫌悪感に根ざしていると考えられるので
恐らくこれはエンドレスに燻る問題であり続ける事を意味する。
本当に厄介であると思う。
はっきり言うが所謂ネトウヨ傾向のある人物は見ない方がよい。
見るだけストレスになるしまた新しい話題が提供される事も無い。
わりとリベラル傾向の強い自分でさえ強いストレスを感じた。
オススメしない。