「愛と優しさと音楽に溢れた世界」ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた しずるさんの映画レビュー(感想・評価)
愛と優しさと音楽に溢れた世界
夢、現実、人生、愛、友情、恋愛、親子、家族。
それら全てに、いつも音楽が寄り添っている。
経済状況、進路、恋愛、親の老化。ごく普通の人生に、誰もが感じている不安や生き辛さが影を落としている。
けれども、それらは重く深刻には描かれない。登場人物は皆、優しく愛情に満ちている。
おとぎ話のような大魔法は起こらないけれど、手に余らない程の幸せと、少しの夢を糧にして、人々は現実を生きていく。
甘くも苦くもなりすぎないバランスが心地よく、身の丈に合ったやり方で、自分らしく現実を生きる為の一歩を踏み出す、勇気と希望をを与えてくれる。
感情を大きく揺さぶられ、泣いて笑って驚いて考えて…も、映画の醍醐味ではあるが、時には、少しだけ気を楽にして、そっと背中を押してくれる、こんなサプリメントのような作品も良い。
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