アンダー・ユア・ベッド(2019)のレビュー・感想・評価
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なんだか良い意味で感情を裏切られる良い映画だった。 怖いと思ったら...
なんだか良い意味で感情を裏切られる良い映画だった。 怖いと思ったら、最後不思議にハッピーになる、 そんなスーパーレモンみたいな作品だった。
だとしてもCREEPY
卒業アルバムの集合写真に写っていなくても誰にも気付かれなかった様な30歳の主人公が19歳の頃に声をかけてくれた元同級生のストーキングをする話。 ベッドの下に潜んでいるところから始まり、知り合った当時とベッドの下に潜むに至った4ヵ月前からの話を行き来しつつ物語が展開して行く。 興信所で行方をつきとめ所在地を訪れ近くに移り住むという近付き方からエスカレートして行く様子は怖過ぎるけれど哀しさがあって、冷静になってしまうとコメディにも感じてしまうけど、そういう作品ではないし、彼女もそういう癖ではなくシリアスらしい。DQN大集合だけどね。 店を訪れた彼女に違和感を憶えつつどう落とすのかと思っていたら、1時間程して語り手が変わり期待値上昇。しかしながら真実が明かされて期待値ダウン。 結果悪くは無い終わり方で締めてくれたけど、もっとドロドロを期待してしまったが為に物足りなかった。 しかしホントいつまでスタンガンの間違った情報を前提に話をつくるんだろう。
また別の純愛のかたち
終始、独特な緊張感が漂う。 恋愛の形は様々だと思う。 そして、僕にも、たとえささやかでも希望が打ち砕かれた時のちょっとした絶望感や、それにも関わらず募る想いなどは、これほどではないにしても覚えがある。 三井の千尋を観察する目や耳は、まるで自分の目や耳になって、千尋のやつれた姿や、千尋に対して振るわれる暴力、そして、隷属的なセックスを目撃し、音を聞く。 特に、ベッドの下で聞く音は生々しい。 覗き見ることや、観察することをテーマにした映画は少なくない。屋根裏の散歩者、ヒチコックの裏窓など有名作品に加え、最近の二重生活には場所を移しながら観察するという独特な緊張感もあった。 しかし、この作品の、見守るとも、ストーキングともつかない恋愛感情には、ピンと張りつめた空気感の他に、何か決して救済されることのない悲しさがつきまとう。 代を重ねても交雑せず、美しさを維持した水槽のグッピーのように、三井の千尋に対する想いは美しいままだったのだろう。 しかし、グッピーが水槽の中だけで生きるように、三井自身の想いも外に出ることはなかった。 エンディングは悲しい。 ただ、最後に千尋が三井であると気が付いたことで、三井同様、自分も何か救われたような気が少しした。 これまでになかった純愛の物語だった。 ところで、高良さんの目立たず根暗な男性の感じとか、西川さんも同様に、どこにでもいそうだけど、何か気になるところがある女性の感じが、個人的には印象的で、今の世の中でジェンダーを引き合いに出すのは、どうかとは思うが、安里監督の女性目線の演出なのだろうかと気になった。 原作は、角川ホラー文庫から出版されているとのことだが、僕としては純文学カテゴリーだ。
大変よくできた作品
先行して行われた上映会にて拝見。 難しい原作を安里監督が自ら脚本を手がけ丁寧にひとつひとつを紐解き、描いている。 主役を務める高良健吾はもちろんのこと、ヒロイン役の西川可奈子が明と暗を上手く演じ分けることによって映画の完成度が一段と高くなっている。これほど幅広い演技が出来る女優は珍しいのに知名度がそれほどでもないのは何故だろう?これからの活躍にも注目していきたい。
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