「ペガサス?」ペガサス 飛馳人生 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ペガサス?
ワイルド・スピードのようなハードなカー・アクション映画と思ったら挫折したラリーチャンピオンの復活ストーリーでした。
後半のバインブルクでの山岳ラリー映像は実際のWRCの映像と見まごうばかりの迫力、中華映画なのに国威高揚にならず車もトヨタやVWとリアルっぽい。
監督の韓寒は自身もラリー出場していた本格派ということで納得、主演のシェン・トンも出演にあたりレーシング・ライセンスを取得したというカーマニアだそうです。
息子に良いところを見せたいばかりに頑張る父親像なのだが母親はどうしたのだろう、どうも遊びで出来た子を押し付けられたようだし、プロがルーレット族まがいのレースに出て逮捕というのも自覚が足りないと言うか、あまり褒められた人格ではありませんね。バリバリのヒーローでなくちょっと抜けた方が大衆受けする狙いでしょうか、コメディ風であったり、教習所の教官に賄賂まがいなどは社会風刺なのかも知れませんね。
復活ものでは名作「ロッキー」のトレーニング・シーンが有名ですが本作では5年もブランクがあった割にはあっさり復活、折角の見せ所なのに車のトラブルや資金繰りの苦労の方ばかりに振っているので怪しい予感・・。
ペガサスは天馬なのでいつ飛翔するのかと思ったら最後で納得、壮絶なラストは別の意味で凄い思い切りと感心したらエンドロールでフォローしていました。クレジットで交通ルールを守って安全運転しましょうと、これまたクレーマー対策も抜かりない。基本、出てくる人はほぼ善人、ポリウッド映画のような唄やダンスも取り入れて王道の大衆娯楽映画、本国で大当たりしたというのも納得です。