「大切なのは決してあきらめないこと。その情熱に思わず胸掴まれる」ペガサス 飛馳人生 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
大切なのは決してあきらめないこと。その情熱に思わず胸掴まれる
とても不思議な魅力を持つ快作だ。まずもって全編にわたってカーレースが展開するのかと思いきや、その予想は気持ち良く覆された。というのも、これはかつて第一線で活躍するレーサーだった男が、とある事件で資格を剥奪され、5年ぶりに復帰を果たそうと奮起する映画なのだ。
つまり、彼に必要なのはレースのスタート地点に立つまでの過程をなんとか走りきることであり、それはレース用の車の調達だったり、整備師やナビゲーターを始めとするスタッフの配備だったり、資金を確保することだったりする。かつて手にしていて失ったこれらすべてを一つ一つ拾い集めることで、彼はもう一度スタート地点に立てるのだ。
終盤のレースシーンにも増して、この人間模様をコミカルに、魅力的に描き切るところに本作の心意気を見た。愛する息子や仲間たちと共に難題を一つ一つ乗り越えていく主演のシェン・トンにも、コミカルさと共に沸々と起こる熱い情熱を感じた。
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