「ラストが逆に良い!2019年の時期だからこそ評価されるべき」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー kozikamaruさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストが逆に良い!2019年の時期だからこそ評価されるべき
ドラゴンクエスト5のスーパーファミコンを小学校でやった世代です。当時、ゲマにパパスが殺されてしまうシーンが本当に悲しくて、ゲームをしながら声を出して泣いていたのを覚えています。もちろん結婚イベントはビアンカを選びました。笑
映画はスタートからテンポよく進んで、ラストどうなるのかと思っていましたが、まさかの展開で、涙してしまいました。
この映画を鑑賞して、ラストシーンに納得がいかない方が多いのに驚きます。このサイトのレビューでも「大人になれ」という言葉が刺さってしまって、抜けない人がいるみたいですが、この映画が伝えたいことは「大人になれ!」ではないと思います。逆なんです。
今みたいに綺麗な画像ではないスーパーファミコンの時代であっても、僕らはブラウン管テレビの前に座って、仲間と共に冒険に出かけていた。それはプログラムかもしれいないけど、もう一つの自分が生きる世界だった。
当時から「ゲームなんかするな、勉強しろ」「現実を見ろ」みたいなことを言う人はいました。でも、現実ってなんでしょうか?令和になって、VRが出てきて、今後はアニメの「ソードアート・オンライン」みたいなもう一つ下の世界で過ごすなんてことができるようになっていく。それは「ゲーム」ではなく、もはや新時代の「生活」です。今はちょうどその移行期でしょう。
もっというなら、今自分たちが生きているこの世界ですら、もう一つ上の世界によって作られたもの、(もしかしたらプログラム?)だというのが、最新の物理学者の間で議論されています。(マトリックスみたいな感じですね。シュミレーション仮説とかで検索してみてください。)
いつの時代であっても、それがファミコンであろうと、VRだろうと、自分の「意識」が没入する世界は現実だと思います。そこで、泣いて、笑って、楽しんで、苦しんで、大切な人と過ごしたい、何かを成し遂げたいと思う。そんな世界は「現実」だと思います。
この映画はそのことをドラゴンクエストという何年も続く名作を使って表現しているのだと、私は解釈しました。VRと現実の境目がなくなるだろう、新しい時代を迎える前に、とても良い映画をみれたなと思います。