劇場公開日 2019年8月2日

「オチを酷評していいる人は映画を観る目が無い」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー 無名さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5オチを酷評していいる人は映画を観る目が無い

2021年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ドラゴンクエストとして評価すると意見が分かれる所なので、映画としての出来栄えで評価すると、映像的には合格。背景などとてもリアルで物足りなさを感じない作り込み。キャラクターのビジュアルは鳥山明氏のデザインを映像に合うように最適化している点もよかった。

難点を言えば、キャラクターの表情や仕草がイマイチで、どうしてもピクサーアニメ等と比較してしまい、その感情が乗り切らない固さや不自然さが気になった。それは声を担当したのが声優ではなく俳優である事でも拍車をかけているようにも感じる。
ドラえもんのSTAND BY MEにしても、日本の本格3Dアニメはその辺が下手で感情移入がしにくいのが弱点に思う。

次に脚本
ゲームのストーリーを1つ1つ追うのは仕方ない事だけど詰め込み方が下手で、あわただしく進行し情緒が無い。それぞれのクエストを短くするにしてもフェードで切り替えていくなどで、時間の移ろいを自然に端折って表現してほしかった。もしくは、3部作等にしてもよかったのではないかな。
セリフもゲームそのままという感じでイマイチで、もっと自然な人間としての感情表現をしてほしかった。

オチについて
突然の展開である意味冷めかけたけど、考えようによってはゲームをトレースして終わるのではなく、人々の想像を越えるためにクリエイティブに仕上げたと考えれば好意的にも感じ取れる。「YOURE STORY」をテーマ作っているわけだからこの展開は意図的であり、先述のあきらかな表現不足ではなくこのオチを受け入れるか否かは好みの問題なのです。
なので、この映画の確定的にダメなのはオチではなくその他の脚本や映像の表現力なわけです。

総評
もう30年も前にプレイしたゲームで、当時の思い入れもある分、本作には少なからずの思い入れと期待はあったけど、その不安もどこへやら、しっかり現代の映像としてのクオリティは保てており、いい部分、悪い部分を含め、最後まで映画として楽しめた。

無名