「極めて普通の映画」二ノ国 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
極めて普通の映画
タイトル前のプロローグが「ここに入れる必要あるかな?」って感じなのね。なくても良かったような。もっと言うと、あの爺さんいなくても物語は成立するような。
それでキャラクター説明して、二ノ国へ行くんだけど、ちょっと説明的かなあって感じなんだよね。
そこで王女様助けて、色々とあって、王女様と湖に行くシーンがあるんだけど、ここは作画と演出がイマイチなんだよね。音楽かけて盛り上げて『ほら、綺麗でしょ』ってやってくるんだけど「そこまでかなあ」っていう。王女様も踊るんだけど、見惚れるような踊りではないのね。
後は一ノ国と二ノ国を行ったり来たりして「ユウとハルが戦う設定にしたいんだな」っていう涙ぐましい努力が解るストーリー展開になって、しかしユウとハルは最後には団結して、本当に悪い奴を倒しますと。
じゃあ一ノ国に戻ろうかってところで、ユウは二ノ国に残る選択をすると。まあ、そりゃ、そうだろうね。
一ノ国に戻ったハルは『ユウは二ノ国の俺だったんだ』と気付いて、それが物語全体の謎解きでおしまいと。
設定説明されただけ感はあるものの、普通に面白かったよ。
永野芽郁は、あの姿形があって、あの声が活きるんだなと思ったけど。
まあ、物語の辻褄は合ってないよね。アーシャ姫とコトナの状態はシンクロするはずなんだけど、全然してないしね。これ、もしシンクロしちゃったら、ユウとハルが戦う理由がなくなっちゃうから、しょうがないんだけど。
ユウが脚が悪くて車椅子生活っていう設定も無茶だね。ならハルも脚悪いだろっていう。これも「そうか、ハルは一ノ国では脚が悪いけど、二ノ国では立って歩けるし、そっちを選ぶのか」っていうミスリードをやりたいためだけなんだよね。
そんなこんなで、無茶のある話ではあるんだけど「作り手の事情だろうな」とのってあげて観たら、結構面白いと思うよ。