「恐らくゲーム向きの設定で、映像作品として昇華仕損なった作品」二ノ国 ひなさんの映画レビュー(感想・評価)
恐らくゲーム向きの設定で、映像作品として昇華仕損なった作品
この作品は、ボーイミーツガール的な恋愛物ではなく、日常を生きていた主人公が別の世界で脅威と戦う、JRPG物です。
理知的な主人公と話を聞かないサブ主人公が世界を救います。
ゲームであれば村人Aであろうと、武器を育て、レベルを上げて強くなるでしょう。
しかし、これは限られた尺の映像作品なので、何故か武器が扱え、何故か通常よりも3倍(?)強くなり、何故か……
ゲーム原作にありがちですが、戦闘・育成パートを抜いてADVパート、それも重要なシーンだけを繋げた作品、私にはそう映りました(原作をやっていないので、正しいかは分かりません)
尺を縮めた分、設定が唐突で
ゲームよりも時間あたりの情報量が増えた結果、程々の描写量であれば気にならなかったであろう物も、気になってしまうーーそんな作品でした。
しかし、音響に関しては流石に不満を呈したく、久石譲の音楽を全くいかせていないと言わざるをえませんでした。
ファンタジックな世界感にマッチし、壮大さのある、割と王道な音楽でしたが、やっていることが子供の喧嘩なのです。いや、それは違うでしょうと。
主役3人の演技も残念なものです。演じる以前に、声に入るノイズに私は没入感を大幅に損ね、不快感を覚えるので、終始冷めた気持ちで鑑賞していました。
設定自体は好きなので、感動ポイントはあるにはあったのですが、抑揚に欠けたのが残念でなりません。