「成田凌くんは素晴らしいけど」窮鼠はチーズの夢を見る れいちゃんママさんの映画レビュー(感想・評価)
成田凌くんは素晴らしいけど
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原作がとても良かったので観に行きました。
成田凌くんの、恋愛感情の表現が素晴らしく、彼が出ているシーンは全て引き込まれました。裸体も美しく、まさに体当たりの熱演だった。それを見るだけでも価値があったと思いたい。
しかし全体的には期待外れの出来でした。前日にミッドナイトスワンを観たので余計に感じたんですが、キャスティング含めて、同性愛者に対する視点が終始ステレオタイプで差別的なものに思えました。大倉くん演じる主人公は、なぜ彼の愛を受け入れられず葛藤していたのか。それは同性愛者だからなのか、自分が人の愛し方を知らない人間だからなのか、終始フォーカスがぼやけっぱなしで、何がテーマだったのか、よくわかりませんでした。そして最後に成田凌くんの「好きだったなー!!」って絶叫。それは最後の今ケ瀬の涙で言わなくても伝わるので、ちゃんと映像的な表現をして欲しかった。
食事のシーンが多いんだけど、まず社会人が行きつけの寿司屋のカウンターで、奥さんに不倫がバレた話なんか絶対しない(笑)色っぽい話でラブシーン多めなのに、そういうことする前に行かないような店ばっかりだったのが結構覚めました。
成田凌くんが演じていた今ケ瀬の純粋な恋心って、男とか女とかを超えてた気がした。だからこそ彼の表情はすごく心に残ったんですけど…。恭一が最後にそれを超えられていたなら、常務の娘に恋人は「彼女」じゃない、って言えたんじゃないかなぁ。何だか、ただの空っぽな酷い男にしか見えずに終わってしまった。すべてが物足りなかった。最後に言いますが、凌くんだけがひたすら素晴らしかった。
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