「映画のお手本 王道」燃えよ剣 とまちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
映画のお手本 王道
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私は司馬さんのファンです。この小説も既読です。
この映画は「映画の要素」の全てが一級品でした。圧巻です。
映像、音楽もさることながら、笑い、歌、ダンスをちゃんと入れてるんですよね。
「笑いの要素」は芸人を入れてアクセント的に面白要素がありましたが、使い方が本当に上手でした。
村本は早口漫才、そのまま演じていました。なのに全く違和感がなく、「村本に似てるな~」とノホホンと見てしまっていました。これを司馬作品に入れようなんて凄すぎます。
「歌とダンス」も、新選組を茶屋で踊らせて、後半でええじゃないかの行進を入れていました。この時代って既にバイオリンあったんですね。原作にあったかは思い出せません。
映像も昼、夜、雪、夏、多くの建物、血しぶき、などなど本当に「映像」に対するこだわりを感じましたね。見ていて飽きさせない効果もありそうです。
音楽、戦闘中にクラシックが流れるのは有名な手法だったと思いますけど、本当にマッチしますよね。不思議です。
映画の王道を突き進んだ映画だと感じましたが、一方で特徴がないなぁとも思いました。
とにかく原作を、史実を映像化すべく頑張ったのかなぁという印象です。丁寧に作られているんですけど緊張感がないというか、淡々と進んで行く様に感じてしまいました。
ちょっと欲張り気味だったので、もう一つテーマを絞っても良かったかもしれません。それか上下編にするかですが。個人的には、司馬さんは近藤をコケ下しているので、もっとその視点で土方の生きざまに対する葛藤が欲しかったですね。
どうでもいいんですが、伊藤英明さんは本当に酒乱というのをラジオで聞いたことがあります。芹沢にぴったりでした。
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