劇場公開日 2021年10月15日

「う~ん、いまいち!」燃えよ剣 キョージさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5う~ん、いまいち!

2021年10月18日
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司馬遼太郎の名作の何度メかの映画化。コロナの影響で公開が1年延期された。主演・岡田准一、監督・原田眞人。それなりに面白かったけど期待値が高過ぎたので、ちっと中途半端な感じ。観て損はないけど。
司馬遼の原作は長いけれど一気に読みたくなるようなワクワク感、感動等があって(ちなみに私は歴史小説好きではない。あまり読まない)大傑作だ。それを2時間半分にまとめるんだからそもそも無理かある。
また、監督との相性もよくないんだと思う。『金融腐蝕列島〔呪縛〕』 『突入せよ! あさま山荘事件』 『クライマーズ・ハイ』 『検察側の証人』 『日本のいちばん長い日』『関ケ原』等は観ているけれど、どの作品も(期待をもって観たが)やはり今一つの感があって決して名作とは言い難い。事実を上手くつなぎ合わせて客観的に映画にまとめあげるという技術には卓越したものがあるかもしれないが、一人一人の人間にスポットを当てていくのは苦手かも。悪く言えば表面的。本作も土方歳三という人間の話ではなく新撰組の歴史話として捉えればいいのかもしれない。「永遠のゼロ」の岡田君の演技や司馬遼の小説の感動を期待していてはいけないのかも。脚本も監督によるものだが、事実をだいぶ脚色していて観客に感動を与えようというのがミエミエ。あと事前学習として「壬生義士伝」何回目かの視聴をしたのもよくなかったなあ。(「壬生義士伝」はよかった。人間を描く映画だった)豪華な配役というのもこの監督の特徴。俳優をうまく使いきってるとは思えない。映画全体としたらもっと殺伐とした感じや切迫感、臨場感がたりないんだなあ。特に立ち回り。(白黒の昔の作品は首が飛んだり手がちぎれたりと、ある意味グロかった)演技が良かったのは伊藤英明、鈴木亮平(この人は何を演じてもうまい)、柴咲コウ(ただし、司馬遼太郎が創作した人物。それをさらにふくらませていた←脚本に問題アリ)、山田亮介(切なさを出していた。びっくり。)あと、音楽がとてもよかった。

キョージ