「「どうなりますか? ではなく、どうしまししょうか!」そして「かたちが良くねぇ」と土方歳三副長は言った。 長州倒すべし!」燃えよ剣 YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)
「どうなりますか? ではなく、どうしまししょうか!」そして「かたちが良くねぇ」と土方歳三副長は言った。 長州倒すべし!
刀は美しい そして 武士とは”死ぬ時を待つ者” だから 絶えず剣を脇に持つ
映画を通して「長曽祢 虎徹」「菊一文字」が登場する中で、土方副長の十一代め「兼定」を2代目300年にしたのは面白い脚色だと思う。良い!
劇中に兼定のアップはあったものの、題名に 剣 が付く位なので、武士の魂である刀を バックを極力暗くした中に"光をあてた美しい真剣''をカメラがナメるカットが欲しかった。それが脇差なら、鑑賞者にも解りやすかっただろうに。そんなカットを入れられない監督・脚本家は残念。
序盤のシーンで、轍(わだち)があったのも残念。シーン的にもカットして無問題ないので、修正して欲しい。
また浪士たちが最初に京都に入った寺廊下シーンや京都市内等の地面が
”土を奇麗に固めたもの”ではなく、どうもコンクリートのような硬さを画面から感じられてしまったが、おそらく誤解だと思うが違和感はあった。
濃い茶色を出す為に撮影前に水を撒いておいて欲しかった。
特徴ある髪形をした2名の子供エキストラが別シーンでも再度登場させたのは。。。
街中シーンはカット修正を希望
「め組」が顔をだしたり、ちょっと時期は早いが「ええでないか運動」をアクセントとして入れたり、人切り以蔵がでてきたのは当時を知るうえで、良い計らいで、考証と言うよりも
幕末好きを擽る。
そういった意味で、少々時代考証をまげて、娯楽映画として脚色しているが、その辺は愛嬌 映画として面白ければいい。
池田屋内に突入したのは4人、そして沖田総司隊士、藤堂平助隊士が離脱する中、劣勢になりながらも永倉新八隊士が、池田屋の鴨居を利用して、
脇差にて、バチバチと長州側の剣を折った事が大きな勝因なのだが、そのへんはもう少し事実に近くしてほしかった。
ざんバラ髪に序盤の猿のような”農民歩き”から侍に代わっていく 土方副長の成長を感じさせられた。
また座位での 切りあい は岡田さんの発案であることは想像できる。
岡田さんは他に代えがたき良き役者であることは間違いない。
他の演者も凡役者が居ない申し分のない良い役者陣であった。
土方歳三新選組副長の人生を2時間半で
どうマトメルのか見物だと思い、
今風の映画だから後半生に焦点を当てて、いきなり池田屋から始まるのだろうかと思っていたが、うまい脚本で上手くまとまっていた。
撮影や照明も見事申し分ない安心して観てられる”ザ・東宝時代劇」
池田屋事件や他の事件もキチンとこなし、大満足。
エンディングタイトルを観ていて気付いたのは「動物は傷つけていまむせん」と言うコメントと
スタッフを「***協力隊」と書いていた遊びが良かったです。
この映画を観たら、逆方向から「幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬」や「ええじゃないか」と見比べても良いと思う。
そして題名の意味を考えるなら「武士の一分」