「【幕末の動乱期、裂帛の気合と、ブレない鋼の精神で時代を変えようとした土方歳三の人生を、原田眞人監督が壮大なスケールで、自らの解釈を大胆に取り入れ描き出した作品。】」燃えよ剣 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【幕末の動乱期、裂帛の気合と、ブレない鋼の精神で時代を変えようとした土方歳三の人生を、原田眞人監督が壮大なスケールで、自らの解釈を大胆に取り入れ描き出した作品。】
ー 今作は、司馬遼太郎の同名の大ベストセラーを底本にしているが、原田眞人監督はそれを大胆に改編している。
だが、私はその姿勢を是としたい。
更に言えば、現代邦画の監督で、これだけのスケールの歴史大作を作れる監督が何人いるのか!
あれだけのキャストの一人一人にキチンと光をワンカットでも与えている監督自身が書き下ろしている脚本のレベルの高さにも、感服である。ー
◆感想
・新撰組副長土方歳三を演じた岡田准一の、剣捌きのスピード。身体の切れ。
ー 流石、居合の達人である。
この方に”衰え”という言葉は全く当てはまらない。
真のプロフェッショナルである。ー
・土方の歩き方
ー 田舎臭い変な歩き方から、武士らしい歩き方に徐々に変わって行く過程と共に、彼自身も武州の田舎の農民の子、茨ガキから、新時代の”武士”に変容して行くのである。ー
・土方が劇中、頻繁に口にする”形がよくねえ”。
ー 彼が、自らの中に美学をしっかりと持っている事が分かる。
そして、それ故に、彼は官軍から逆賊になっても、自らの信念を曲げる事無く、五稜郭まで戦いを続けるのである。ー
・土方の、今までの”武士”とは違う生き方。
ー これは、多くの方が書いているが、農民出身故に、”一人の主に、終生付き従う”という生き方ではなく、自分の持つ美学を終生貫くという、新しい“武士”の姿を体現しているのである。ー
・あれだけ多くのキャストに僅かでも、キチンと光を当てている原田監督の姿勢。
ー ワンシーンだけ出演する、土佐藩士”人斬り以蔵”を演じた村上虹郎など。ー
・芹澤鴨殺害シーンや、池田屋事件の、生々しい描き方。
ー 物語が、単調にならない。
アクションシーンの使い方、挿入するタイミングも上手い。ー
・物語に、恋愛要素を入れる事で、殺伐とした内容に、艶やかさを加えている部分。
ー 土方の”妻”になったお雪(柴咲コウ)のキャラクター設定。
夫を”ある理由”で亡くしたがゆえに、残酷絵を描き、一方では従軍看護役を買って出る現代的思考を持った女性像が、この作品に与えたモノは大きいと思う。ー
<今作の面白さを書き出すと、キリがない。
が、一つ言えることは、あれだけ多くの俳優・スタッフを率いて、映画を作り上げる原田眞人監督の力量の凄さであろう。
原田組は、その厳しさで有名だそうであるが(前作、「関ケ原」では、脱落した役者、スタッフ多数だそうである。)それも又、
”映画人として、妥協なき良い作品を観客に届けるのが責務”
という監督自身の矜持であろう。
でなければ、今作の様にやや長尺の作品でも、全く飽くことなき作品を作り続ける事は出来ないであろうから・・。>
NOBUさん、おはようございます。共感&コメントをありがとうございます。本作は確かに原田監督、渾身の作品なのは全く同意見です。こんな大作時代劇がもっと作られるといいなぁと思ってますので、ヒットは嬉しいですね。
コメントありがとうございました。私の職場も働き方改革で、今までとはうってかわって残業するな、早く帰れ、になりましたが、若い人たちどうやって仕事覚えるのかな、技術身につけるのかなと心配になります。
今作、ここで評価低かったので期待値下がったこともあり、めちゃくちゃ面白かったです。
ミリヲタ理系脳のbloodです。細やかな知識も偏りまくりのbloodです。幕末は完全に穴なんです。ほぼ、教科書レベルの知識しか有りません。司馬遼太郎を読んで勉強します。挫折しそうですがw
広島でも、入りは良かったですよ。岡田准一目当ての女性が多いかと予想してたんですが、年配のご夫婦が目立ってたのが印象的です。司馬遼太郎ファンですね、多分w