マローボーン家の掟のレビュー・感想・評価
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初監督作だが、映像に風格あり
スペイン出身の映像作家によるホラー作品は、怖さの中にもどこか哀愁を感じさせるのが一つの傾向か。J・A・バヨナ監督作「永遠のこどもたち」の脚本を書いた、セルヒオ・G・サンチェスによる初メガホンだが、自然光を活用し時代を感じさせる味わい深い映像も相まって、人目を避け肩を寄せ合って生きる家族の健気さや、精神的に追い詰められていく描写に心を揺さぶられる。 幽霊屋敷モノのように語り始めながら、途中からの展開に「おや、このサブジャンルは何だろう?」と観客を翻弄する巧みなストーリーテリングに感じ入った。事前にあまり情報を入れないほうがいいタイプの作品だろう(映画.comの解説も書き過ぎだ)。 アリー役のアニヤ・テイラー=ジョイは魅力的でなかなかよかったが、「スプリット」のような怪演は見られず少々期待外れ。彼女の俳優としてのポテンシャルを引き出し切れていない気がした。
もう一回観たくなる
1917のマッケイが出ているということで観てみた。
内容としては、いろんな映画が混ざったものだったので、驚きというよりああ、あのパターンか、と思ってしまった。こういうときにはあまり映画を観ていない人が羨ましい。
また、ジャックが兄弟たちを屋根裏に閉じ込めなければ彼らは逃げられたんじゃないか、とか意味のないことを考えてしまう。
草ぼうぼうとはいえ、田舎の素朴な映像が美しく、またマッケイやアニャの芝居が素晴らしいのは見どころ。
ただ、暗い映像は見づらいので複雑な内容や空間を理解するのにちょっと努力が必要。
父親の脱獄や田舎での隠遁とか現代の設定ではほぼ無理筋な内容なので古い時代設定にしてあり、そこで暮らす青年役は現代っぽく無いマッケイの真骨頂だ。
明らかに6ヶ月後からなんかおかしいので、それはオカルト的なものかゾンビ的なものかと思ったら、まさかの多重人格だった。映画好きなら一発でサイコを思い出す。
まあ、父親はゾンビみたいなものではあったが。
ラストまで見ないとわからない、鏡へのこだわりのシーンがやたら多くて飽きるのと、暗い画面のわかりにくさもあり、星は3つにとどまる。
しかし、全体に流れる雰囲気やマッケイとアニャの演技は見逃せないと思う。
癒し系の方のアニャ・テイラー=ジョイでした
アニャ・テイラー=ジョイ目当てに、事前情報皆無の状態で鑑賞 冒頭の雰囲気から察して、ノスタルジックで後味爽やかな家族愛の物語か…と思いきや、全然違いました 家族愛というか兄弟愛に溢れた作品で間違いないんですが、ジャンルでいうとホラー?サイコスリラー?ミステリックファンタジー? カテゴライズに戸惑います でも、あれ?よく考えると結局この映画はやっぱり後味爽やかな家族愛の物語なのか???って感じの映画でした アメリカの資本がかなり入ってて、物語の舞台もアメリカの田舎町、言葉も英語ですが、この映画実はスペイン映画なんですね、一応 アポロ月面着陸のニュースが写るので作中の時代は1969年ということですよね 素朴な疑問、どうしてこの時代にしたの??? さてメインキャストの5人は非常に魅力的でしたよ 長男ジャック:ジョージ・マッケイ(1992年生、公開時25歳) 長女ジェーン:ミア・ゴス(1993年生、公開時24歳) 次男ビリー:チャーリー・ヒートン(1994年生、公開時23歳) 末っ子サム:マシュー・スタッグ(2009年生、公開時8歳) 4人兄弟の友人アリー:アニャ・テイラー=ジョイ(1996年生、公開時21歳) お目当てアニャの役どころは最終的に超癒し系 同時期に公開された『スプリット』(2017)と『ミスター・ガラス』(2019)では多重人格者の魂のパートナー役を演じていました アニャは意外に、「心に傷を持つ相手に寄り添う人」の役が多いです。 そしてミア・ゴス ほんの一瞬わずか0.5秒(多分)のあの表情がこの映画最大のインパクト! さすがミア・ゴス それ以外の兄弟たちもすごくいい なかなか深みのあるホラー(?)ですよ 邦題がちょっとなんか違うな…とも思いましたが
この手の作品はあまり得意ではないが・・・
衝撃の作品である。サスペンスのようでいてホラーっぽくもあり結末は・・間違いなく多くの人にとって衝撃のエンディングであろう。この手の映画ファンなら満点をつけるほどの傑作。
切ない
解説を読んで鑑賞してしまったためどこにホラー要素があるのか分からないまま終わってしまいました。
妹弟を守ることができなかったと悔やむ長男がただただ切なくて最後のシーンは涙が溢れました。家族を亡くし精神を病んでしまったけれど寄り添ってくれる人がいてくれて良かった。
暗くて美しい好きな雰囲気の映画でした。
NOT HORROR! 陰鬱 退屈 眠くなる
ホラーではなく、サスペンスですね。 ほぼ、ずっと暗く、陰鬱で、退屈です。 眠くなってしょうがなかった… いいところは、アニャ・テイラー=ジョイが出てるだけ。 好みじゃなかったです。
これはいいサスペンスホラーだ
個人評価:4.0 ジョージ・マッケイの長男っぷりがとても好きだ。はじまりへの旅でもそうだった様に、弟や妹思いの誠実さがにじみ出ている。またアニヤ・テイラーが相手役となり、とてもキャストがよい。 一家の掟と不気味な屋敷がとてもマッチし、物語を混沌へと導く。監督の脚本と映像にセンスを感じさせる。 これはいいサスペンスホラーだ。
恐怖感は楽しめました
このジャケットからして、幽霊屋敷が題材だと思ってました。長男次男には1917の主人公とストレンジャーシングスのお兄ちゃんというキャストで、頼もしそう。ラストはそうきたかと騙されましたね。ツッコミ所もありますが(特に父親)面白かったです。隣人アリーが主人公でも良いかも。何気にアニャテイラーちゃんのファッションが可愛かった。
最初から何が怖いのかがわからないのにドキドキする。そしてただ怖いだ...
最初から何が怖いのかがわからないのにドキドキする。そしてただ怖いだけでなくいつの間にかどんどん物語の中に引き込まれていく。監督・脚本が「永遠のこどもたち」の脚本家と知って納得、終わり方も良かった。映像は美しく、屋敷も細部にわたって凝っている。今夏観た中で一番のホラーサスペンス、見応え十分、心に残る映画だった。
期待してたホラーとは違うけど
これはこれで楽しめた。 5つの掟を守らなければならないって話だけど、物語の中でそんなに強調されてなくて掟って何だったっけ?と忘れそうになる。っつーか忘れてた。 物語の中で感じた違和感の正体ってか伏線は回収できてたし終わり方も良し。 よくわかんなかったのが、1つ目の掟の21歳って期限。何か意味があったのかな?法的な何か? それと5つ目の掟の、ちょいちょい出てくる砦。妹弟達をそこに留めて干渉を防ぐのと、安全を守るってことかな? 余談だけど、ビリー役のチャーリー・ヒートン。何か10年位前の窪田正孝に似てる気がする。
感想が何故かシャラマン論になる
あっと驚く仕掛けが前に出過ぎない物語のお手本とは、この映画のことだろう。
物語の中心となる筋は、父親が引き起こした凄惨な過去からの逃走譚なのだが、
アメリカの美しい田舎の風景と、心に傷を負った兄妹たちの静かな日々が心に強く残る。
ことの真相はかなり悲しく、そうであって欲しくない方向へと流れるのだが、
大きな救いだったのは、アニヤ・テイラー・ジョイが演じるアリーの、ジャックに対する選択のありようだろう。
自分にとっても大切なジェーン、ビリー、サムを失うことなくジャックを生かしていこうとしたのではないだろうか。
アニヤ・テイラー・ジョイとあっと驚く仕掛けというと、どうしても思い出すのはシャラマンの「スプリット」とである。
「シックス・センス」以降シャラマンが背負った十字架とも言える大どんでん返しの効果は、
本作品においてもある程度取り入れられているあとが伺える。
それなのに、何故か「やっぱりな」とか、「ああ、あの映画の焼き直しね」と冷めた感想にならなかったのは、冒頭にも述べたとおりの映像美と物語の前面に溢れた兄妹愛ゆえではなかったか。
シャラマンが十字架を背負うきっかけとなった「シックス・センス」や「ハプニング」なども、
本来は大どんでん返しにとらわれることなく人物造形や人物同士の関係を味わいながら鑑賞できる作品だった。
シャラマンがこけた時は、あっと驚く仕掛けが空振りに終わったのだと、今までは思っていた。
しかし、違ったのだ。
シャラマンがこけたと感じた要因は、仕掛けに意識が集中してしまい、過剰な期待を掛けてしまうほどに、人物造形が説得力や共感性に欠けたり、人物同士の関係に惹き込まれる要素が足りなかったりしたからだったのだ。
と、なぜかシャラマン論で終わってしまいそうになるくらい、アニヤ・テイラージョイの存在感が素晴らしいからだろう。
サスペンスの新女王と言いたくなるくらいに、恐怖の中で怯えながらも勇気を奮い立たせる代表的な女優としての地位を確立しつつある。
あの目力は只者ではない。
そもそもは、ここ数年来注目していたジョージ・マッケイの演技がお目当てだったのだ。
マッケイ兄は、どことなく新しい時代のジョン・ハード(RIP)のポジションを感じていた。
予感は的中しそうな気がする。
名端役だったハード氏同様に、本作でもすっかりジョイ嬢に持って行かれてたもの。
ホラーの棚に置くな。
ホラーの棚に鎮座していたのでホラーだと 思って鑑賞。 だが途中からもう 「これ多分ホラーじゃ無いな…」 と気付いてしまいました。そうすると展開が 思った通りです。でもちょこーーっとホラーかもよ?と思わせる演出入れたり…ズルイ。 詐欺だ。 役者さん達の演技は素晴らしかった。 でもホラー観たかったので肩透かし。 不満です。 サスペンススリラーの棚にあったら美しいけど 凡作だったかもな…ホラーと思って観させて 評価上がってる作品かなー…うん。ズルイ。 自分の土俵で勝負してくれ。
意外性はいまいちだが、心に迫るものはある
夫から逃げてきたであろう家族が心機一転、新たな生活を始めるところから物語は始まる。
そのあと突然6ヶ月の空白があり、ジャックの額の怪我、鏡を隠す家族、外に出ることを禁じられた兄弟と、疑問点が多い。
ホラーテイストながら、幸せな生活の描写とのバランスが絶妙で、かつ考えながら観れる。
ただ、家から出ているのがジャックだけだと気付いたら、謎は解けてしまった。それなら、鏡に映る恐ろしいものとは幽霊ではなく自分たちの姿なのだと。
「アザーズ」や「ドリームハウス」を観たことがあれば、わかってしまうかな。なので、新規性はなかった。けど、真実が語られたとき、並のヒューマンドラマより何倍も心に迫るものがあった。
ユア・ストーリーなんて観てる場合じゃなかった!
13人もの人を殺した殺人鬼の父親から逃げるようにしてイギリスからアメリカへと移住してきた家族。姓も母親の旧姓に戻して、生家でもある大きな屋敷に到着した。過去を忘れて新しい生活を始めると決意した病弱の母、ジャック(ジョージ・マッケイ)、ビリー、ジェーン(ミア・ゴス)と幼いサム。しかし、まもなく母親が病死。母の死を隠し、4人は秘密を守ると誓いを立てるのだ。 海も近い、のどかな田園風景。兄妹は近くに住むアリー(アニヤ・テイラー・ジョイ)とも仲良くなり、やがて長男ジャックと恋に落ちる二人。1週間分の買い出しをして、図書館に勤めるアリーに会うのも楽しみの一つだった。しかし、恋敵のトム・ポーターの存在がジャックを鬱陶しくさせるのだった。移住届けを成立させるために200ドルと母親のサインが欲しいと告げられ、戸惑うジャック。なんせ、母親は死んでしまい、それは秘密にしなきゃならないのだ・・・ 序盤にちょいと遠目に見えた猟銃を持った男。しばらくは姿を見せなくなってサムもホッとしていたが、大きな鏡に布を被せたり、天井のシミを隠したりと大忙しになったジャック。見えない何かを恐れているのだが、ジャックが屋根裏部屋に父親を隠していたことが原因だったのだ。イギリスで逮捕されたんじゃ?などと、ミスリーディングは続く・・・ 長男の重責、家族の誓い、そして大きな要素となるのが“恐怖”に打ち勝つことだった。ジェーンがアライグマに餌をやろうとして手を掴まれたりとか、恐怖シーンはいくつかあった。さらに書類に偽のサインをしたことが原因で家を追い出されそうになる恐怖。忍び寄る“何か”を倒さねばならない。屋根裏部屋への通路をレンガで塞いだのに、そこへ呪いの金までも封じ込めたことも恐怖の表れだったのだろう。 何を書いてもネタバレになりそうな、そんなプロットではあるけれど、そうしたわざとらしさを超越する愛を感じた。ラストの笑顔にはほっこりさせられるが、その前に涙腺を刺激させられること間違いなしだ。
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