劇場公開日 2020年12月11日 PROMOTION

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ニューヨーク 親切なロシア料理店 : 特集

2021年4月12日更新

人生につまずいた人に贈る、12月イチオシの良作!
“誰かの親切”に癒やされ、心がじんわり温かくなる
久しぶりに、映画館で幸せな気分になりませんか?

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次はどんな映画を見よう? 良い映画ないかな? そう思っている“あなた”に、オススメの作品があります。12月11日に公開を迎える、「ニューヨーク 親切なロシア料理店」です。

主人公はある事情を抱え、無一文で2人の子どもを連れてニューヨークへ逃げてきた女性。彼女は、マンハッタンで創業100年を超える老舗ロシア料理店に飛び込みます。

人生につまずいた主人公が“誰かの親切”に癒やされ、再び歩き出す姿を見れば、きっと心がじんわりと温かくなっていくはず。人生は順風満帆ではない……そんな人に贈る良作です。

この特集では物語の見どころ、映画.com編集部によるレビュー、そして「こんな映画が好きな人には特にオススメ」という作品リストをご紹介します。


【予告編】新しい人生、メニューにあります―― 作品内容をチェック!

12月イチオシの良作、その見どころを解説
NYを舞台に“人生の再生”を描いた、癒やしの感動作

クララとマーク
クララとマーク

●希望の物語 無一文の女性クララが飛び込んだのは、老舗ロシア料理店だった

まずは“あらすじ”を見ていきましょう。

マンハッタンの地で創業100年を超える老舗ロシア料理店「ウィンター・パレス」に、女性が飛び込んでくる。彼女はクララと名乗り、無一文であるばかりか2人の子どもを抱えており、“ある事情”で夫から逃げてきたという。

当のウィンター・パレス、かつては名店だったが現在は料理もサービスもひどい、ただ“古いだけの店”に落ちぶれていた。オーナーはどこか上品なロシア訛りの老人。さらに店を立て直すために雇われたマネージャーのマークは、刑務所を出たばかりだ。

一癖も二癖もある人たちが、この店に集まってくる。ところが彼らはクララを無下に追い払うこともなく、温かく出迎える。つらい体験を味わった孤独な人々がやがて交流し、絆を深めていく――。

ティモフェイ
ティモフェイ

監督、脚本、製作総指揮を務めたのは、世界的な名声を獲得しているロネ・シェルフィグ。鬼才ラース・フォン・トリアーらによって始められたデンマークの映画運動「ドグマ95」に参加し、「幸せになるためのイタリア語講座」(2000年)ではベルリン国際映画祭銀熊賞をはじめ、世界各国で多くの賞を獲得しました。

キャリー・マリガン主演「17歳の肖像」(09年)は英国アカデミー賞の9部門を制覇し、米アカデミー賞では3部門にノミネート。アン・ハサウェイ主演「ワン・デイ 23年のラブストーリー」は日本でも多くの女性から熱烈に支持されるなど、女性主人公を演出する腕に長けた監督です。

“世界三大映画祭”のひとつである第69回ベルリン国際映画祭では、コンペティション部門のオープニングを飾るなど、高く評価されている本作。ついに日本公開です。

クララと息子たち
クララと息子たち

●出てくる人がみんな親切… 出演は「ルビー・スパークス」のゾーイ・カザンら

クララはニューヨークという大都会で、オーナーやマネージャー、店の常連客らの優しさに包まれていきます。登場する人物のほとんどが、その行動を通じて「他人の痛みに寄り添い、思いやること」を表現。ともすれば社会的弱者とも呼べる人々が連帯し、助け合い、人生を切り開こうとする姿を見るだけで心が温まっていくのです。

クララを演じたのは、巨匠エリア・カザンの孫娘であり、超絶キュートな魅力が全開の「ルビー・スパークス」などに出演したゾーイ・カザン。日本でも人気の高い彼女が、本作では人生の再出発を切る女性を鮮やかに体現しました。

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さらに「アバウト・タイム 愛おしい時間について」などの名優ビル・ナイが料理店オーナーのティモフェイ役、「預言者」のタハール・ラヒムがマネージャーのマーク(クララと急接近したりします)役に。そして「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のアンドレア・ライズボローが店の常連客・アリス役、「ゲット・アウト」「スリー・ビルボード」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが常連客ジェフ役を担っており、多くの名作で際立った存在感を放つ実力派が結集しています。

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【編集部レビュー】第二の人生に踏み出す人々へ…
久しぶりに、映画館で幸せな気分になりませんか?

ジェフとアリス
ジェフとアリス

「ニューヨーク 親切なロシア料理店」を見る間、松任谷由実の「やさしさに包まれたなら」の歌詞が頭のなかでリフレインしていた。特にサビの部分だ。シェルフィグ監督が紡いだ物語は、日常のいたるところに“誰かの優しさ”が落ちていて、そんなことに気がついたとき、初めて“ささやかな奇跡と幸福”がやってくるのだと教えてくれる。

物語の中核をなすのは、「人生をしくじった人々の再出発」。例えばティモフェイは、まったく流行らない料理店を継いでしまった。マークは実刑判決を受け、刑務所から出所した直後。アリスは仕事やボランティアに力を入れすぎて、同僚に鼻で笑われるほどの非リア充。ジェフはどんな仕事も長続きせず、直近では「無能すぎる」という理由で解雇されたばかりだ。

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そしてクララは夫との生活にトラブルが生じ、幼い子ども2人を連れニューヨークへ飛び出してきた。無一文なので食べ物も満足に買えず、ホテルに泊まることもできない。ホームレス同然の数日間を過ごすうちに、やがて精神的に追い込まれていく。

そんなクララを救ったのは、ティモフェイら「しくじった人々」からの親切だった。こんなシーンがある。料理店のマネージャーを任されたマークはある日、店に置いたピアノの下にクララと息子が寝そべっているのを見つけて、ギョッとする。

彼はこのあと、どんな行動をとると思うだろうか? クララを叩き出すことはせずに、あろうことか何も言わずに食べ物を提供するのだ。この場面を見たとき、図らずも目の奥が熱くなってしまった。

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アリスは「つらい体験をした孤独な他人同士よ。もっと思いやりを」と繰り返し語る。そうした親切や優しさが、まるでロープのようにクララの体を引っ張り上げ、再出発への活力を与える。彼女らの愛のエールがスクリーンから染み出てきて、何かとふさぎがちだった私の心にもじわじわと届いた。

そのうち胸から感動がこみ上げてきて、体全体を心地よく温めていった。幸福な気分は映画を見終わったあとも長い時間持続し、明日への力となる。コロナ禍で、不安も募りやすい今日このごろ。やさしさに包まれたなら――ぜひ映画館へ足を運ぼう。(映画.com編集部)

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【鑑賞前の手引き】「最強のふたり」「パブリック」…
“この映画が好き!”なら、本作は特にオススメ!

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特集の最後に、本作をもっと見たくなるよう“おまけ”を用意しました。以下の作品が好きなら、この「ニューヨーク 親切なロシア料理店」に満足できるはずなので、ぜひチェックしてみてください!


■「最強のふたり」

全身麻痺の白人大富豪と、彼の介護人となる貧困層の黒人男性の交流を、笑いと涙を交えて描いた大ヒット作。“境遇の違う人との出会いが導く人生の再出発”というテーマは、本作のいたるところに盛り込まれています。


■「マダム・イン・ニューヨーク」

自分の価値を認めてもらえなかった専業主婦が、人生のきらめきを取り戻す心の旅を描き、世界中の女性たちの共感を集めたヒット作。ニューヨークを舞台にした“女性の自立”というテーマが、本作と強くリンクしています。


■「チョコレートドーナツ」

性的マイノリティーのカップルが、育児放棄された子どもと家族のように暮らす姿を描く、実話を基にした名作。“子どもと家族の在り方”が重要なテーマとなる感動の物語など、本作との共通点が多くあります。


■「パブリック 図書館の奇跡」

大寒波の夜、ホームレスたちが占拠した図書館で巻き起こる“予想外の出来事”を描いたスマッシュヒット作。社会的弱者が連帯したことで起こる奇跡という筋書きや、現代社会と明確につながる時代性が、本作との共通点です。


■「ラブ・アクチュアリー」

クリスマス間近の英ロンドンを舞台に、さまざまな職業と年齢の男女19人が織りなす群像劇。ハートフルでチャーミングでロマンチックで……本作も、何度も見返したくなるようなラブストーリーです。


■「ペイ・フォワード 可能の王国」

アルコール中毒の母親や、近所にたむろするホームレスたちを気づかう少年が、受けた好意を他人に贈る“ペイ・フォワード”を実践する姿を描いた感動作。少年の「好意を他人に贈る」行動が、本作の「他人に親切にする、思いやる」というメッセージとリンクします。

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