「【暖かいものが食べたくなる】」ニューヨーク 親切なロシア料理店 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【暖かいものが食べたくなる】
自分を赦すことで、他人(ひと)に親切に出来たりするのかもしれない。
他人(ひと)に親切にすることで、自分を赦すことが出来るのかもしれない。
そんな事を考えさせてくれる作品だと思う。
世界には、ストレスだけじゃなく、孤独や暴力など、辛いことが溢れている。
人の溢れる都会であれば尚更だろう。
でも、人の多いところには、手を差し伸べてくれる人もきっといる。
ところで、なぜロシア料理店なのだろう。
オリジナルタイトルに、ロシア料理店は入ってないが、映画の物語の中心となる場所は確かにロシア料理店だ。
僕は、ロシア料理には、フレンチとかイタリアン、中華、和食には何かしらある高級感がないからではないかと思う。
けなしているわけではない。
まあ、強いてあげればキャビアだが、これはロシアだけに特徴的な食べ物ではないし、料理ではない。
思い出すのは、ボルシチにガルショーク、ピロシキと庶民的なものばかりだ。
生まれて初めてロシア料理を食べたのは新宿のスンガリーで、加藤登紀子さんがオーナーと聞いたことがある。
他には、ロゴスキーも思い出すが、正直、高級フレンチやイタリアン、和食と違って敷居は低い気がする。
映画のレストランもどこか暗くて、確かにピアノ下に潜り込んだら、よく眠れそうな感じだ。
でも、それが落ち着く人もいるのだ。
僕もそうだ。
それに、だんだん寒くなってくると温まるものが食べたくなる。
そのイメージも、この映画にはよくマッチしている。
オリジナルタイトルは、
The Kindness of Strangers
きっと、見知らぬ人々が、親切な心を通じて、ストレンジャーではなくなって、結びついていくのだ。
クリスマスに家族で観ても良いかもしれない。