「レベッカ・ファーガソンの眼が怖い。顔は笑っているのに全然笑っていない眼が怖し。」ドクター・スリープ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
レベッカ・ファーガソンの眼が怖い。顔は笑っているのに全然笑っていない眼が怖し。
映画『シャイニング』はホラー映画史上最高傑作らしいが、どこが最高傑作なのか、未だ私には分からない。全然怖くないし勿体ぶった演出も感心しない。しかし、好きな人やリスペクトする人は多いらしく、この映画の監督もそう公言している。ただ、この映画の場合、小説『シャイニング』と映画『シャイニング』と小説『ドクター・スリープ』とを上手く融合させた脚本には感心させられた。映画の後半は、設定以外は原作小説から離れてしまうが、これはこれで“映画””『ドクター・スリープ』としては成功していると思う。ラストが少し弱いのと、ダニーの「ドクター・スリープ」足るところの描写が中途半端なのと(まあ、題名を『シャイニング』と謳いながら、殆ど「シャイニング」の描写が無かった“映画版”『シャイニング』よりはましだけど)を除くと満足すべき出来だとろう(演出にうま味は無いが、脚本の勝利と言ったところか)。「true not」の連中が余り恐くもないし強くもないのが原作小説がホラーに成りきれていない弱点だが、それは映画版も同じ。ただ、野球少年を殺害するシーンをほぼ原作通りに映像化しているのはちょっと驚き。何せいたいけな男の子を惨殺するわけですから。「ローズ・ザ・ハット」は原作でも印象的なキャラクターだが、映画でもレベッカ・ファーガソンが好演で印象的。最後やられるシーンは映画オリジナルだが上手い落とし前の付け方だと思う。ユアン・マクレガーの口元がとても優しげなのに気付かされたのも好感度アップ。