「すごく見応えのあるダークファンタジーだった」ドクター・スリープ bionさんの映画レビュー(感想・評価)
すごく見応えのあるダークファンタジーだった
ITは、ホラー映画ベースの青春映画だったが、今回のドクタースリープは、ホラー映画というよりは、ダークファンタジー映画だった。しかもすごく出来のいいダークファンタジーです。
前作のトラウマを色濃く引きずる展開を予想していたのだが、最初のプロローグで、レベッカ・ファーガソンのかっこいいマジシャンハット姿に見とれて、はやくも前作の記憶が薄れる。そして、気がつくともう、新たな世界観に引きずり込まれていた。
さすがストーリーテリングの帝王。
狂人になった父親から命を狙われ、それがトラウマになっているダニー、ダニーと同じシャニング能力を持つアブラ、そして我らがファーガソンが演じるローズが束ねる謎の集団、この3つが互いに引き合い、感応しながら話は進んでいく。
何世紀にも渡って霊性が高い少年少女の生体エネルギーを捕食して生き続ける謎の集団という設定がいい。親玉は、妖しい微笑みでたくさんの人をたぶらかしたであろうローズ。この集団に美少女が加わるのだが、この美少女の能力がまた面白い。自分の発した言葉通り、相手を操ることができる。その能力を使って、下半身をギンギンにしてきたであろう哀れなおじさんにキツイお仕置きした上に、二度と美少女を相手に出来ないくらいの恐ろしい呪いをかける。今度、この少女を主人公にしたドラマを作ってほしい。
152分もあるんだけれども、3つそれぞれの絡み合いが面白いから全然長く感じない。また、音の使い方が効果的で、何かありそうな場面で、心臓の鼓動のようないやーな感じの効果音のようなBGMが流れるから、自然とドキドキしてくる。へレディタリーの影響を受けたのかな。
あのホテルに場面が変わると、前作をオマージュした不安感を煽る音楽が流れてきて前作シャニングの記憶が蘇ってくる。そして、そうきたか、こうくるのかと、前作を見た人間にとっては満足できるクライマックスだった。
アブラが朽ちた老婆がいるバスルームに入って行く意味って何だろう。
それはそうと、ドクタースリープっていいタイトルだね。意味がわかったとき、すごく納得ができた。お迎えが来ることを猫が教えてくれるって、どこかで聞いたような。
>あのホテルまで、アブラの霊体が移動して箱に封じ込める能力を試してみたということですね。
いえ、違いますよ。
アブラは追っかけてきた幽霊を返り討ちにしただけです。
あのホテルに行ったときに既に幽霊達に目を付けられて(呪われて)いますから。
映画初っぱなの、幼少期ダニーも同じ状況でしたから、役割を受け継いだことを意味するシーンでもありましたね。
bionさん、コメントありがとうございます!
いや~あの猫よかったですね。アビーちゃんでしたっけ?
まぁハリウッドもネタに困ったらアブラちゃんをまた使うかもしれませんが、シャイニングとはとんでもなく離れていきそうですねw
>アブラが朽ちた老婆がいるバスルームに入って行く意味って何だろう。
あれの意味はそんなに難しくないですよ。
直前のダニー幽霊との会話で、まだ世界のどこかにいる悪の生気喰い連中と闘う決意をしたアブラが、手始めとしてバスルームの幽霊を退治に行っただけでしょう。(あのホテルも生気喰いの一種)
ダニーもハロランの幽霊から箱を受け継いだことから、ほぼ確実にアブラも箱を受け継いでいるでしょうからね。
Hotelの地縛霊⁈の皆さんもちゃんと出番があって良かったです。
あのシーン、アブラはたぶん、ダニーから頭の中の柩を引き継いだので、自分も閉じ込めるかどうか試しにいったのではないでしょうか。
bionさんへ
MIBインターナショナルの例があったので今回は「レベたん、どんな役回り?どんないでたち?」ってのが気になってましたが。ある意味「普通の美女」でほっとしましたw
おはようございます。
悲しい出来事が日本でも頻発しますが、キングは自らの体験をシャイニングで描き、哀しき思い出を素晴らしい作品に昇華させているところが、頭が下がる思いです。只、キングが映画のシャイニングを否定しているのは、原作の内容、特に父との関係性が全く違う描き方をしたから と本で読みました。今作品はキングはどう思っているのか誰か聞いてくれないかなぁ、と思っています。
では。