黒い司法 0%からの奇跡のレビュー・感想・評価
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なまぬるい
今まで観た差別モノ、権力モノ、に比べ設定全てが中途半端。
差別シーンもどうにもならない悔しいシーンもどんでん返し倍返しシーンも
盛り上がりに欠ける。
やりなおーし と監督に言いたい。
シン・アラバマ物語 と 邦題を変えるべき
三権分立が大事な事は言うまでもない。しかし、先ずは行政と司法が癒着する事が問題なのだが、それは司法の更新が無い事が理由。そして、それが三権分立の最大の欠点だと僕は思っている。勿論、弾劾裁判がある事はわかっている。だがしかし、それが機能していない。また、12人の陪審員制度も見直さなければ駄目だ。
また、死刑制度も直ちに廃止すべきだと思う。それが、正義だと思う。
ヨーロッパで死刑制度が残る国は白ロシアだけである。あのロシアですら無い。
勿論、日本にはある。従って、脱亜入米なのだろう。これでは大日本帝国の頃の日本の方がしっかりしていたと言われかねない。
続・アラバマ物語?いやいや、シン・アラバマ物語でこのあと、新・アラバマ物語と続く。しかし、アメリカはアラバマ以外でも死刑制度は生き残っている。
だから『アメリカ物語』を制作するに至ってもらいたい。ここで語られている事は
『正義VS絶望』や『正義VS貧困』ではない。『正義 VS 間違った司法』つまり、少なくとも当該事件の場合『正義VS司法』にもだどりついていないと言う事だ。
普通は認めたくない類の映画だが次回作を期待して用いる最大の譲歩をして評価する。
なぜなら、白人の言い訳ストーリーになっている。それも、シン・アラバマ物語とディスる所以である。
最低な時代
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主人公は弁護士を目指してた学生時、ある黒人の死刑囚Aと出会う。
やがて弁護士になって無実黒人救済団体に入り、そのAと再会。
Aは無実だったが、もう諦めモードに入ってた。
当時のアラバマ州は黒人差別がひどく、多くの黒人が無実の罪で収監されてた。
Aも何の物証も裁判もなく、たった一つの目撃証言だけで殺人罪で収監されたのだ。
これを知り、主人公は再審請求を求めて無実の証拠を集め始める。
実は事件の日にAの息子の友人BがAを目撃しており、Aの無実は明白だった。
しかし警察からBに圧力がかかり、Bは証言を取り下げてしまった。
また主人公のところにも警察から圧力や、正体不明の脅迫電話が来る。
主人公はめげず、唯一の目撃証言をしたCを訪ねる。
Cも服役しており、警察の強烈な圧力で嘘の証言をしてたことを白状する。
良心の呵責に長年苛まれてたCは、再審請求裁判でも事実を述べてくれた。
他にもこの事件で正義を貫こうとしてクビになった元警官や、
Cが自責の念に長年苛まれてたのを知る精神科医が証言してくれた。
しかし裁判所の判断は、証言に信憑性なしとまさかの再審請求棄却。
主人公はこれを州の最高裁に訴えると共に、TV局に取材・放送してもらった。
また検事に対しても、立場を守るより共に正義を守ろうと必死で呼びかける。
州の最高裁は再審請求を認め、また再審請求では検事自ら再審を認めた。
こうしてついに再審が始まり当然の無罪。おめでとう~。
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劇場で見た。かなり評価が高かったので楽しみだった実話ベースの話。
どこまでが事実でどこからが創作なのかは分からないが、
たとえおとぎ話であっても、正義を貫き通す弁護士には心動かされる。
それにしても糞みたいな差別やな、1990年代でもこんな感じやったのか。
今じゃかなりマシになったと思うけど、人種差別は根強く残ってると聞く。
早くこういう意味のない優越意識が社会から消えることを望んでやまない。
貧困の逆は正義
GWワイルドスピードから観賞
1987年の事件ということはロスオリンピック後、日本ではバブルにむかう最中にこのような事件がおきていたとは…
エバ役のブリー・ラーソンが良いアクセントになっている
『やめても責めないよ』
『息子に思われたくない
ママはビビって正しい道をあきらめたと』
弁護士はもちろん彼を支えるエバがどんな人物かがこのセリフで理解できる
貧困の逆は正義
差別による暴動はこの言葉に込められている
0%の奇跡とはどのようなものなのか。全くこの作品について予備知識が...
0%の奇跡とはどのようなものなのか。全くこの作品について予備知識がなく、DVDのカバーで興味をもって借りてみた。
あらすじ
冤罪の死刑囚たちのために奮闘する弁護士ブライアン・スティーブンソンの実話を、映画化した作品。
黒人に対しての差別は法律上はないものの、1980年代の米アラバマ州では根強い黒人差別が横行していた。なんと、犯してもいない罪で死刑宣告された黒人がとても多かった。その現状を知って、新人弁護士のブライアンが立ち上がった。冤罪を証明すべく奔走するが、再審請求はすべて棄却されてしまう。その裏には、仕組まれた証言や白人の陪審員たち、証人や弁護士たちへの脅迫など、数々の困難に直面する。
ウォルターという黒人男性が、白人女性を殺した容疑で死刑判決を受けた。彼が犯人であることを示す証拠は一つとして存在しなかった。それにも拘わらず、検察側は誘導尋問などを駆使してウォルターを犯人に仕立て上げたのである。まさにずさんな状況であった。憤慨したブライアンはウォルターの無実を必ずや証明すると心に誓い、その弁護を買って出た。当初、ウォルターは「大学出のインテリ先生に差別の何が分かるというのか」などと頑なな態度を取るばかりであった。それこうして、ブライアンとウォルター、エバの3人は司法制度の不備及び黒人への差別意識という難敵と闘っていくのだった、エバの3人は司法制度の不備及び黒人への差別意識という難敵と闘っていくのだった。
本来、中立の立場である裁判所が中立で裁判していなかった。不公平がまかり通っていたのだ。
一度、再審請求が棄却された時点で冤罪をはらす手段がないと思えた。しかし、アメリカ全土に呼び掛けたこともあり、検察側が起訴を取り下げ、こウォルターの無罪、そして放免となったのだ。まさに地獄からの生還である。さすがのこの場面には涙が出てしまった。
感動の作品といっていいだろう。
正義の味方
ハーバードを出て、わざわざ南部のアラバマ州で死刑囚を助けるためにやってくる、これこそ正義の味方。名優ジェイミー・フォックス、ブリー・ラーソンが脇を固め、素晴らしかった。脅され嘘の証言をしたが撤回したティム・ブレイク・ネルソンも良かった。ラスト、検事も認めざるを得なかったのだろうが、もっと早く取り下げるべきだった。死刑囚の10人に1人は冤罪、それ以外は執行って恐ろしい数字だ。。実話だけに、ハッピーエンドで良かったとなるが、釈放されても、自由を奪った時間は取り戻せない。
いい映画です
これは私の勝手な偏見ですが、黒人の方々のパワーは凄まじいものがある。自分が何かで辛かった時もたくさん励ましてもらいました。学校を転校した時も周りの目など気にせずに真っ先に助けてくれたのは今も友達の黒人でした。
ただ、そのパワーや行動力の代償なのか、何か起こった時に後先考えずにことを起こしてしまうことがあるように思います。この映画でも解放された死刑囚の息子が法廷で叫んでしまいました。もちろん後先考えずに行動した方がいい場合もあります。日本人である自分なんかは考えすぎていつも行動が遅いです。ただ黒人の人たちの行動力が事件などでの逮捕につながってしまっていることもあるのではないでしょうか。色々考えさせられます。
もちろんこれは自分の勝手な偏見であり、自分もほんの一部の黒人の方にしか会ったことがないので、いい加減なことは言えないのですが。
いい映画です。ほんの一部でしょうが、黒人の方々がどのような扱いをアメリカ南部で受けてきたのかが分かります。
堅実な実話もの
正直、この手の作品はいつも余り楽しめないのだが、作品は見る側を裏切らない良質さを備えている。しかし問題の深刻さは物語がハッピーエンドであればあるほど残った闇の深さと巨大さが増すばかりで見終わった後の感動よりも暗澹たる気持ちの方が増大する。個人的感想は別に作品の客観的な完成度で、今回は星付けした。
見応えありました。
1980年代のアメリカの南部は、まだこんなのか?
貧困の黒人は、犯罪者?そんなアラバマ州で死刑囚になったジェイミーフォックスの無罪は取れるのか?
勝ち目ない闘いを粘り強く闘う
若き弁護士マイケルBジョーダンがいいね。
「上級国民裁判」により、日本の司法が試されている今こそ観るべき一本!
黒人差別が根強く残るアメリカ南部を舞台に、死刑囚の弁護を専門に行うため北部より移住してきた若き弁護士ブライアンが、冤罪により収監された黒人男性ウォルターを救うため奮闘する、実話を基にしたリーガル・ドラマ。
主人公ブライアンを演じるのは『クリード』シリーズや『ブラックパンサー』のマイケル・B・ジョーダン。製作総指揮も担当している。
冤罪により死刑囚となってしまった男ウォルターを演じるのは『アニー』『ベイビー・ドライバー』の、オスカー俳優ジェイミー・フォックス。
ブライアンを助ける人権活動家エバを演じるのは『ルーム』『キャプテン・マーベル』の、オスカー女優ブリー・ラーソン。
特に意識してないのに、なんか最近ブラック・ムービーばかり観ている気がする…😅それだけたくさん作られているってことかな?
原題は『Just Mercy』。直訳すると『公正な慈悲』とかになるのか?
身分や人種によって量刑が変わることがないよう、公正な裁きを求めて活動する弁護士ブライアンにぴったりの言葉ですね。
『黒い司法 0%の奇跡』…。こんなダサい邦題じゃ、視聴意欲がなくなるよ〜。わかり易けりゃ良いってもんじゃないでしょ💢
まぁ、それは置いといて。
映画の内容は素晴らしかった!
死刑というセンシティブな問題を扱い、そこに存在している人種差別を鋭く抉った社会派映画。
個人的に死刑反対!…というスタンスではないですが、死刑とは確固たる司法制度の下に行われるべきであり、そこに人種差別や身分差別が介在してしまうようでは、大いに問題があるでしょう。
我が国日本も現在「東池袋自動車暴走死傷事故」の刑事裁判が行われており、司法制度の根本を大きく揺るがしています。
日本でも身分による量刑の増減があるのか。そういったことが明らかになるこの機会に、本作のような映画を鑑賞し、司法について考えるのは大事なことではないでしょうか?
話が脇に逸れたので本筋に戻します💦
まず本作の役者陣の演技、良かったです!
今現在、体制との戦いが最も似合う漢、マイケル・B・ジョーダン!
闘う男を演じさせたらこの人の右に出る役者はいない!いつもギリギリの戦いを強いられているような気がする笑。
個人的にMJ好きなんだよな〜。野性と知性を兼ね備えた男って感じがする。
MJ演じるブライアンが、幾度も人種差別を受けながら、それでも立ち上がり続ける姿には感動した。これでこれを観て心が震えなければ男じゃねぇ😤😤
地方検事や保安官の役者も上手かった。あんなに映画の登場人物にむかついたのは久々だったなぁー。
全体的に少し説教くさいところはある。
人種差別について思うところがあるのはわかるが、ちょっと映画の表面に出過ぎていたかも。
黒人の過去や死刑について、説明的なセリフが多すぎて座りが悪く感じるところはあった。
南部の白人の観客は凄く気まずかっただろうな〜、とか思っちゃった。
とはいえ、差別に真っ向からぶつかるブライアンの姿は熱い!
誰がどう考えても狂った判決なのに、それが当たり前のようにまかり通っていることへの恐怖をすごく感じたし、こんな戦いにどうやって勝つんだよぅ…と、クライマックスギリギリまで思わせてくれる構成は見事👏
最後の最後、ブライアンとウォルターが勝利を掴んだ瞬間、熱い涙がこぼれました…😭
また、熱い人間ドラマだけでなくミステリー的な要素も楽しむことが出来る。
真犯人が結局分からず仕舞いというのはモヤモヤするけど、まぁ実話ベースだから仕方ない。
いや〜、しかし黒人差別についての映画となるとほぼ全てアメリカ南部が舞台になりますね。
アメリカ南部へ行ったことがないのでよく分からないのだが、今でもそんなに酷いところなんだろうか。
公民権運動のシンボルである「アラバマ物語」の記念館があるのに、全く差別がなくなっていないという皮肉めいた描写がトゲのように心にささりました。
差別を差別だと思っていない、それが普通のことだと思っちゃてるんですねぇ…。差別がなくならないわけだわ。
一点気になったのは、本作でブライアンが出会う死刑囚はみんな冤罪だったり不当に重い量刑を受けた人たちだったこと。
でも中には正真正銘の悪人も居るはずで、そういう人と相対したとき、ブライアンはどういう態度を示すのでしょうか?
この世の中には立派な人が沢山いるんだなぁ、と感心させられる一作。本物のブライアンはまだ現役バリバリで活動しているんだと思うと不思議な気持ちになる。また一つ学ばせて頂きました。
差別や死刑を描いた映画だが、そんなに暗くはない。ただドスンと重いパンチを喰らわせてくる一本。
ブライアンの戦いぶりはまるで『クリード』のアドニスのようなので、『ロッキー』シリーズのファンにもオススメ!
心に闘志が宿ること間違いなし!🔥
※アメリカは州によって死刑があったりなかったり。
どの州で死刑が存在しているのか調べてみてビックリ!殆どが南部じゃないですか。
人種差別の根強い南部で死刑が採用されていることに強い違和感を覚えました。
大体、アメリカにおける黒人の人口割合は大体12%くらい。
それなのに、アメリカの全死刑囚の中で黒人が占める割合は42%にも上ります。
これは単に黒人に凶悪犯罪者が多いからなのでしょうか…。それとも…?
作中、差別的な保安官と地方検事が登場します。
映画によく出てくる保安官って一体何者なんだろう。なんとなく分かった気がしているけどよくわからないぞ?
と思っていたところ、たまたま読んでいたレイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』の後書きで村上春樹がわかりやすく解説してくれていました。
簡単に言うと郡の警察のトップのことなんですね。
ちなみに保安官も地方検事も住民による一般選挙によって決定されるらしい。
作中のエンドロールでも説明されていたが、強引な捜査でウォルターを有罪にしたネイト保安官は6回再選され32年間も保安官を務めた。
つまり、あんな人種差別的な冤罪事件を起こしておきながらモンゴメリー郡の人々は彼を選挙で選び続けたわけです…。
2019年までネイト保安官は在職し続けたんですから、アラバマって凄いところなんですねぇ…😞😞😞
黒人に偏見を持つ人々が警察のトップである保安官を選挙で選ぶのだから、その保安官も黒人に対し偏見を持っている可能性は高くなる。
さらに地方検事も選挙で選ぶのだから、もしその地方検事も黒人に対して偏見を持っていたら…。
黒人に対する不当な逮捕、冤罪がまかり通るのも当たり前な気がしてきた。システムがそうなってるんだもん。
馬鹿じゃねぇの…☠️
人に嫌われるのはいい、でも家族への脅迫は・・
映画「黒い司法 0%からの奇跡」
(デスティン・ダニエル・クレットン監督)から。
映画「グリーンブック」(ピーター・ファレリー監督)では、
「才能だけでは十分じゃないんだ。勇気が人の心を変える」を
ピックアップしたが、アメリカ南部の黒人差別は、
昔はこんなにすごかったのか・・と考えながら観ていたが、
メモの年代を見て驚いた。
ずっと昔の話ではなく、ほんのちょっと前の話だったから。
映画「グリーンブック」でも私は既に生まれているし、
今回の作品では、私はなんと成人として働いていた。(汗)
そんな年代に、こんなことが起きているとは・・愕然とした。
さらに、差別撤廃のために立ち上がった主人公だけでなく、
それを応援しようとした、白人にまで火の粉が降りかかる。
非難覚悟で活動している自分は何されようと諦めているが、
「人に嫌われるのはいい、でも家族への脅迫は・・」
と訴えた白人女性の気持ちが心に刺さった。
現代でも変わらない、匿名での誹謗中傷や脅迫は、
自宅に爆弾を仕掛けたなどの家族まで巻き込んだ脅迫だったから、
その卑劣さが際立った。
最後に残った感想は、主人公に卑劣な態度をとった警察官たちは、
何も処分されないのだろうか・・という疑問。
弁護士が身体検査だと言われ、全裸にさせられたシーン、
理由もなく車を止めて降りろ、と銃口を向けたシーンなど、
この屈辱こそが、主人公の絶対に諦めない、という
執念に繋がった気がする。白人たちは自業自得だな。
それでも闘い続ける
アメリカ公開は昨年末、日本公開は今年の2月。
今アメリカではコロナ感染と共に、白人警官による黒人青年暴行死、それに対しての抗議デモが全米過去最大級に拡大。
タイムリーな今に、レンタルリリース。
今回のアメリカ社会の問題もいずれ映画化されるだろうが、本作も実話に基づく作品。
ハーバード出の若き黒人人選弁護士ブライアンは、エリートの道を蹴って、アラバマ州へ。
あの『アラバマ物語』の舞台となった町だが、皮肉にも1980年代のアメリカ南部のそこは、人種差別の掃き溜め。
白人は勿論黒人からも白い目。エリートが何故こんな地に…?
冤罪の死刑囚、貧しい人々の支援を買って出る。
死刑囚監房で多くの死刑囚と面会する中、ある一人の死刑囚と出会う。
彼の名は、ウォルター・マクミリアン。通称、ジョニー・D。
18歳の白人少女を殺した罪で死刑。
…が、話を聞き、事件の概要を調べてみると、衝撃!
有罪となるにはあまりにも不確かな証拠。
デタラメな証言。
家族や知人によるアリバイもある。
逮捕され、裁判もナシにこの死刑監房へ…!
100%の冤罪。100%の人種差別。
この地では、白人は皆、黒人にこの囚人服を着せたがっている。
この地では、白人は皆、黒人を死刑にしたがっている。
見てたら怒りしか沸いて来なかった。
こんな差別が平然とあっていいのか!
これがあの『アラバマ物語』の舞台の現状か!
斬新な作品ではないものの、ド直球のストーリー、ド直球の裁判モノ!
冤罪を晴らし、人種差別と闘う主人公の不屈の精神。
何度も何度も何度も何度も無罪の訴えを無視され、諦めかけていたジョニー・Dも再び闘う決意をする。
当初はこの青臭い理想主義のハーバード出のお坊っちゃんを信じていなかったが、奔走する彼の姿に…。
ブライアンもまた、諦めないジョニー・Dの姿に…。
築かれる絆と、友情。
何故ブライアンはこんな苦闘に身を投じる…?
一見エリートのブライアンだが、生い立ちはこの地の黒人たちと同じ。
世界を変えたい。
人種差別という、敵。
エンディングの実録映像で、ある冤罪黒人死刑囚が白人から言われた「有罪者は顔で分かる」。
仰る通り。白人保安官、白人検事のムカつく顔と態度。
権力を使って、ことごとく妨害。
どっちが罪だ?
差別が蔓延るが、探せば中には、無実を証明出来る証拠や協力者も居る。
それは鬼に金棒レベル。いや、勝機のチャンスはほぼ確実と言って良かった。が…
阻まれ、打つ手ナシに追い込まれる。
そんな時、再び希望が…。
ピンチと逆転の連続。裁判モノはこの二転三転があってこそ!
本当に見せ場も醍醐味もたっぷり!
実力派たちの熱演…いや、“闘演”と言った方がいい。
一人一人に誠実に寄り添い、決して諦めず闘い続けるブライアン。マイケル・B・ジョーダンの真っ直ぐな姿。
言動一つ一つでジョニー・Dの境遇を体現。ジェイミー・フォックスのさすが見事な名演と存在感。
ブライアンの協力者エバを演じるブリー・ラーソンも劇中さながら好助演。
余談だが、ヒーロー映画出演経験ある3人(の内2人は敵役だったけど)。今作では現実社会の悪と闘う狙ったキャスティング…?
メイン以外の人物やエピソードも印象的。
ジョニー・Dの隣の房の老黒人死刑囚、ハーブ。ベトナム戦争のPTSDから我を失い爆弾を作ってしまい、それによって…。PTSDや犯した罪に苦しみ続け、ブライアンの尽力も及ばず、遂にその時が…。涙ナシには見られない!
デタラメな証言でジョニー・Dを死刑にした白人囚、マイヤーズ。トラウマや白人権力に脅迫され…。自分の保身が優先だったが、この男にも自責の念。前証言を撤回してくれるか、ジョニー・Dの命運が懸かる証言席へ…!
実話基なので結末は分かり切っているが、
憤りを感じ、ハラハラスリリング、そして熱いメッセージと感動。
約140分、喜怒哀楽を揺さぶられた。
期待以上の見応え!
死刑囚はそれほどの罪を犯したのだから、その罰を受けて然るべき。
しかし、中には…
真実をねじ曲げられ、不正や差別によって、不条理に死刑宣告を受けた人たちが今もたくさん居るだろう。執行された人たちも。
作品の舞台では、黒人がほとんど。
その怒り、悲しみ、無念…。
アメリカで奴隷制度が廃止されて100年以上。本作の時代から約40年。
にも拘らず、アメリカでは今も尚続く人種差別。
これはもう単なる問題ではない。アメリカの闇だ。アメリカの病気だ。
それを正さなければならないアメリカのトップが、人種差別主義の独裁者。デモを辞めなければ軍を出動させるなんて、それを裏付ける言動だろう。
いつか、そんな無念が晴らされる日は来るのだろうか…?
時に真実は歪曲され、理想だけではやって来ない。
希望を諦めず、闘い続ければ、その日はきっと…。
人種差別撤廃!それってさぁ。
アメリカでの、黒人差別が原因と思われる
冤罪事件。
それに立ち向かう、若き法律家と、古い裁判所の対立を描く。
黒人差別のアメリカでの実態は、実感としてわからないというところが本音だ。
まあ、日本人含めたアジア人も差別される側だから、
他人事ではない。
世界的に、人種差別撤廃だー!
って、今更だけど、コレを最初に国際政治の場に提案したのは、日本なんだよ!
1919年の、パリ講和条約の場だよ!
第一次世界大戦後の事!
この、映画の年代って、いつだったっけ?
こんな現実じやー、そんな法律賛成出来るはずないよな。
アメリカも、都市部と、それ以外ではかなり違うから、
都会の部分だけで評価しないほうがいいかな。
アメリカの現実、日本の現実、しっかり見つめて、
正義の実現している社会を作っていくべき。
何が出来るの?って思っちゃう人が自分を含めて多いかもね。でも、絶望してはいけないって、映画でも言ってたし、
ひとりひとり考えていこう。
追伸
だけど、なんでこの主人公の青年は、貧しいであろう環境から、ハーバード大学に行けたのかな?
そういう公平な、制度もアメリカのいいところだけどさ。
不誠実に抗う人々の闘いの記録
黒人だからという決め付けと国家権力の横暴がもたらす恐ろしい冤罪とそれを覆そうと奮起する人達を描いた本作。リチャードジュエルにも通ずる司法の闇に焦点を当てており、大まかには似通ってるんじゃないのかなと鑑賞前には侮っていたのですが、結果として鑑賞中何度泣いたかわからないほど感動させられました…(ちなみにリチャードジュエルもかなり好きですが。)
流れとしては、使命感に燃える弁護士が土地柄と差別、権力の横暴によって産み出され、かつまともな支援を受けることすらなく死刑囚となってしまった人々のために闘うというお話です。しかし、差別と公平でない司法を相手にしてそう上手くいくはずもなく、新しい証拠を見つけてもそもそも取り合ってもらえないし、新しい証言も不法な検挙で圧力をかけるといった汚い妨害と、凄く鬱屈した感情を抱かされました…。ただ、終盤万事休すと思われた状況が好転していく過程で一気にカタルシスを得ることができ同時に涙腺が決壊しました…素晴らしい映画でした。
リチャードジュエルのときにも感じたことですが、このような杜撰な冤罪がそう遠くない過去だということ。ジュエルもマクシミリアンも既に他界されていますが、収監生活の影響は多大だったことでしょう…司法が殺したも同義なのかもしれない…改めて恐ろしさを覚えました。
惜しむらくはコロナウィルスのせいで日本での興業が…というところ…演者の熱演だけでも十分に鑑賞する価値があります!アカデミー賞ノミネートのジミーフォックスは勿論ですが、なんといっても主演のマイケル・B・ジョーダン!クリードで鍛え上げた肉体美(本作でそれが重要かは置いておくとして…)は勿論すごいのですが、静かな怒りや堪えきれず泣いてしまう場面の表情演技、不正を糾弾する力強い声音…ほんとに素晴らしい!
劇場で観ないのは本当に勿体ない!おすすめです!
腐った司法
白人の18歳の女性を殺した罪で死刑判決を受けた無実のマクミリアンを救う弁護士の話。
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ネトフリの『13th 憲法修正第13条』っていうドキュメンタリー見て、それの後だったからより理解ができたし現実味があった。この映画の背景を知りたいならオススメ。
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このドキュメンタリーでもやってたけど、この状況を打開するにはやっぱりSNSとかのメディアを使って裁判所や警察がどんな不正な事をやっているかを一般の人に知ってもらう必要がある。
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この映画の時代でもテレビを使って世論を動かすことで反撃していったし、今の時代SNSがあるからすぐに情報は全世界に広がるし。SNSって正しく使えれば大きな力になる。
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政府がか弱い白人女性を襲う野蛮な黒人っていうイメージを付けさせようとするなら、こっちも無力な黒人を権力で抑え込む白人警官っていうイメージ戦略で戦うのは正しいと思う。
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そんなに注目はしてなかった作品だったけど、めちゃくちゃ良かった。死刑執行のシーンをちゃんと描いてたりもして、良かった。
ただまっすぐに
ずっと観たかったのですが
コロナをかき分けて空いてそうなとこ狙って鑑賞
感想は
非常に良かったです
日本人には理解しがたい米の差別社会
そして真っ向から立ち向かった人がいた実話を
つぶさに感じ取ることが出来ました
黒人差別のすさまじいアラバマでデッチあげ冤罪から
死刑判決を受け収監されているマクミリアン(ジェイミー・フォックス)
を救うためにハーバード・ロースクール出のインテリジェント弁護士の
ブライアン(マイケル・B・ジョーダン)が奔走するストーリー
黒人と言うだけでまともな審理もされず
デッチあげで死刑囚として執行まで行われている現実に
ぶらいあんはあくまで真っ向から立ち向かい
理不尽な状況から巻き返していきます
その中でどうしても救えなかった(冤罪でない)服役囚の
死刑執行に立ち会いますが
細かな描写の電気イスによる執行シーンは初めて見ました
いくら法により執行される刑としても
人が人の命を奪う事に関して考えさせられます
個人的には極刑の存在意義よりも
その量刑を課されるだけの妥当な審理が行われたか
と言う点が重要なのだと思いますが
それが人種や地域的な的な要因
または司法取引といった通例で充分行われていない
現実を感じました
これに立ち向かった人が実話として存在すると
言うのは驚くべき事だと思います
日本だと過払い請求や左翼運動などで目立ち
イマイチなにをやる人かわかりにくい弁護士という
仕事ですが元々こうした役割を担っているんですよね
クリードも熱演だったマイケル・B・ジョーダン
もはや名演枚挙に暇がないジェイミー・フォックスの
演技もテーマに負けじの素晴らしいものでした
これはおすすめしたいと思います
切なかった
・あいつが犯人にとって都合がいいから犯人っていうあり得ない事が司法の世界に適用された悲劇と絶望が切なかった。これも冤罪というのだろうかと思えるほどお粗末な行為が怖かった。なぜこうなってしまうんだろう。
・一番印象深かったのがジョニー・Dの監獄の隣に入っていたベトナム戦争のPTSDから爆弾を作ってしまい子供を殺してしまった事を含めて気に病んだハーブという名の男が執行差し止めを棄却されて電気椅子に連れていかれるシーン。ハーブはずっと何でこんな事をしてしまったんだと終始泣きそうな顔と声で結局、死刑になった。具体的にどういう事件を起こしたのかがわからなかったけど、遺族から見れば死刑じゃなくなるのは理解できないだろうとは思う。とはいえ、国のために戦った末に国に捨てられて天涯孤独の末に電気椅子は悲しすぎる。そんな中で監獄でようやくジョニー・Dなどの人間関係ができるというのが更に泣けてきた。弁護士のブライアンが会いに行った際に、ベトナムの方がここよりは全然良いみたいなことを言った後、希望した曲を流れている中、監獄に入ってる他の囚人が音を立ててハーブに最期のエールのようなものを送っていたのが、とても切なかった。ハーブの命をあそこにいる人たちは何も思ってないんだなと思ったら泣けてきた。誰もハーブの苦悩を共感しようともしないのが苦しかった。しかし、刑の後、最初、怠惰そうで冷たかった白人の若い刑務官も気持ちが変わったのが、とても良かった。偽証をさせられた男も、ブライアンも電気椅子の光景を観て考えが変わったというのが少しでも共感できると思える名シーンだった。
・偽証させた保安官がラスト、結構長い間現役で活動していたらしいのが怖かった。
・デトロイト、ドリーム、ジャンゴとか黒人差別がテーマの映画ってアメリカではどういった受け取られ方をしているんだろうと疑問に思った。
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