劇場公開日 2020年2月28日

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「「アラバマ物語」が表す意味」黒い司法 0%からの奇跡 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「アラバマ物語」が表す意味

2020年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

知的

黒人と言うだけで殺人の罪を着せられて

無実のまま死刑になった人がどれだけいたんだろうか?

アメリカの根強い黒人差別問題を
冤罪事件を通して描いています。

主演は「クリード チャンプを継ぐ男」や

「ブラックパンサー」の悪役キル・モンガーの
マイケル・B・ジョーダン
共演は「キャプテン・マーベル」のブリー・ラーソン
映画の途中、
腹立つ白人中年出っ腹親父(トランプみたいな)に

二人とも変身してやっつけてしまえ!
と言いたくなる様なひどい白人権力者ども!!!

最後まで気の抜けない物語であり
でも最後はなんとか心が晴れる作りになってます。

自分は人種差別なんかしない人でありたい。

ちょっと胸に手を当てて観て欲しいですね。

で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては

この映画の最初の方で、主人公に対して

土地の白人達がやたらに何度も

「ここは『アラバマ物語』のモデルとなった土地だから」
「『アラバマ物語』記念館を見てくると良い。」と進める。

「アラバマ物語」と言えば1930年代のアメリカ南部で

無実の黒人青年を弁護する正義の白人弁護士の話で
そんな正義の物語のモデルとなった土地の人々なのに
こうして黒人を有罪にしている!
なんと言う皮肉!!

と、観た直後は思ったのだけど


改めて「アラバマ物語」のあらすじを読み直してみると
白人弁護士の弁護も虚しく、白人陪審員の偏見により

黒人青年は有罪とされてしまう。

白人弁護士は青年に控訴すれば無実になれると説得するが

絶望した青年は護送中に逃亡し、その場で射殺されてしまう。

つまり、何が何でも黒人を犯人にしたい土地なのだ!
と、自分たちの愚かさを宣伝しているようなものだ。

黒人問題だけでなく、この世の中に
冤罪事件ってどれだけあるんだろうか?
権力者が偏見を持つと言うことの恐ろしさが
嫌と言うほど伝わってくる映画です。


@お勧めの鑑賞方法は?
配信でも良いからじっくり観て欲しいです。

星のナターシャ