「良品です」黒い司法 0%からの奇跡 aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
良品です
重いけど爽快。矛盾してるけど、鑑賞直後に感じたのはそんな感想だ。
「法のもとの平等」を実現するのがいかに困難か、でも諦めずに理想に向かって行こう、というメッセージが明快で、その点の爽快さがある。しかし、目の前で展開される理不尽な差別の数々は、痛々しくて気が滅入る。
現実の話だというストーリーは、明らかに正義を蔑ろにした内容で、これが公正な裁きをすべき裁判所で現実に行われていたと思うと、公権力の怖さを感じる。事実は曲げられ、無視され、ねつ造すらあり、そこから罪のない人間を死刑囚に仕立てあげる。法律の名の下に行われる私刑であり、公平さとは程遠い光景だ。でも、正義を信じて粘る若い弁護士と、彼を信じる死刑囚の友情が、やがて実を結びはじめる。
映画的には、正統すぎる内容だけど、逆にそれがいい。とても良質な作品で、満足でした。
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