「必ず2度は泣かされる!!」黒い司法 0%からの奇跡 茉恭(まゆき)さんの映画レビュー(感想・評価)
必ず2度は泣かされる!!
後半は泣きっぱなし!!!
なんだよこれグリーンマイルみたいじゃないか!!!
食わず嫌いはよくない。
タイトルがいまいち、裁判劇なんてもう見飽きたなんて思ってたら、
この作品にカウンターパンチを喰らう。
1980年代に実際にアメリカであった事実をもとに作られた作品で、
まず驚いたのは、たった40年前なのにまだ黒人差別が色濃く残っている地域があるということ。
差別なんてものじゃない、劇中のセリフにもあるけれど、
「黒人というだけで有罪」がまかり通っていること。
どうして人は、生まれながらになにかに優れている人たちに、
こうして牙を剝くのだろう?
平和を願う気持ちも、
互いに助け合って生きようという気持ちも同じなのに、
ほんのちょっと違うところに魔が刺してしまう…。
今作は、これでもかというほどに
主人公が追い詰められ、それでも最後まで諦めなかったことで、
エンターテイメントが成立している。
語りたいことも、腹立たしいこともたくさんある。
でも、私は検察側も判事側も憎むべき対象ではないと思っている。
時代が、戦争が、彼らから視界を奪ったのだ。
セリフのひとつひとつが重く、
そしてその時代を反映している。
きっと今も、処刑される死刑囚の中で、無実のまま眠りについた人もいるのだろう。
いつになったら、いつになったら…。
そればかりが頭をよぎる。
この作品は、アカデミー賞を獲るべきだと思った。
そして人種だけでなく、こうして「ほんの少し違う」人たちへの偏見をなくすために、
団結しなくてはならない。
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