「私は進む 少しでも高みへと。」黒い司法 0%からの奇跡 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
私は進む 少しでも高みへと。
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アラバマ州モンロービル、『アラバマ物語』の舞台。昔とまったく変わらない黒人軽視の社会がまだそこにある。
長い歴史を積み重ねて虐げられてきた黒人たちの連帯感。人種を意識せずに不当に虐げられた人間を憐れむ白人看守の存在。未来への希望は見える。
しかし裁判の結果、道半ばなれど彼らが勝ち取ったものは大きいが、真犯人はいまだ野放しであることに変わりはない。「無実の彼から奪われたものは多い、だがこれを先例とすればより良い社会になれる」と自らを励ます姿の尊さ。徐々にその理想に近づく気配はあるものの、完璧な理想の社会になることはないだろうなあという絶望は付きまとう。ただ、ブライアンとジョニーDは、ジョニーDが亡くなるまで親友だったという事実は救いとなった。
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