「強い信念と希望を捨てずに」黒い司法 0%からの奇跡 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
強い信念と希望を捨てずに
ワーナー・ブラザース試写室にて試写鑑賞。
とても見やすく、理解しやすく、そして共感し、まさに作品に支配されてしまった。
話の軸はM.B.ジョーダン演じる弁護士ブライアンとJ.フォックス演じる無罪の囚人マクミリアンのエピソードとなる。
およそ30年前にアラバマで起きた殺人事件。無罪を主張するマクミリアンに対して十分な証拠もなく、囚人のデタラメな証言で殺人犯に仕立てあげられ、死刑になるのだから恐ろしく思う。
それもたった30年前までこの州では頻繁に起きていたというのだ。
ストーリーとしてはきちんとマクミリアンの無罪が認められるから安心して見られる。
最後は検察側にもブライアンの真実の声が届き無罪を認めるから見ていてスッキリする。
この作品は冤罪を無罪にするだけではなく、ブライアンの強い信念、決して希望を捨てない姿になにより心を打たれた。
日本に住む自分にとって、冤罪により迫害を受けるという恐怖はゼロじゃないにしてもなかなか想像はつかない。
ただ社会に出ると、自分の正義や真実を否定され、時に悪や嘘が正義、事実としてまかり通る時は少なからず誰しもが経験はある事ではないか。
この作品を見てると仕方ないと受け止め流すのではなく、強い信念と明るい希望を常に持ち続ける事が大切なんだと改めて感じた。
被害者のマクミリアンも劇中で、事実でない事を言われ続け生きているとそれが真実と思い込み生きる希望を失ったと語ってたシーンがあった。
自分の中の正義や真実を失った時人は死んでしまうんだと改めて感じさせられる。
ブライアンは数多くの冤罪者、必要な法的擁護を得られなかった囚人を援助してきたわけだからあくまでマクミリアンは数多くの一部に過ぎない。
横の房のレイも30年の時を経て自由を得たことを最後に知ることもできた。
この作品を通してアメリカで起きてた差別の事実を知る事ができ、同時に自分自身の生活、生きることに対して、改めて希望をもたらせてくれる。そんな作品だった。