ジョーカー : 特集
ベネチア国際映画祭金獅子賞の「今年必ず見なくてはならない1本」
どうして… 心優しい男が、“悪のカリスマ”ジョーカーになったのか?
切なく衝撃の“真実”が明かされる すでに“アカデミー賞確実”の声!
「この映画は絶対に劇場で見る」とリストアップしている作品が、映画ファンなら誰しもあるはずだ。「アクアマン」「シャザム!」「アベンジャーズ エンドゲーム」「天気の子」「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」など……。公開を待ちわび、期待に胸を高鳴らせる日々を送る人も多いだろう。
ホアキン・フェニックスが主演した「ジョーカー」は、「今年必ず見なくてはならない」と自信を持って断言できる“とんでもない作品”だ。アメコミ映画としては初となる第76回ベネチア国際映画祭の金獅子賞に輝き、すでに「アカデミー賞は確実」との呼び声高い本作。10月4日、世界は“衝撃”に揺れる。
純粋で心優しいアーサーが、なぜ狂気の“悪のカリスマ”になったのか?
あなたの人生に衝撃を与える、切なく、サスペンスフルな人間ドラマ
描かれるのは、心優しい男が悪へと堕ちていく過程だ。「ハングオーバー!」シリーズなどで手腕を発揮してきたトッド・フィリップス監督がメガホンをとり、胸が張り裂けそうなほど切なく、衝撃的な“真実”を白日の下に晒す。これは、あなたの人生とも無関係ではない、サスペンスフルな人間ドラマである。
◆人々が、世の中が、彼を狂気へと導いていく… アーサーがたどる人生とは?孤独だが純粋な心を持つアーサー・フレック(フェニックス)は、コメディアンを夢見ながらピエロメイクの大道芸人として暮らしている。「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という、母の言葉を胸にして……。
しかし人々は、世間は、彼に対して冷酷だった。なぜアーサーは、悪へと変貌してしまうのか。隠された真実が明らかになっていく過程に、見る者の感情は千々に乱れていく。
◆アメコミ史上、最高峰のヴィラン“ジョーカー”の誕生
そもそもジョーカーとは、何者なのか。DCコミックスに登場する道化師のメイクを施したヴィラン(悪役)であり、予測不能な劇場型の犯罪と、その強烈なキャラクター性で、世界中のファンを魅了してきた。“世界で最も有名な悪役の1人”と称される、唯一無二の悪のカリスマだ。
しかし、ジョーカーがどのようにして誕生したのか、改めてそう問われると答えに窮してしまう。その過去の多くはベールに包まれており、今までどの映画でも詳細に語られることはなかったからだ。本作はそんなジョーカーの内面に深く入り込み、“普通の青年だった過去”にスポットを当てることで、謎めいた誕生の秘密を詳らかにしていく初めての作品である。
◆初めて明かされる、予想をはるかに超える真実とは?本作には、原作は存在しない。フィリップス監督がさまざまなコミックスから要素を抽出し、新たに再構築した完全オリジナルストーリーだ。つまり、たとえ熱烈なアメコミファンであっても、知ることのなかった物語である。フィリップス監督らしい、センスあふれるトリッキーなエンタテインメント性も健在で、あらゆる角度から観客の心を鷲掴みにして離さない。
ジョーカー誕生の背景は切なく衝撃的であり、他のヴィランたちの物語とは決定的に異なっている。狂っているのは自分か、それとも世界か。初めて明らかになる“予想をはるかに上回る真実”とは――?
鑑賞後、あなたはアーサーに何を思うのか――
孤独な男に起きた衝撃の真実に、きっと“言葉を失ってしまう”
アーサーの人生。彼の身に起こるさまざまな事件。現実世界でも発生する“問題”を考えさせるような、リアリティが横溢している。そしてそれは、見る者を圧巻の映画体験へと導いていく。
鑑賞後、あなたはアーサーに対し、どのような感情を持つだろう。憐憫か、憤懣(ふんまん)か、軽蔑か、慈悲か、偏愛か。もしも自分がアーサーの立場だったら、彼のようにはならない、と言い切れるだろうか。
重厚で濃密なテーマを掲げた本作は、ベネチア国際映画祭の最高賞である金獅子賞に輝いた。近年は「シェイプ・オブ・ウォーター」「ROMA ローマ」が獲得した同賞は、アカデミー賞の行方を占う前哨戦として重要視されている。その意味でも本作は、“アメコミの映画”という一領域にとどまらない、“映画史に残る一作”といっても過言ではない。
「アカデミー賞は確実だ」 世界中の映画人が驚嘆、陶酔…!
ハリウッドの超実力派による“想像を超える体験”を、劇場で確かめよう――
“世界三大映画祭”である第76回ベネチア国際映画祭に集った批評家たちも、本作に驚嘆せざるを得なかったようだ。公式上映終了後にはスタンディングオベーションが沸き起こり、それは8分間も続いた。
最大級の評価を受けた要因は、作品としての完成度のほかに、アーサー役を担ったフェニックスの演技も挙げられるだろう。苦悩や問題を抱えた内面だけでなく、痩せさらばえた肉体などを徹底的に表現したその姿は、鬼気迫るものがあった。
そして、役づくりの鬼として知られる名優ロバート・デ・ニーロの共演も忘れられない。アーサーが憧れるテレビ司会者、マーレイ・フランクリンに扮し、その偉大な存在感で下支えしている。
フィリップス監督は本作について、デ・ニーロの代表作であり、アメリカン・ニューシネマの傑作でもある「タクシー・ドライバー」「キング・オブ・コメディ(1983)」からの影響を公言している。デ・ニーロの出演は、運命的なものと言えるだろう。
・超実力俳優ホアキン・フェニックスが、己の存在を賭して鬼気迫る熱演 ・共演はあのロバート・デ・ニーロ 名主演作の影響も受けた物語 ・圧倒的なエンタテインメント性と、深く切ないテーマが融合 ・世界中の映画関係者が絶賛 想像を超えた体験が待っているベネチア映画祭のディレクター、アルバート・バルベーラ氏は、本作に対し「アカデミー賞は確実だ」と断定するコメントを残している。トロント国際映画祭のディレクター、キャメロン・ベイリー氏も「世界の映画賞が注目している」と称讃を惜しまない。鑑賞すれば、彼らの言葉が決して大げさではないことがわかるはずだ。
劇中、マーレイは「これが人生」と語りかけ、アーサーは「俺の人生は悲劇だと思っていたが、じつは喜劇だと気づいたよ」と噛みしめるようにつぶやく。その意味をどう解釈するか、あなた次第だ。日米同時公開となる10月4日。映画館に、“歴史が動く瞬間”が訪れる――。