ジョーカーのレビュー・感想・評価
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【優しき人間の善性が、絶対的悪に変容していく様を恐ろしくも哀切に描き出した作品。】
ー 冒頭、貧しき道化師アーサーは笑う仕草を繰返しながら、涙を流している。ラジオから流れるゴッサムシティの衛生状態の混乱。ー
・帰宅しても愛する母の健康状況を気遣い、バス内では幼子を笑わせようとし、エレベーターに駆け込む親娘を待つアーサー。
どのシーンも不器用だが、彼の善性の欠片が観て取れる。
・が、アーサーの脆い神経は、自らを取り巻く辛い環境、数々の試練、愛する母の若き頃の姿に徐々に混乱していく。
・そして、シティの混乱の中、地下鉄の中で狂態を晒す若き証券マン達へ彼の怒りが炸裂してしまう。又、敬愛するマレー(ロバート・デ・ニーロ)の仕打ちが追い討ちをかける。
〈狂っているのは、私か社会か〉
・後半の、マレーのTV番組への出演からのラストシーンへの悪夢の様な怒濤の流れは忘れ難い。
〈そして、絶対的悪が降臨した〉
・ダークナイトシリーズとの繋がりもきちんと描かれているので、スピンオフとして観ても良いが、今作は、明らかに現代社会への警句として作られた作品だと思う。
<それを圧倒的演技で魅せるホアキン・フェニックス。
そして彼もこの作品で、絶対的名優になったのである。>
<2019年10月4日 ユナイテッドシネマ岡崎にて鑑賞>
終盤からハラハラがどんどん込み上げてくる ここまで見たあとの疲労感...
終盤からハラハラがどんどん込み上げてくる
ここまで見たあとの疲労感がある作品は久しぶりだった
JOKERへの第1歩となる殺人の後の公衆トイレでのダンスは不気味すぎて笑ってしまうほどだった
観たあとの満足感は凄い
これぞJOKER
フェニックスといえば、ホアキン
近ごろのDC作品は、マーベルを意識しているのか、ややコメディ色が強く、あまりぱっとしないものばかりでした。スーパーマンやバットマンがシリアスだっただけに、DCに軽妙さは要らないな、と感じていました。
今作は、まさに自分が好むDCらしい作品でした。
これまで様々な名優が演じてきたカリスマ的悪役、ジョーカー。そんな彼がいかにジョーカーとして覚醒したかを描く今作で主演を演じたホアキン・フェニックス。彼の演技は、ほんとうに素晴らしいかったです。若いころは、彼のお兄さんであるリバー・フェニックスの陰に隠れてしまっていたような印象でしたが、「her」のころから徐々にその存在感を増していき、今作で、すっかり兄の威光を打ち消したように思います。
個人的には、「ダークナイト」でジョーカーを演じたヒース・レジャーにも匹敵する、素晴らしい演技だったと思います。
脚本もまた、見事でした。
主人公であるアーサーの悲惨な境遇には同情し、世間の醜悪さに対する感情には同調しました。
彼のおこないが善なのか悪なのか、それはわかりません。ただ、もしかしたら自分も、なにも失うものがなくなったとき、同じような行動に出てしまうかもしれないな、と思いました。きっと、あなたも。
報われない者たちへのテーゼ
これを低評価するのは、昔から恵まれていたり、才能があったり、基本的には努力という努力もしないで安定を手に入れてきた人たちばかりのように思う。
世の中報われないことばかりです。それを世間は努力が足りない、甘えるななどと言いますが、みんな同じ力を持って生まれるわけでもないわけで…。
全ては視点次第。そう言ってしまえばそれまでですが、このゴッサムの貧民層のようにジョーカーをヒーローとして見る人間も多くいるのは事実です。
この映画を肯定するわけではありませんが、私はこのジョーカーというキャラクターに同情しますし、部分的には共感します。それを犯罪者予備軍と呼ぶ方はどうぞ。トーマスウェインを可愛そうだと言って評価を1にして下さい。
バットマンは出てきません
「ダークナイト」で大暴れしてバットマンを困らせた悪役ジョーカー、そのジョーカーを産んだ格差社会のお話です。
鬱な作品です。主人公が徹底的に壊されていきます。というか人間を狂気に追い込むゴッサムシティ(格差社会)への強烈なアンチテーゼ。弱者は社会保障も打ち切られ、どんどん落ちていきます。自己責任という言葉では何も解決しない。悲しいのに笑顔に見えてしまう主人公アーサーのピエロメイクが不気味で哀れ。
アカデミー作品賞向きかどうかは微妙ですが、ホアキン フェニックスには主演男優賞ぜひ取って欲しい。
終盤、暴動シーンに突然、大音量の「ホワイトルーム」、最高にカッコいい選曲で星半分おまけです。
[2/10追記]
わーい、やっぱり主演男優賞、ホアキンおめでとう。
問いかけるものがあるよね
善悪を観ている側に問いかける内容だと思った。
悪役であるジョーカーだけど、彼の不遇さを知ると、犯罪も正当化されるように思えたり、爽快感すら覚える作品だった。
自分のような、社会的に中の下、もしくは下の上くらいにいる介護職(あ、言っちゃった)みたいな、頑張っても何ともならない自分が観ると大きく動かされる。
おススメだ!
絶望の世界
全てが絶望の日々。見るのがつらくなる映画でした。
守るものさえなくなった人間が頑張って這い上がっていく映画でもない。精神的な病を背負い泣きたくなるような底辺仕事すらうまくいかず年老いた親の面倒をみながら妄想だけを心の支えに毎日を送る。そしてあるきっかけで抑えられなくなる自分の中の悪魔。
報われない人々が求めるヒーローはバットマンではなくジョーカーなのでしょうか?
自ら追い込まれないとわからないであろう精神世界をジョーカーことアーサーの目を通じて観ている観客が体感出来る衝撃の映画でした。
コレ系好きなら低評価レビューは、全く読む必要ないですよ。
しかしスーツ姿のサラリーマン多いぞ〜皆さん半休なのかw
フリーパス5本目は、早朝からアカデミー賞は確実だ!のコレ
この役は、ヒース・レジャーが究極を演じただけに、オファーを引き受ける事がジョーカーだと思ってましたが・・・脚本と演出も絶妙なこれぞDCヒーロー悲哀の極み!!
コレ系好きなら間違いなく鉄板度200%、ジョーカーがいかに生まれて行くのかを見せつけられる120分を堪能する価値ありです。
バットマンの冒頭のあの有名なシーンもあり、ゴッサムシティを舞台にブルースの悲哀も始まりバットマンビギンズへと繋がる。
苦悩に満ちた素顔と痩せた身体に潜む狂気と悲哀、ホアキン・フェニックスの凄さにただ脱帽!(◎_◎;)
主演男優賞を是非獲って欲しい〜映画史に残る名演×怪演は、超必見!!
☆4.8
ホテルムンバイとジョーカー、1週間に2本凄いの堪能させてもらいました。
呪われてるレベルで最凶の演技!ホアキン!
JOKER
かの有名な
バットマンの名悪役が誕生する時のお話
今回主演のホアキン・フェニックスがまじでヤバい
表情、喋り方に笑い方、動き、雰囲気全てが狂ったオーラを纏っていてめちゃめちゃ見入ってしまった!
辛辣な運命を、狂気と暴力という名の喜劇にしていく様は、痛みと恐ろしさを感じつつも何故か少し気持ちが良くもあって、どこか筋の通ったカリスマ的なカッコ良ささえ感じてしまう
決して肯定はできないけども彼の生き方や考え方は、どこか見ている自分らの"心の中の普段見ないようにしてる部分"を揺さぶってくるよう。
最狂ヴィランの誕生譚映画として
伝説に刻まれるに値する一本だと思いました!
とにかくホアキン・フェニックスの演技がまじで呪われてるレベルですごい😳
地獄から生まれた道化師
『ダークナイト』ヒース・レジャーのジョーカーは、悪魔そのものの「狂気」が人の形をして、地上に舞い降りたような存在だった。
すべてのルール、理(ことわり)を破る存在という意味で「トランプのジョーカー」だった。
本作のジョーカーは、違う。
障害を抱えた貧困にあえぐ人間が、他人から存在を認められず、社会に虐げられ、悪意に晒されて、身体に埋まっていた「悪魔の卵」が徐々に大きく育ち、孵化する姿を描いていた。
悲劇が喜劇に見える、笑えないコメディアン「道化師のジョーカー」の誕生物語だった。
進むも留まるも引き返すも、この世界全てが地獄であり、幸せにはならない理不尽な世の中への憤り、怒り。
そして、恐怖の「笑い」が爆発する。
殺人という行為は許されないとは思うが、無自覚に弱き立場の人をさげすんでいる富裕層~一般人が、実に「殺されて当然」とさえ感じ、ジョーカーに感情移入してしまった。
人種を分断し、社会保障費を削り、格差が広がる一方である現在のアメリカ社会で、これをよく作ったなと感嘆しつつ。
実際に虐げられている(同然の低所得などの)層に、この映画は救いとはならないようにも思えもし。
あと、日本でも、安い仕事しかない若い人や、会社をリストラされたり、ハラスメント関連で鬱になったりした人にとっては、本作の内容は「今そこで現在進行形の地獄」そのものを見せられるようなものかもしれない。
(日本でヒットするなら、この国も貧困に喘いでいる人が多く、社会や政治に不満を持つ人が増えているということであろう)
正直、つらく感じる部分もあったが、これを成立させたのは、ホアキン・フェニックスの怪演であろう。
危ういバランスの中の、面白さであった。
全てが酷い
何一つ希望が無く絶望だけが存在する本当に酷い映画
ホアキン・フェニックスの演技は凄いんですが動作を見るとヒース・レジャーのジョーカーを踏襲していると思われる部分が度々あるんですがヒース・レジャーのジョーカーに感じたシニカルなインテリジェンスな部分は全く感じられず後半はただひたすら増幅されていく狂気だけを感じました
精神的に凹んでる方やルンルン(死語)気分でデートで観るのは絶対にお勧めしません
ジョーカーの脳内を追体験する122分
稀代の悪役「ジョーカー」が誕生するまでを、本人の“完全一人称”で描いた作品。
それはつまり、ジョーカーの脳内を約2時間にわたって追体験するということで、なのでジョーカーが完全に覚醒する中盤~後半にかけては、彼の反社会的な行動にも喝采を送りたくなるほどのカタルシスを感じてしまう。
「バットマン」のジョーカーが悪逆非道の限りを尽くすぶっ飛んだアクション映画を期待して観に行くと肩透かしを食らってしまうかもしれないけど、この映画は観客が2時間かけてジワジワとジョーカーという毒に侵食されていくヤバイ映画なのだと思う。
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