ジョーカーのレビュー・感想・評価
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ここ数年の最高峰かもしれない
封切り初日に観に行って、久々に凄まじい衝撃を受けた作品。
様々な人種と貧富や欲望が交差するゴッサムシティの映像が全編通して美しい。スコセッシのニューヨークを現代に蘇らせ、それを超えたような感覚。なぜか心がざわつく素晴らしい撮影だ。
そして、あの階段のシーンは語り継がれるであろう名シーンであろうし、ホアキンの怪演は様々な賞を受賞すてしかるべきだと感じだ。授賞式などで見るホアキンは実にダンディであり、俳優の凄みを感じる。
疎まれること、愛されること、映画の中と外の格差
何も知らずに見た。何も知らずに見ると短絡にとまどう。バットマンおよびその周辺に特別な関心を持たない一般人にとって、ジョーカーとはバットマンの仇役だとの説明がなければ、おそろしく単純化された社会である。アーサーは社会からの疎外を訴えているにもかかわらず、ほぼ彼を中心に世界が回っているからだ。大都市でありながら彼の犯罪/行動が脚光をあび、テレビ出演のチャンスを得る。
もしホアキンフェニックスのいびつな痩身とくぼんだ眼窩と張り付いてしまったような哀憫がなければ、悲しげな弦楽で街並みを眺めているだけだった。見事な街の景色だけれど、彼でなければ、冗長だった──それを、まず思った。観ている中途から懐疑に囚われたのは、なぜ、この映画がアメリカで絶大に支持されたのかについて、である。
演者なかりせば、犯罪者養成コースのおさらいのようだ。それもかなり簡素化されている。
親から虐待を受け、精神病院に療病し、職場から排斥され、殺人を犯し、苛政に社会保障が打ち切られ、養母に復讐を遂げる。
アメコミだから純化されているとはいえ、ホアキンをひとまず棚上げすると、快速で転落してゆく戯画であって、これがなぜ絶賛されたのかが解らない──とは言わないが、弱い気がした。
Gotham Cityの話であることを踏まえなければ相当細部を端折って進むドラマなのである。
心配になってwikiを見た。知らなければ知らないでいいが、得意になってキングオブコメディとの相関性を指摘してしまうところだった──すなわち、この映画は、バットマンの外伝、かつジョーカーの誕生秘話、かつスコセッシ作品群を意識したオマージュ、であることを知ったうえで見なければ、けっこう唐突な話なのである。
個人的には──ごく個人的には、庶民が「そんなことも知らないの」と揶揄されてしまう可能性をともなう映画には多少の権威があると思う。
だがそれを知るとホアキンの演技とバットマン人気とスコセッシへの畏敬が相乗して高評価へつながったと理解できる。ただ、それでもまだ──アメリカ本国のものすさまじい絶賛──を納得するには足りなかった。
そこで思ったのはヒースレジャーのジョーカーだった。
この映画はヒースレジャーのジョーカーから一直線につながっている──と思った。
バットマンも、バットマンの物語も、なにもかもすっ飛ばしてホアキンのジョーカーにつながっている──そう見るとき、前任者の亡霊なくして彼を見ることはできない。
上乗せして肥満だったYou Were Never Really Hereから急降下でガリガリに落とした肉の代わりにヒースの魂が入りこんでいた。
彼の減量はまるで沈黙のアダムドライバーのようだった。マシニストのクリスチャンベイルのようだった。キャストアウェイのトムハンクスのようだった。
加えて、その痩躯に虐待の痕跡を生成していた。走るとき踊るとき、あらゆる動きの端々に、せむしのような、いざりのような、ちんばのような被虐の爪あとをも演じてみせていた。と、言うより、演じる以前に哀しみの身体──としか言いようのない身体をつくっていた。それで納得した。
ただしフェニックスの演技力は解りきった名実だった。誤解をおそれずに言ってしまうならいつもの──いつもながら最高の彼だったのであって、過分な評点にはやはりジョーカー役という人気アイコン加算がある──と個人的には思った。
かえりみて、もっとも感心したことはTodd Phillipsの演出もさることながら彼に依頼したプロデューサーかPlanning Departmentか解らないが、その人である。
わたしにはPhillipsの過去作から、この方向性の演出ができるとは1ミリも解らなかった。恐ろしい慧眼だと思う。
やりきれない
久々に見る映画らしい映画といったところだろうか!
あ!どうも、僕です。やっと見れましたね、この作品。こう言っていいのかわかりませんが(内容が内容だけに)、素晴らしい映画の部類に入るでしょうね。まず映像と音楽が いいんですよ。あえて、古い感じの(70年代くらい)画質にしてるんですよね。好きですね。アーサーをどう演じるかで この映画は全てが決まってしまうでしょうけど、そういった意味でも ホアキン フェニックスの演技は素晴らしいですね。オスカー獲得は納得ですよ。こういう映画をまだ作ってくれる人がいるということが、うれしいですよね。ラストのカウンセリングの女性(警備員も?)は たぶん 殺されたんでしょうね。このレビューシリーズ 2作目の5点満点をあげてもいいでしょう。ではまた!
バットマンの敵ではない
本当のマイノリティは
こういう映画が見たかった けど見たくなかった。
人の頑張りは必ず報われる とか、純真な心を失わずに生きていれば必ず良いことが訪れる とか、そんなうまい話はなかなかありません。
多くの人は頑張って、品行正しく生活し、そのままなんの成功もできずに死んでいくのです。
このような現代道徳に反発するような映画は過去にもありましたが、大抵 主人公が負け犬に甘んじたまま終わってしまいます。
ところがこの映画では、どんなに足掻いても報われなかった男が最後は満面の笑みを浮かべています。躍りながら階段を落ちていく彼の衣装はいつもよりも輝いていて、楽しそうです。 この時に流れる、rock'n roll part2 を歌っているのはゲイリー・グリッターで、彼は幼児虐待の罪で現在牢屋にいます。虐待によって障害を負ったアーサーが虐待犯のゲイリーの曲で踊るというのは 実に"ジョーカー"らしいジョークです。
現代道徳に裏切られ、反発するという域を遥かに越えてそれを破壊し始める主人公像は、私がずっと求めていたものですが、それは同時に見たくないものでもありました。だってこんなものを見せられたら、自分の努力が報われなかったとき、拳銃が欲しくなっちゃうじゃないですか。
あの〜お客様はどちらのジョーカーさんでしょうか?
無題
当時の映画館スタッフの感想
凄すぎて…
本当の悪は笑顔の中にある
反乱軍の首謀者
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