ジョーカーのレビュー・感想・評価
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あの〜お客様はどちらのジョーカーさんでしょうか?
ただのホラー映画ではない。
バットマンもダークナイトも、何も知らずに観ました。
殺人シーンは勿論怖くて、特にランドルをハサミで殺すシーンはビクッとなりました。映画館で観てたらめちゃくちゃ怖かったと思います。
でも、殺人をおかす度にアーサーがジョーカーになっていき、スッキリしたほどです。
また、ホアキンの演技がすごい。予告もカッコイイ。
最後の「理解できないさ」がすっごくカッコイイ…!
グロ要素はありますが、ただのホラー映画ではないです。
観ることをオススメします。
無題
負のスパイラル人生
バットマンの悪役ということを知らず、少し前に話題になってたなーくらいで鑑賞。
母親も自身も心の病気を抱えながら、最下層の生活をなんとかやっている。
アーサーは面白いわけでもないのに笑いだすという病気を抱え、それが原因で周りとうまくやっていけない。
ピエロをやっていたものの、銃を持っていたのが原因でクビ。そこからさらに転落へ。
証券マン3人を殺し、銃を渡してきた元同僚を殺し、妄想の中で暮らしていた母を殺し、有名司会者を殺し、貧しい人たちの英雄となっていく。
抱えている病気もあって、シーンの中で妄想なのか現実なのかが分からないところがある。フロアの隣人とのやりとりは妄想だったのか、はたまたその他のことも妄想だったのか、疑心暗鬼になってくる。
妄想であろうと、現実であろうと、裏切られ人を信じられなくなった時、その人は悪に染まってしまう。しかも、ピエロのような仮面をかぶり笑いを装って。
そう考えると、じわじわと怖い作品に思えてくる。
当時の映画館スタッフの感想
自分勝手な共産主義者のお話
本当になんで評価されてるのかわからない。
妄想障害の自分勝手な共産主義者の男の話でしかない。
なんの努力もしてないで、努力した人々を殺して評価されるだけなのがものすごく腹立たしい。
ベインのほうがジョーカーよりよっぽど筋が通ってる。
こんな映画が評価されるなんて資本主義ももう終わるのかと思ってしまう。
凄すぎて…
ジョーカーから見た世界
見終わった直後と時間が経過した後で印象が変わる不思議な映画だった。
初見、「いやいや、ウェイン家金持ちやん!」という壮大なツッコミ映画だと思った。
ブルース含めウェイン家が行う正義は社会の底辺及びはみ出してしまった人には届かない。彼らから見たウェイン家の正義は偽善、ナルシズム、自己利益の追求に映る。
バットマンという存在の欺瞞を暴く作品というのが本作初見の印象。
それと併せて、
・暗がりの地下鉄車両内で引き笑いを浮かべながら銃を撃つ男
・自分の家の居間にぼうっと居る隣人
・自分が実の息子だと言い寄ってくる男
等、その場面だけ切り取れば確実にヤバい奴なのだが、その前後に理由があるとヤバさが薄らぐ。
つまりどんなにヤバい奴でも主観にすれば感情移入出来るでしょ、という凶悪犯罪者ジョーカーへ感情移入してしまう危険な映画だと思った。
その後、多くのこの映画の評論を聞いた。最も興味深かったのはライムスター 宇多丸さんの批評だった。彼の批評を聞いてこの物語そのものが信用できない語り手、ジョーカーの視点から語られているということに気づいた。
つまりこの作品、どこからが真実でどこからが嘘・妄想なのか分からないということだ。
確かに序盤、中盤、ラスト、3回カウンセリングの場面が出てくる。この時、3回とも同じカウンセラーのように見える。おかしい。
序盤と中盤は保健所のような行政機関の無料カウンセリングでの問診、ラストは精神病院の問診だ。全て同じカウンセラーな訳が無い。
そもそもこの映画のラスト、カウンセラーにジョーカーが語っているということは客観では無くジョーカーの回想、ジョーカー視点の物語だということだ。
そしてジョーカー視点の物語の中でなぜジョーカーが立ち会っていないブルースウェインの両親が殺される場面が入るのか?ジョーカーが夢想したものか。
また、ジョーカーがシングルマザーとの間に見ていた淡い恋。これが妄想だと分かる。
そう、ジョーカーは妄想癖のある奴でその妄想が現実と区別が付かなくなる病を抱えている。
恐らく幼児期の虐待による脳障害からそうなってしまった。
この作品の中でジョーカーにとって都合の良い事象は恐らく妄想だろう。
自分の考えでは、
・母の入院記録を奪い、出生を知る場面
・コメディショーに呼ばれる場面
・市民の希望となるジョーカー
この辺は妄想色が強い。
ダークナイトでジョーカーが口が裂けた理由を色んな人に話すが、話すたびに理由が違う。一体、何が本当で何が嘘なのか分からない。もしかしたら全部嘘なのかもしれない。
それって最もジョーカーを表していないだろうか?
自分が感じたのはジョーカーは恐らく瞬間、瞬間に浮かぶ妄想を現実として話しているのでは無いかと思う。
今日のジョーカーはこういう妄想だけど明日は違うかもしれない。
そして自分がこの映画が凄いな、と感じたのはそういう妄想症の人間が感じる主観を観客が追体験出来る様に作られている。
監督のトッドフィリップスはハングオーバーで有名だが、あの作品も失われた真実を主人公達が探っていく話だった。本作は観客自身が一体何が真実なのか探る、考える話なのだと思う。
そして自分は全てが嘘だと思う。
本当の悪は笑顔の中にある
反乱軍の首謀者
“狂気”というエクスカリバー
聖杯伝説でのアーサーが、聖剣エクスカリバーを手にすることで王になるように、本作の主人公アーサーは、“狂気”というエクスカリバーによってジョーカーになる。
そういえば中世のヨーロッパでは、ジョーカーとは宮廷に仕える道化師を意味していた。
監督のT・フィリップス自身、『モダン・タイムス』や『タクシードライバー』などといった過去のマスターピースを参考にしたことを公言しているが、中でもやっぱり『キング・オブ・コメディ』が色濃い。
R・デ・ニーロ演じるコメディアン志願男の暴走を描いた『キング・オブ~』は、デ・ニーロ史上において最も気持ち悪いデ・ニーロが観られる最高の映画。
そのデ・ニーロを本作におけるキーパーソンの一人として配役するあたり、この監督、したたかすぎる。
監督の出世作『ハングオーバー』シリーズも、コメディなのにギャグが過剰すぎて引いてしまうシーンが多かった。あの映画に出てくるトラブルメーカーのアランは、ある意味ジョーカーの鏡合わせ。
その鏡合わせを、本作ではとことんまで追求していて、狂気ともギャグとも取れるラストのラストで、それがよく分かる。
強烈でした
ホアキン・フェニックスがすごい
ドイツ表現主義を彷彿させる視覚表現の優れた統一性
悪役ジョーカーの誕生秘話を丁寧に、しかも同情的に寄り添う内容で邪悪の説得力を持つ境地に至った傑作。新自由主義経済の行き着く先のアメリカンドリームの崩壊に、ゴミのように扱われる人間の怒りが社会と時代を象徴すのか。主演のホアキン・フェニックスの精神に異常を来たす演技が、不気味さと悲哀を兼ねた複雑な表情を見せて圧倒的です。そこにパントマイム風ダンスが優雅さを加える。眼を覆うばかりの残酷な殺害場面が続くも、動機の細微な表現は確かになされている。表現のこだわりでは階段の描き方が傑出していた。通常の階段を上る明(正)の意味合いを真逆の暗(負)の象徴として統一している。主人公が置かれている状況、辿るしかない方向を暗示している。地下鉄で三人目の犠牲者が階段を上がるところで撃たれるのも対比になっている。会社を首になっても上機嫌で階段を降りていく先にさす解放された異様な明るい光、または恍惚のダンスを見下ろすふたりの警察官が映りだすところなど、ドイツ表現主義の継承が窺われる。後者はもっとカット割りで生かしてもらいたかったが。物語は、途中まで「キング罪の王」との類似をかすめるも、後半は主人公が謎のウイルスの如く社会に蔓延し、人に取り付く病原体のような恐怖を感じないではいられなかった。
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