ジョーカーのレビュー・感想・評価
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よき理解者がいたら…
実は、「バットマン」シリーズ、あまり好きじゃなくて、見たことないんです。ダークナイトのヒース・レジャーは、知ってます。予告編が強烈だったし、面白そうだったので、バットマンに興味はなかったけど、観に行こうかと思ったくらいでした。でも、観に行かずじまいでしたが…。今回は、観に行こうと思ったのは、バットマンが出演しないからかな…。
今回、この「ジョーカー」を観るにあたり、少し調べたんですが、ジョーカーが出てきたのは、ダークナイトだけじゃないんですね。そして、演じていたのもヒース・レジャーだけじゃないんですね。知りませんでした。
さて、今作品ジョーカーですが…。なんとも、いたたまれない。よく、時代のせいって言葉を聞きますが、まさしくソレ。いわゆる底辺の生活。それでも、慎ましく生きていたのに、理不尽な扱いを受ける。それも、知人から赤の他人まで。報われないわ…と思ってたら、ご近所の女性と親しくなって、一縷の望みだと思ったら、まさかの妄想。良き理解者であるはずの母親も、実は、ネグレクトだったことが分かったり、踏んだり蹴ったり。そりゃ、死にたくもなりますよ。たった一人でいい、彼の理解者がいたら、こんなことにはならなかったのかも…。
怖い、恐かった!
これはジョーカーの映画なのか?
すべてを改めて反芻すればするほど、この映画はすべてが妄想で、ラストのホワイトルームのみが現実なのだと解釈する。そう考えると、この映画はジョーカーの映画ではないとも言える。これはアーサーという妄想癖のある精神異常者の話でしかないという、おそろしい結末なのではないか。
アーサーという、映画、アメコミ、お笑いが好きなサブカル精神異常者が、自分がジョーカーになりきって悪のヒーローとして生まれ変わることを妄想しているという、ただそれだけの話なのではないか。
そして、「良いジョークを思いついた」という台詞は、トッド・フィリップス自身の言葉をも代弁しているのではないかと。つまり、「良いジョーク」=「いまやドル箱となったアメコミ映画の顔した、ただの異常者の話を映画化すること」なのではないか。
この映画が製作され、アメコミ映画としてヒットしていることも含め、壮大なジョークとしての作品なのではと考える。アートシーンでいうバンクシーのようなトリッキーなプロジェクトであり、このことは『容疑者、ホアキン・フェニックス』にも通じる。
頭のいかれた妄想癖のアーサーは、トッド・フィリップ自身でもあり、とんでもないジョークをやってのけたのではないか。
JOKERの名を借りた低予算C級映画 ただただつまらない
こういうのをピカレスクといいのか?
ホアキン版『タクシー・ドライバー』
何かを語りたくなる
バットマンのスピンオフだと思わないほうが良いと思います。普通のアメコミ映画とは、まるっきりの別物です。
映画館で見終わったあと、近くの席の人が、
「内容が薄い。何も無かった。アメリカの狂人が犯罪者になっただけ」
と怒った調子で言っていました。たぶん、彼はバットマン映画のファンだったのでしょう。アメコミの映画という評価基準なら、本作は駄作です。他のDC映画やマーベル映画を大好きな人は、まったく違うもののつもりで見てください。そうでないと楽しめません。
で、アメコミ要素もそれ以外も、ひっくるめて評価して☆4.5です。
見終わって、いろんなことを語りたくなって、酒を飲みながらSNSで夜更かししました。上にも書いたこととか、フェニックス(ジョーカー役)の演技とか、笑顔が悲しいとか、笑顔が怖いとか、笑わないデ・ニーロとか、社会の歪みがどうこうとか、リアルすぎてせつないとか、悪役への感情移入とか、子供ブルースかわいいとか、ゴッサムシティは修羅の国とか、いろいろ。
あまりに多すぎるので、ここで繰り返すことはしません。この映画をご覧になれば、似たような気分を共有していただけると思います。
ボッコボコに叩きのめされたことがある人間だけが舐めた辛酸が舌先を痺れさせる最凶のコメディ映画
ゴッサムシティで母と二人暮らしのアーサーはスタンダップコメディアンとして舞台に立つことを夢見る心優しい道化師。楽器屋の閉店セール宣伝中に不良に絡まれてボコボコにされたのに楽器屋からは職務放棄とクレームされる始末。見かねた同僚から自分の身は自分で守れと38口径の銃を手渡されたことをきっかけにアーサーの中でくすぶっていた何かが熱を帯び始め、地下鉄の中で酔っ払いの証券マンに因縁をつけられた時にそれは沸点に到達する。
蔑まれ虐げられる毎日の中で自分の実在すらも信じられないほどに魂をすり減らした男が、世界の構造を悟り己の使命に目覚める。ジョーカー誕生譚でありながら実はスーパーヒーローのそれと何も変わらない。狂ってるのはオレか、それとも世界か?自身の出生の秘密を知らされ現実と妄想がない交ぜとなった世界がぐにゃりとひしゃげて紡がれたメビウスの輪の向こうに見えた結末が別の物語の始まりとなる。『狼よさらば』、『ダーティー・ハリー』、『タクシー・ドライバー』、最近では『天気の子』まで一丁の拳銃が解き放つ狂気が観客の魂を激しく揺さぶる、これは途方もない傑作。
『her 世界でひとつの彼女』、『ビューティフル・デイ』、『ドント・ウォーリー』と悲惨な運命に翻弄される男を執拗に体現してきたホアキン・フェニックスが全身から解き放つ狂気と悲しみと滑稽さは、居心地の悪いこの世界で慎ましやかに生きる何者でもない人の胸にザクッと楔を打ち込みました。私が号泣した瞬間にあちこちから啜り泣きが聞こえた時に今生きているこの世界もまたゴッサムシティそのものであることを確信しました。そしてジョーカーに最後の一線を越えさせる役割を果たすTV司会者マーレイをロバート・デ・ニーロが演じていることは『タクシー〜』、『キング・オブ・コメディ』を観てきた世代には感慨深いものがあります。
そしてこの映画の背景になっているゴッサムシティの荒廃がフィクションなのに余りにもリアルなのも印象的。どうしようもなく悲惨過ぎてもう笑うしかないほどボッコボコに叩きのめされたことがある人間だけが舐めた辛酸が舌先を痺れさせる、そういう意味では今年最凶のコメディ映画とも言えます。シャレならん傑作です。
心を蝕むとはこのことか
凶気、胸クソの悪さ、デートで見に行く映画ではない(笑)
若い方が、たくさん観に来てましたが、
これはデートで見に行く映画ではない(笑)
ジョーカーという存在をどこまでリアルに描けるか、
挑戦した映画であって、娯楽映画ではない。
バットマンも出てこない。
個人的にヒースを超えるほどの『絶対悪』を感じなかったが、
凶気に至るまでの演技は素晴らしかった。
自分の渾身のジョークをネタにされたときの、
静かなる憤怒の表現は寒気がするほどだった。
色んな所で、ヒースを超えたみたいな論評がなされてるが、
別のジョーカーとしてみるべきと思う。
主演と監督のリアル ジョーカーへの挑戦として、
演技(特に表情)と音楽を感じてほしい。そんな作品です。
ラストの解釈も色々あると思うので、演技好き、脚本好きで
ワイワイするのも面白い。
終わった後は、一人でタバコを吸って、
アーサーに共感しましょう。
凶気のピエロの気分で笑いましょう。
それこそが人生。
カリスマ
「カリスマ」
常人を超える資質を持つ人に対して使う言葉ですが、この作品のジョーカーがまさに当てはまると思いました。
もちろん、一般社会で犯罪を犯すことはいけないことですがこの映画を見ているとそれすらも魅力的に見えてきてしまう。
映画として、前振りがかなり長いですがそれもクライマックスのために溜めていたと考えると必要だったのかなと思います。
ジャックニコルソンのジョーカーは知らないですが、ヒースレジャーとジャレットレトのジョーカーに比べるとより重くて引き込まれるものがありました。
これは役がそうさせるのか、演者がそうするのか。
どちらにせよホアキンフェリックスはやっぱりとてつもない俳優ですね。
アーサーがジョーカーになるまで
ジョーカーになってからはやる事が派手で狂っていきますが、その根本は幸せになりたいとか人に優しくされたいとかの純粋なものだったと感じました。
ネットニュースで「子供には見えられない作品」とありましたが、本当に見せられないですね。
狂信者になられては手のつけようがないですもの。
凄絶!悪を誘う究極のカリスマ・・・降臨!
「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」を見に行くにあたってのおさらいです。
当時は、アカデミー賞を取るんじゃないかって噂になるほどのスゴい作品でした。
とにかく、見ていて圧倒されるって言うんでしょうか、見終わったあとは、ドッと疲れるようなエネルギッシュな作品です。
ホンっと面白い。特に最後が凄まじい。トリハダたっちゃいます。
昔、テレビでバットマンをみた覚えはありますが、ジョーカーは全く記憶にありません。
ジャック・ニコルソンのジョーカーが初認識です。でも、あの作品自体にあまり思い入れがないので、単なる敵役の一人でした。
衝撃だったのは、やっぱりヒース・レジャーですね。後にも先にも最高の敵役だったんじゃないでしょうか。
「スーサイド・スクワッド」のジョーカーも悪くないですが、全くの別物です。
そして、本作品のジョーカーが、さらにスゴい。上手く言い表せませんが、自分の中ではこのジョーカーが将来、ヒース・レジャーに繋がっていく線がはっきり見えた気がします。 まさにダークサイドに堕ちていく凄まじい人間ドラマでした。
DCも、この作品から、新たな展開を迎えた気がします。
マーベルみたいな連携した作品でなく、一本の単体のドラマ。それも、ヴィランが主役の重厚な人間ドラマ。いや〜、ホンっと見応え十分です。
今回もそうでしたが、何回見ても、圧倒されちゃう一本です。面白い。
ただ、ジョーカーを知らない初見の人は、どんな風に見るんだろう? 普通の人がダークサイドに堕ちていくさまだけで楽しめるんだろうか?少なくとも面白さは半減じゃないかな。
WHITE ROOM
で、毎度毎度痺れる。。
もうすぐ公開される"ジョーカー2"に合わせて、現在リバイバル上映されている本作を鑑賞してきました。
このレベルの作品になると、こちらには初見の方はいないだろうから、あらすじ云々は省略で。。
私は、様々な媒体で3、4回位観ているのだが、解説とか見ていないので、
初見の先入観が拭いきれず"決めつけ"ている部分もあるかもしれませんが。。
しかし
観るたびに実はほとんどがアーサーの妄想に思えてきて立ち止まってしまう。
(DCやアメコミは詳しく知りません)
この信頼できない語り部がみせる現実と妄想にいつも溺れてしまう。
差別・貧困・病気、社会的弱者という背景。
自分ではどうしようもない怒り。
彼に同情しても良いのか?
心優しかったアーサーは、理不尽だらけの世の中の犠牲者なのか?
民衆に祭り上げられた哀しいピエロは、我々の代弁者なのか?
本当に"弱い者"なのか?
現実逃避の先に希望を見たのか。
その希望は願望から作られた都合の良い妄想なのか。
辛い現実から逃れるための手段として彼の中で美化された妄想に、鑑賞者も混乱させられ、徐々にアーサーと同化していく恐ろしさ。
彼に付き合わされてしまうのだ。
私が、あなたが、
アーサーに共感(共鳴)して
"しまった"所が、もしかしたら彼の妄想
(嘘)だとしたら。。と、考えると、
又また恐ろしい。。と、思うのです。
言わずもがな、ホアキン・フェニックスの魂の芝居に圧倒される。
これが見たくて、あまり観たくないのに観てしまう。
痩せこけた身体にアンバランスなピエロのメイク。
不気味で異様なのに、美しいとさえ思ってしまう。
初見から何年も経っているのに、こんな風に思い続けているという事は、
まだ、取り込まれたままなのか。。
だって、勿論続編も観るし今から楽しみだ。
狂気
ジョーカーは身近にも存在する
これはなんと悍ましく衝撃的な作品なんだろうか。悪のカリスマであるジョーカーの誕生秘話に圧倒された。狂気の塊・アーサー役を演じたホアキン・フェニックスも実に素晴らしく不気味な笑い声が頭から離れない。狂気を感じる音楽も抜群。
社会から孤立し悪へと変貌するアーサーの姿を見て感じたのは、いつの時代も狂気な殺人事件が発生していて、我々の身近にもジョーカーは存在しているのではなかろうか。
2019-221
完成度の高い映画だが…
音響、映像、シナリオ、演出、役者…どこをとっても非常に完成度が高い映画であり、公式が言うように「アカデミー賞間違いなし」なメッセージの強い怪作であることには間違いない…
ドルビーシネマズで観たのだが、特に音響の出来があまりにも高く感心した。
しかし一方これがバッドマンシリーズのスーパーヴィランであるジョーカー誕生の物語かと言うと少し疑問がある。たしかに本作はゴッサムシティの社会的弱者にとってのアイコンとしてのジョーカーの誕生の物語であることには間違いないのだが、彼が頭のキレる「カリスマ」としてのあのジョーカーになるとは到底思えないというのが正直な感想。
この物語をジョーカーを素材にしてやる意味があるのか?という思いもある一方、ジョーカーを素材にしなかったらこの物語はこれほどにも世界中に響く映画とはならなかっただろうなとも思い、タイトルにある通り「完成度の高い映画なんだけど…」となんとも言えない気持ちで映画館を後にした。
業の深さ
まずホアキン・フェニックスの人間的な奥行きに驚かされます、演技から垣間見れる業の深さとでもいいましょうか。何故なら、貧困や狂気を実際に生きた経験がないと醸し出せない演技をするからです。
物語はというと、世の下位層の不満を代弁したかのようです。そういうと大袈裟かもしれませんが、少なくとも富裕層は冷や汗を掻くことになるでしょう。まるで恵まれない人間への鎮魂歌の様でもあります。
日本には天は人の上に人を作らずという言葉があります。しかし、それは、まやかしで実際には人の上に人はいます。それどころか弱者であるほど搾取され、あらゆる悪条件を飲まされ選択の余地を奪われてしまいます。
この映画の残酷なところは、何かの歯車一つでジョーカーが幸せに暮らしたり、夢を叶えたりするもう一つの現実が見え隠れするところです。その幸せな世界からは、ことごとく分断され、梯子は外され足枷を外すことができません。それでも人生を喜劇と捉える主人公が痛々しくてなりません。
その様子に私達は、心を締め付けられることになります。
点数を付けるのも野暮ですが、本作に92点を付けたい。ビューティフル・デイは78点くらい。
虐待・街でのデモ・覆面。。。そして狂的な社会。とてもタイムリーで圧倒的な完成度の芸術映画
アメコミ映画は基本的に観ないことにしているが
この映画は別格だ。観る事を躊躇しなかったし
この芸術映画を観たのは正解だ。 観なかったら後悔しただろう。
前作(ダークナイト)において、故ヒース・レジャー氏は高評価を得ていたが
ジャンキーの演技なので、僕にとって、それは評価外・論外であり、
狂人の極端な演技は差ほど難しくはない。
それに比べ、後半マイケルジャクソンにさえにも魅えた
主人公ホアキンさんの役作りと演技は完璧だ。この映画の背景すべてを完璧に語っている。
そして紙1枚とネタ帳で映画の前提をすべてを表現した脚本も凄い。
楽しいから笑うのではなく、悲しいから笑うのでもない。
彼は感情が高まると泣くのだ。
だから彼は真の”笑い”というものを知らない。
その知らないもので、自分探しをするが
それは残酷でもある。
彼は根っからの社会的弱者・障壁者なので、本来守られるべき人間であるが、
社会が彼を犯罪者にしたのではなく、弱者切り捨てによって作られた隙間に落ちた人間で
妄想好きな狂人
映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と同じだ。
多々でてくる回想シーンはボッーと観ていると勘違いしそうなシーンで構成されているが、
構図も撮影・カメラワーク・照明もすべて完璧!
オレンジライトとブルーライトをうまく使い分け、綺麗な色彩を演出していた。
構図・音楽・効果音が的確で
非常に考え尽くされた画面と
オープニング・エンドタイトルに至るまで、センスよく
ほんの僅か上映時間が長い気もするが、脚本もピカ一
完成度が非常に高い作品
しかし、冷蔵庫を映すシーンの必要性とカメラの動きの訳
途中に入ったギーィ音の意味が気になったので、監督に訳を聞きたい。
この映画を観たら、鏡に映る対照的な「タクシードライバー」を見直したくなった。
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