ジョーカーのレビュー・感想・評価
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果たしてこれは事実なのかジョーカーの妄想なのか
アーサーがコメディショーで観客席から舞台にあげられるシーンで、唐突にアーサーの妄想が始まったところは見た人なら誰でも気づくだろう。
問題は映画の中のどこからどこまでが彼の妄想なのか、ということ。
思い当たる矛盾点と言えば、証券マン地下鉄殺人事件でアーサーが撃っている弾数が、リボルバーの装填数より多いのではないか?
ストーカーをされた同じアパートの黒人女性が逆にアーサーに好意を寄せるというご都合展開。
これらは考察サイトなどを参考にされたし。
どちらにしても、演出、演技、シナリオにおいても高レベルにまとまっている。
ジョーカーに覚醒していくシーンはそれが妄想だとしても、鬼気迫るものがあって面白い。
そのまま見ればアーサー可哀想、ジョーカーになるのも共感してしまう。
しかしバットマンシリーズ共通で虚言癖が激しいジョーカーのことだ、疑問が疑問が呼ぶ。
まさに怪作と言えよう。
圧巻の演技力
予告編に良い意味で裏切られた。
「純粋で心優しい男が世の中の不条理に
触れて悪となる」
このキャッチフレーズこそがジョーク。
ラスト近くの白い壁の部屋でのカウンセ
リングのシーンだけが現実で、それ以外は
全て妄想であり、アーサーの人生こそ
最大のジョーク
そんな風に解釈しました。
ホアキン フェニックスの演技は見事です
もう一度観に行きます
掌の上で踊らされる道化
なんて可哀想なアーサー、なんて不憫なアーサー、やっちまえアーサー!
では終わらせないジョーカーの嗜み。
ダークな興奮を愉しみつつ常に感じていた違和感を回収し虚無の中へ突き落としてくれる、ジョーカーの戯れ。
生きづらい世の中をギュッと凝縮させたような、そんな街における受難と引き金の物語としてちゃんと面白かった。
何度も息が苦しくなり、彼の不遇をとても近くに感じる。
アーサーが笑うたびに背筋に何か冷たいモノが走る。
突然笑ってしまう、笑いたくない時に笑ってしまう、という病気の設定が面白く、興味深かった。
渡すカードのヨレ具合から、何度も何度も同じことをしてきたんだなとわかる。
彼の笑いは非常に薄気味悪く不自然で不愉快的。
泣いているようにも苦しんでいるようにも見えて本当に痛々しい。
キツい不条理の数々。
だんだん人の道を外れていくアーサーに恐怖を感じつつ、ワクワクしていた。
地下鉄の銃殺も、"こうなった原因"とも言える母親殺しも、ランダル惨殺も、彼がそうするたびに生き生きとしていくようで、どんどんテンションが上がってくる。
極め付け、カメラの前でのマレー・フランクリン銃殺。
正直もう嬉しくて嬉しくて堪らなかった。
絶望的な世界の中で、ただ一つだけ持っていた憧れや縋りの先、大好きな人をこの上ない状況とこの上ないタイミングで殺せた幸福。
話したり動いたり何かをしている最中に、死の予感も何も無いまま突然銃弾が頭を突き抜ける恐怖というものに最近ハマっているので、ちょっとしたホラー的な快感もあった。
アーサーを引き金に市民の怒りが大暴走した街中、神々しいほどのポージング、雄叫びと広がる炎にため息。
ブルース・ウェインとのすれ違い方も良い。
しかし、どうしても感じてしまう違和感。
アーサーが何か犯すには必ず納得のいくような理由がある。わざとらしく共感を呼び飲み込もうとしてくる姿勢には常に疑問を抱いていた。
ジョーカーが自分の怒りや苦しみのために残酷になるような人だとはどうしても思えなくて。
人間の持つ悪意や負の力を信じて賭けてくれていたジョーカーが、原点とはいえこんなわかりやすい理由を持って行動するだろうかと。
バットマンシリーズは未鑑賞、「ダークナイト」のみ本作鑑賞の前日にやっと観たくらいのベリベリ初心者が偉そうなこと言ってんじゃねえ!と思われるかもしれないけれど。
それでも劇中から感じた興奮は本物。
そして、その全てを嘲笑ってくるようなラストには少なからずショックを受けた。
私こそまんまと掌の上で踊らされる道化だった。
正直、怒りすら感じるほどの虚無感。
鑑賞後、ジワジワと実感が湧いてくると共にこの映画にひれ伏したくなる。
これこそジョーカーの目的だったのかも。
虚構の物語に嵌まり一々アーサーに共感し寄り添ってみせた我々を見下し利用してみせる彼。なんて腹立たしい。
人間の善意や良識、仲間意識というものをいとも簡単に踏み潰してくれる人。
思い返せば、アーサーがジョーカーに変わるきっかけ、そのタイミングはいくつもあった。
不穏な表情に不穏な音楽、「あ、ここでジョーカーに切り替わるのかな」と思ったらそうでもない、の繰り返し。
最後に自らの血液で笑う唇を描いた時にやっとジョーカー覚醒かと実感してみたものの、そもそもあの物語の中のアーサーはジョーカーじゃなかったのか。なんて虚しい。
と、私は思っている。
けれど、あのアーサーの物語に実体はちゃんとあり、最後の白い部屋は彼の逮捕後、だとも考えられる。
時系列的にこの映画の前に置いても後に置いても辻褄が合うよね、たぶん。
何が真実かはわからない。
傷の話もコロコロ変えて話すような人。
初心者の私ですら、ジョーカーがやっぱり理解不能でいてくれて良かったなんて思ってしまうくらいの。
シリーズやキャラクターのファンはこの映画をどう感じるのか気になる。
庶民の生活の厳しさが常に叫ばれ、少なめの手取り額がSNSのトレンドに上がりあーだこーだと論争を繰り広げる今この日本。
ここはゴッサム・シティではない、ゴッサム・シティにはならない、なんて言えるだろうか。
どこまでも不公平な社会に対する不満も怒りもあるけれど、まあ楽しく生きてるしな〜くらいのスタンスは変えなくて良いや。
最後に一つ、彼がスクリーンに映るたびに何度も何度も何度も何度も思ったことをここに記しておきたい。
ホアキン、脚なっっっげ!!!!!!!!
フォアキン・フェニックスは怪優
自分のなかではフォアキン・フェニックスは Walk the line 君に続く道 の Johnny Cash 役がメインだつた。
10年経ったとはいえ、最初から別人だった。
違和感を感じながらも、徐々に引きずりこまれた。
かなりいい年になってから、自分のどうしようもない秘密を知ることになる酷さは普通の人には想像しがたい絶望感を生んだだろう。年を取るほどに困窮してゆく現実は待ったなしだ。
彼はすごく母親思いで、支えあいながら慎ましい暮らしを二人だけでずっと過ごしてきたのに。
それが、みずから・・・・
二人だけの親子が唯一の楽しみといってもいいテレビショー出演が決まっていたにもかかわらずだ。
それだけ、一丁の拳銃がもたらしたきっかけは恐ろしい。
破滅への道をすすまざるをえない孤独と絶望、現実世界への怒り。
バットマンとは直接関わりはない別の物語りとして充分完結している。
非常に苦しいが何度も見て、主人公の絶望感と狂気を咀嚼しなくてはと思わされた。
追記
Cream の White Room が流れたときに鳥肌たった。 いいタイミング。Jack Bruce の 歌声は美しく、もの悲しい。
Drumの Ginger Baker が 10月6日に亡くなった。波乱万丈タイプの人だったな。
泥だらけの手で心臓を鷲掴みにされたよう
個人評価:4.7
アカデミー賞おめでとうございます。
主演男優賞の呼び声高いホアキン・フェニックス。その評判は過小評価と言わざるえない。まるで泥だらけの手で心臓を鷲掴みにされている様な感覚を与えてくる。魂までも削った様なその演技は、映画史を揺るがす名演だ。
またトッド・フィリップスの脚本と演出も素晴らしく、絶えず使われる挿入音は、ジョーカーの闇をより濃く、また空間までもが歪んで見える様な世界観を演出している。
本作は最初から最後までジョーカー1人に焦点をあて、登場人物の無駄を一切省いた手法。この映画には助演も女優も必要ない!ジョーカーだけだ!この男を見ろ!そんな孤高な作り込み。
キング・オブ・コメディのオマージュの様な設定もあるが、スコセッシが描いた人間の内なる闇を、本作はさらに引き出していると感じる。
バットマンの本筋とオーバーラップする部分もあるが、妄想の中、社会の膿の狭間で堕ちていく、1人の男のリアルな人間像を描いている。
ダークナイトのジョーカーは何処に?
3位/441 2021.05.03現在
ダークナイトが大好きで
スーサイドスクワッドも好きで
映画を観るまでは
ジョーカー大丈夫かな?
と少し不安もありましたが
そんな不安は一瞬で
消え去りました!
素晴らしすぎます!
自分はそんなに頭も良くないので
映画は深く考えずに観るので
基本騙されますが
この映画も見事に騙されたし
結局、どこまでが現実で
どこまでが妄想なのかも
分からないけど、そこが
またたまらなく素晴らしい!
ジョーカーも、普通の人間だし
もしかしたら、自分だって
ジョーカーみたいに
なってしまう可能性だってある!
だから、感情移入してまう。
それを体現した
ホアキンフェニックスの素晴らしさ!
流石に、今後
違う人がジョーカーを演じるのは
大変だろうなぁ。
本当、こう言う
くらーい、おもーい映画
好きだなぁ。
そして、スーパーパワーを
持っていないヒーロー、ヴィランは
魅力を感じます。
続編というか
ホアキンのジョーカーが
もっと観たいというのが本音。
そのくらい素敵!
そして音楽もかっこいい!
自分の大好きな映画は
いつか娘と見たいけど
この映画を一緒に観るのは
相当先だろうな、、、、
以下、
超個人的主観による駄文のため
盛大にスルーしてください
(RG風)
ジョーカーのあるある言うよ♬
ジョーカーのあるある早く言いたい♫
ジョーカーのあるある今から言うよ♩
誰もいない広い階段で
ジョーカーのダンス踊りがち♪
初回鑑賞年齢→38歳
(2021年時点40歳)
初回鑑賞場所→映画館
鑑賞回数→3回
記憶度→95%
マイ映画ランキング
2021年時点
全映画中→3位
洋画部門→3位
ヴィランが主役部門→1位
痛快(痛烈)な社会風刺作品。
毎日毎日、早出だー残業だーと忙しく…劇場に行く元気もないので、Amazonでレンタルして観ましたが、観終わった直後の余韻が半端なかった…。
そもそも誕生秘話と思って観ていたら、「え?そうでもないの?」と思う様な内容で、ジョーカーに1本取られた〜(笑)!なんて気分に(笑)。
ただ、この作品を観た人と感想を語り合ったら…やっぱり観る人によって、かなり捉え方が違うんだなーと。
ただ思うのが、このジョーカーってかなり人間味があるなって(笑)。殺す人を選ぶとか、「津山三十人殺し」と重なった。
内容も、ゴッサムシティの荒んだ街もそのままに、金持ち風情(←こう言ってる時点で自分はジョーカー側の人間なんだなと認識(笑))や下層階の人達との差、ジョーカーが劇中 観ていた「モダンタイムス」に象徴される社会風刺。夢や希望もなく ただただ社会の歯車として生きて行く世の中。
そこに現れたアーサーに、虐げられてきた者達が、皆 自分を重ね合わせ 彼をヒーローに担ぎ上げる。
面白いのが、彼の妄想の世界と 恐らく現実で起きていることが交差するのだけど、暴動が起きた最中、ウェイン夫妻が暴徒に射殺されるシーンに、ジョーカーがウェイン夫妻を射殺するシーンが繰り返され、ここで“バットマン VS ジョーカー”の構図が出来上がってるのが面白かったかな。
だって、実際は ウェイン夫妻は暴徒に射殺されたのであって、直接ジョーカーに殺された訳じゃないんだから(間接的に殺したと言えば そうなんだけど(笑))。
だけど、母を苦しめたコイツを葬ってやった達成感みたいなものの現れだったのかな。
そしてラストのシーン。
ここで、今まで私達が観させられて来た2時間は、実はジョーカーが創り出した“虚構の世界”だと気付かされる。
これはヤラれたな(笑)と。
だけど、それすらもフィクションなのかと“?”だらけ(笑)。
ジョーカーの掴み所のないキャラに翻弄され苦笑いしか浮かばない(笑)。
このジョーカーに、何故か物凄く共感してしまうのは、この作品を観ることで 普段押さえ込んでいる鬱憤を開放し、社会でのバランスを上手く保つことが出来るからじゃないかなと思った。
そう、だから ジョーカーは社会を映し出す鏡なんだよ。みんな見て!
そしてなんと言っても この作品中のジョーカーの衣装が凄く良かった!ホアキン・フェニックスの演技(ジョーカーの立ち居振る舞い)も素晴らしく 凄い役者さんだしカッコイイなー!っと。
それと、アーサーの母親役を演じた フランセス・コンロイって、本当にこういうバカ親(言い方は悪いけど)が良く似合う女優さんですよね(笑)。
「アメリカン・ホラー・ストーリー」然り。
悲劇的で喜劇的な悪のカリスマ''JOKER''の誕生秘話
109シネマズ川崎のIMAXにて鑑賞。
映画「ダークナイト」で一躍脚光を浴びたヴィラン、ジョーカーが何故悪に染まり、何故「ジョーカー」と名乗るようになったかがこの映画を観ればわかる。
その様はあまりにも悲劇的で、喜劇的。
時折目を覆いたくなるような現実の悲惨さを目の当たりにしながらも、笑うことをやめず、「悪のヒーロー」なんかではなく、「コメディアン」としての己を貫き通すアーサーの姿、笑い声に終始ゾッとせざるを得なかった。
でもアーサーの壊れていく姿を見ていくと、これらに正当性を感じてしまう自分がいた。
こんなにも辛いことがあったのなら誰しもが「ジョーカー」になってしまうような気がしたのかもしれない。
そして、いつしかアーサーを応援している自分がいた。
今作はそういう描かれ方をしていたので仕方の無いところもあるだろうが、どうしてもゴッサムの富裕層が自分には悪にしか見えない。
ただ、個人的には今作はそこまで思っていた程衝撃作ではなかった。
確かにあまりに惨い彼の半生には同情し、恐怖をも感じさせられたが、あまり予想の範疇を上回らなかった。
勿論凄く面白かったのだが、あまり彼のする行動に意外性や衝撃を感じなかった。
「まぁそりゃそうなるわな」という感じ。
やはり「ダークナイト」の方がかなり衝撃を覚えたし、その半生も生い立ちも全てにおいて「謎」であったことも、またカリスマ性を引き立たせていた気がするし、ジョーカーに対立するバットマンという存在もいたお陰で面白かったなぁと思った。
やはり少し思ったのだが、ホアキンとヒースのジョーカーはこれはまた別物だなという感じ。
それぞれに別の良さがあり、特にホアキンのジョーカーの笑い声は、なんだろうな。あんな笑い方出来る人あの人くらいしかいないんじゃないかな。
笑ってるのに全然笑ってるように見えないし、笑い声の中に哀しみや怒りなんかも感じる事が出来るし。
そんなわけで、名優ホアキン・フェニックスの「JOKER」は、凄く面白かったです。
ホアキンフェニックスの怪演
この映画の8割はホアキンフェニックスの役作りの凄さだと思う。
激痩せ、表情、動き、全てが作り込まれて魂が入っている。ジョーカーは世界でも大人気なヴィランなのでかなりのプレッシャーだろう。
増してジャックニコルソンにヒースレジャーと様々な解釈でのジョーカーが演じられている。
ジャレットレトはなかったことにしてよいでしょうか。
ホアキンフェニックスの役作りもかなりの覚悟だっただろう。
今回のジョーカー誕生に関しては今までのジョーカーのイメージとは解釈が違った。
元々の人間的な弱さや境遇が全面にでていて同情を誘われるが、特別な人間ではないと言う描き方。
ゴッサムがあそこまで腐敗したり、バットマンの誕生のきっかけもジョーカーと言うより社会の貧困層の不満の爆発で、あくまで誰しもがジョーカーになると言うのはなんとなく伝わるが、なし崩し的に支持されてるよりも、悪のカリスマとしてのジョーカーも後半以降もう少し見たかった。
音楽の使い方もよく物悲しさと、不気味さ、突然の笑い声など終始不穏な空気が流れて予測もできない行動、妄想と現実の曖昧さ、とにかく終始ドキドキさせられました。
驚くべきことはジョーカーが銃で殺害するシーンではスカッとしちゃうのは大半の現代社会で生きてる人の現実なんだなあと思う。漠然とした社会への不安、富裕層への妬み。
自分にもジョーカーになる要素はあると思い知らされた。
ラストもいろいろな解釈があるが、今回のジョーカーvsバットマンはぜひ見てみたいです。
ただ、今回に限ってはバットモービルやバットマンみたいな現実離れしたものがでてこないからこそ良かったのもありますね。
自分的にはヒースレジャーのジョーカーを超えることはありえないだろうと思ってましたが、ホアキンジョーカー、ありありです!
肯定はできないよ…
稀に見る期待ハズレ
期待していただけに
一言でいうと、合わなかった。
途中で、眠たくなってきたし、ジョーカーのやっているとこと、妄想の区別が分かりにくい。そう作ってるんでしょうけど、、、。
マレーの番組には、出て、マレーを殺したんですよね?
あれも、妄想かなとか思っていて、ジョーカーの変化。妄想から現実への転換もいまいちでした。
さらに、民衆が支持した理由もよくわかりませんでした。
電車で殺した嫌な社員もウェイン産業と関連させる必要もないかなとか。少し落ち着いて、年齢考え考えたら、子供違うとわかるやんとか、完全に病んでるだけと感じました。
今後、バットマンと戦う相手として、楽しみに思えなかったのも、残念でした。
俳優さんの演技は素晴らしいけど、脚本は好きになれなかった。そういう映画なんですね。
今回のジョーカーは、悪なのか?解放者では?
全てにおいて悲惨な仕打ちと人生を受けたコメディアン志望の男が、扇動者として悪の道に落ちる。
アーサー(のちのジョーカー)が富裕エリートのやな奴らを、地下鉄内でブッ殺すところは、奇妙な爽快感があり、大富豪のトーマス・ウェイン(バットマンのブルースの父)側もあまり同情出来ないので、貧困層のデモの中でシンボルと化すジョーカーが、悪では無く、今の極端な格差社会に報復を唱える解放者に見える確信犯的な作り。
ホアキン・フェニックスの演技も凄いが、個人的には、舞台となる70年代末風のニューヨークとシカゴを合わせた景観のゴッサムシティを捉えたリアリティーがあり荒廃した雰囲気あるとても美しい撮影が、全編に渡ってともかく素晴らしい。
製作された社会情勢や時代を振り返って語られる傑作誕生だと思う。
もし続編が作られるならブルース・ウェイン役は、製作もしているブラッドリー・クーパーでぜひ。
圧倒的カリスマ、共感力の鬼
まず最初に、話題作だからとおもってライトに観に行くとしっぺ返しをくらいます。ご注意を。特にデートなどではお互いが予備知識あって興味ある人じゃないと時間が台無しになると思われます。
本題です。
PV観て、名作確定と思っていた更に上をいく作品でした。ホアキンジョーカーの演技力もハードル上げて観たのに更に超えてきて息するのを忘れるってことことかと感じたレベルでした。ビューティフルデイのホアキンからは想像できない体をしていて、そこにも驚愕でしたね。そこにカメラアングル、音楽が良すぎてもう鳥肌ものでした。
ジョーカーの笑い、悲しみ、怒り、すべてを表現し切ったホアキンに、最後は涙しかありませんでした。(まわりはあまり泣いてなかったようですが)
とにかくしっかりと構えて観てほしい。動作、音、全てもれなく全身で感じて観ないと良さが伝わってこない映画でした。これ、Blu-rayとかで観るとイマイチなやつです。興味ある人は必ず映画館で!
2を観てから観返してみて(考察入り)
映画館で観たんですが、2の違和感というかモヤモヤを晴らしたいと思い、アマプラで観返しました。
やはりこちらはシナリオ、演技、アドリブ、映像表現どれも素晴らしいです。内容は初っ端からすごく不条理でやるせないのに、観終わった後の不快感や嫌な感じはありません。たぶん、最後までアーサーが生き生きしてるからだと思います。
そして2への伏線というか、細かく引き継がれた設定もたくさんあることに気づきました。
2を観た後だと、このジョーカーがバットマンと戦えるのか?ゴッサムシティを混乱させて地獄とするのか?そこまでの力や知能や統率力ある?別人なのでは?って思いました。
この映画で、ブルース・ウェインの両親をクラウンの仮面をかぶった暴動参加者が射殺するのですが、その時の仮面野郎のセリフが、2でアーサーを刺したサイコパスのセリフと同じような気がするんですよね。同一人物なのでは?バットマンの真の敵はこいつでは?と思ってます。
マイノリティにも「生きやすい」社会
<映画のことば>
世間の目だ。
こう訴えてくる。
心の病などない。
普通の人のようにしていろ、と。
精神を病んでいるアーサー。
それゆえに、精神的に不安定になると、彼は不随意に(意図せずに)笑い出してしまうという。
「障害」というよりは、ある種の「病的な発作」と捉えるべきなのかも知れません。
服薬によって抑えられる症状なのかも知れませんけれども。
しかし、母との二人暮らしをしながら、カウンセリングを受けているが(今は)病院に
はかかっていない様子なのは、経済的な理由もあってのことと思います。
そんな生い立ちからか、コメディアン志望の彼。
首尾よく人気コメデイ番組の司会者に才能を見いだされ、ステージに上げてもらえて、望んでいたコメディアンの途が拓(ひら)けたものの、ネタづくりが、考えていたよりも、ずっとずっと重たいものだった。
そこへ、小児科病棟での賑やかしの仕事中の思わぬミスから、プロモーターからは解雇の憂き目に。
追い討ちをかけるように、地下鉄車内でのタチの良くない連中とのトラブル。
そういう不幸の積み重なりがが、彼を社会から疎外していってしまったよう。
「こんなに爪(つま)弾きにされるんなら、誰でも変わってしまうわなぁ」というのが、評論子の偽らざる想い。
結局、アーサーは、最後には拳銃の威力に自らの存在を託すまでになってしまう-。
清掃人組合のストライキで、生活環境が悪化しつつあったという世相が、周囲の人々の感情を、いよいよ刺々しいものにしていたのでしょうか。
そのプロセスには、本当に胸の痛む思いがします。
たとえ世間一般とは違った習慣・価値観の持ち主であっても、それが社会一般を害するものでない限り、それは個性として尊重されて、疎外されないような社会になったとすれば、それは、どんなに素敵な「生きやすい」社会であることでしょうか。
「人は生まれながらにして自由かつ平等であり、差別は、ただ公共の利益のためにのみ設けられる。」と高らかに謳いあげたのはフランス人権宣言(人および市民の権利に関する宣言)ですけれども。
その基本的人権尊重主義の考え方は、「差別」というフレーズを「社会からの疎外」と置き換えれば、そのまま本作にも通用するように思います。評論子は。
そして、基本的人権の保障は、常に社会的なマイノリティのためのものであることも、鮮やかに描き出していたとも思います。
民主主義・人権主義といわれる現代の日本社会に住まって、「基本的人権の尊重」とは、やや手垢(あか)に古された常套句のようにも受け取られ勝ちですけれども。
しかし、その意味合いをもう一度だけ問い直してみるためには、決して出来の悪い作品ではなかったと思います。
自身への自戒も込めて、佳作と評しておきたいと思います。評論子は
(追記)
「楽しいから笑うのではない。 笑うから楽しいのだ」というのはウィリアム・ジェームズ(アメリカの哲学者・心理学者)の言葉だそうですけれども。
しかし、言ってみれば「笑えば笑うほど不幸に落ち込んでゆく」とでも形容すべき本作のアーサーを姿を観ていると、胸の痛さに、いたたまれません。
「救貧」「防貧」というのは、社会政策として修正資本主義国家が果たすべき仕事のはずなのですけれども。
勝本勘三郎(1867-1923)という人は、検察官のご出身で、後に犯罪の法を研究する刑法学者に転じた方ですが、国家が救貧・防貧のための施策をなおざりにしながら、その一方で(多くが貧困から生み出される)犯罪者だけを厳しく処罰することは、あたかも国家が犯罪という落とし穴を仕掛けておいて、たまたまその落とし穴に陥ってしまった者を犯罪者として取り分けて厳しく処罰するようなもので「惨も惨、酷も酷、これに過ぎたるはなし」と嘆いた気持ちが、評論子には、分かるように思います。
(追記)
本当の末筆ながら、お断りしておきます。
評論子は、この系統(DC、アメコミ)の作品も、ほとんど観ていませんし、バットマンシリーズをほとんど(まったく?)観ていません(今を去ること、おおよそ半世紀前に、30分枠のテレビシリーズで放送されたバットマンは視ている。)
したがって、本作と他のシリーズ作との関連性ということでは、いささか的外れなコメントなのかも知れませんけれども。
あくまでも、純粋に単品の映画作品としての本作のレビューであることを、ご理解いただきたいと思います。
やばい!劇薬過ぎる〜
ジョーカーの話だけど今までのバットマン映画とか
ジョーカー映画とは何の繋がりもないので
今までの映画を観たことがなくても大丈夫です。
普段は観ない系統の映画なのだけど
世間の無理解や病気や貧困のせいで追い詰められた結果
全てが反転してしまう狂気の映画!
と言うことで興味がありました。
確かに恐ろしい映画!!
それほどグロい殺人シーンも無いし、
直視出来ない様な激しい暴力シーンも無いけど
弱者を見捨て、あまつさえ笑い者にする人の心の醜さと
一周回って何かの堰が切れてしまう人の心の危うさ〜
突きつけられるものがあまりに痛い映画。
心して鑑賞してください。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
ホワキン・フェニックスの演じる
前半の方のクラウンの表情が切なく悲しい。
必死で生きているのに、
容赦ないこの世の荒波があまりに非情で苦しい。
それと対極に、何かに目覚めた後、長い長い石段を
ダンスしながら降りて行く美しくもおぞましいシーン。
よくもあの靴で、しかも濡れた石段で!
見事です!
この世界は弱い者への労わりや慈悲がなさ過ぎる〜
そのことを権力者や富裕層は見ようともしない。
自分達だけで富を抱え込み
自分達だけが生きる値打ちがあるかのように
弱者や貧者を切り捨てて来た。
映画の後半でピエロの仮面を被った貧しい民衆が
富裕層や権力者への抗議のデモから
やがて暴動へと発展してしまうのだけど
これは〜〜
フランス革命の民衆の蜂起と同じ事よね〜
何百年経っても人間って
、富裕層や権力者になった時、
民衆のことなど
何も考えない欲の権化に
成り下がることから
逃れられないのか〜〜
弱者だから、虐げられているから
暗黒面に落ちても仕方ない!とは思わないが
何かの形で声を上げなければ富裕層や権力者は
ますます増長して行く〜〜
何とかせねば!!
@お勧めの鑑賞方法は?
劇場で観ないと内容が心に痛すぎて、切り分けがしにくいのでは〜
これは
バットマンのジョーカーでなくて、違う映画で良かったんじゃないでしょうか?
バットマンはお金持ちだけど、ジョーカーが受けた金持ちからの仕打ちをバッドマンに返すのはなんか違うようなー。
むしろ違う映画の方が、アーサーの刹那さ、怒りが伝わったような。いい人は一人も殺してない、いい人だし…シリアスすぎて、バットマンが悪者になってしまったら本末転倒。もう少し、コミカルに描くか、完全に恐怖ホラー映画にするか、違う映画にして欲しかったです。
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